カイ「僕は・・・ずっと前から君が好きでした・・・」
あおい「・・・・!!」
リョウ「(な・・・何だと!?)」
あおい「・・・・」
カイ「・・・君に僕の想いをやっと伝える事が出来ましたね・・・、さくらさん」
リョウ「!!!」
さくら「・・・魁斗くん・・・」
カイ「僕では駄目ですか?」
さくら「・・・OK・・・」
リョウ「(・・・な、何てこった・・・。よりにもよって、あの2人が・・・)」
さくら「結構待ったよ・・・」
カイ「君とは付き合ってもう6年にもなるのに、言えなくてすみませんでした・・・・」
リョウ「(ろ、6年・・・!?)」
さくら「いいの?告白してないとはいえ、6年も付き合ってたんだよ・・・あたし達」
リョウ「(何てこった・・・。おい、委員長・・・、アレ?)」
あおいの姿がなかった。
リョウ「(・・・!!しまった!)」
リョウは走ってこの場を去った。
リョウ「ちっ!そうだよ・・・、河原はカイに陰で片思いをしてたんだ・・・。こんなの知ったら傷付くに決まってるぜ・・・。ったく」
風紀10:揺れる恋心と潮風に乗った別れ(後編)
チュンチュンチュン・・・・。
朝になった。
リョウ「ちっ、もう朝か・・・。河原・・・どうしたかな・・・」
食堂にみんな集まっていた・・・・1人を除いて。
カイ「それじゃ、今日は僕が代理で挨拶をします」
リョウ「カイ、委員長はどうした?」
美雪「それが、置手紙だけして朝からいませんでしたけど・・・」
リョウ「・・・そうか・・・」
美雪「河原先輩、何かあったんですか?」
リョウ「・・・いや、俺は知らないよ。どうしても朝早く出掛けなくちゃならない用事でも出来たんじゃないのかな」
美雪「・・・そうですよね・・・」
リョウ「(河原・・・どうするんだよ、俺は耐え切る自身ないぞ・・・この重苦しい空気は・・・)」
みんなは海に出掛けた。
まなみ「う〜み♪う〜み♪」
ゴリ「誠也どん、サーフィンを教えて欲しいでごわす」
誠也「ゴリ先輩の体格では苦しいと思うよ」
相変わらず堪能していたが、
リョウ「・・・」
リョウだけは落ち着かない様子だった。
美雪「朝からどうしたんですか?やっぱり、河原先輩が?」
リョウ「・・・くっ・・・。美雪ちゃん、ちょっと付き合ってくれるかな?」
美雪「え・・・・?で、デートですか?」
リョウ「う〜ん・・・。表向きはそういう事にしておこうか・・・」
美雪「(裏では相談事ですか?)」
リョウ「(そんな所)」
リョウは美雪を連れて旅館に戻った。
リョウは屋上で美雪と2人きりになり、昨晩の出来事を全て話した。
美雪「そんな事があったんですか・・・」
リョウ「河原の奴、あれから誰も見てないみたいだし・・・。立ち会った人間として心配なんだ」
美雪「神崎先輩って、心配性なんですね」
リョウ「いや、河原がどうなったか気になってるだけだよ」
美雪「でも、大丈夫ですよ。河原先輩は心の強い人ですから・・・」
リョウ「強がってるだけに過ぎないと思うけど・・・」
美雪「この間の警視正の事件を思い出して下さい。拳銃を突きつけられてるにも関わらず強気な態度で挑んでましたから」
リョウ「でも、流石に・・・」
美雪「河原先輩は今までにも身を切られる程のツラい事を経験して、泣く事はおろか弱気な態度すら見せません」
リョウ「・・・」
美雪「河原先輩を信じて、私達の前に姿を見せるのをじっと待ってましょう・・・」
リョウ「・・・そうだな・・・。いずれにせよ、俺には何もしてやる事すら出来ない・・・。河原を信じるしかないよな」
リョウは立ち上がった。
リョウ「折角だし、本当にデートでもするか?」
美雪「いいんですか?」
リョウ「俺は一緒に目撃しただけにアイツの事を考えてると楽しくなくなっちまう・・・。気を紛らわしたいんだ」
美雪「そうですか・・・。私でよければ付き合いますよ」
リョウ「んじゃ、何処行こうっか・・・」
美雪「とりあえず、海に戻ってから考えましょう」
リョウ「そうだな・・・」
リョウと美雪は旅館を出た時だった。
リョウ「ん?」
誠也「神崎先輩、デートッスか?」
リョウ「あ・・・ああ。まぁな、お前こそどうしたんだ?」
誠也「ちょっと旅館に忘れ物したんで取り行くだけです」
リョウ「そうか、じゃな」
リョウと美雪は誠也と別れ海に行った。
海では他のみんなが満喫している中・・・。
あすか「ぷはぁ〜。思った以上に難しいなぁ・・・」
ゴリ「おいどんなんてまともに乗れもしないでごわすよ」
あすか「あんたは重いからねぇ」
誠也「バランス調整ッスよ〜。体重なんて関係ないッス」
リョウ「おい・・・」
誠也「何ッスか?神崎先輩」
リョウは冷や汗を大量に流した。
美雪「あれ?虹谷くん、確かさっき旅館で会ったわよね?」
誠也「はい?」
あすか「何言ってるのよ、誠也はずっとここでサーフィンを教えていたわよ」
ゴリ「おいどん達が証人でごわす」
美雪「でも、さっき・・・・まさか・・・」
あすか「旅館に誠也に変装して空き巣に来た奴が居たの!?」
ゴリ「そりゃ、一大事でごわすなぁ・・・」
リョウ「待て、そいつは恐らく空き巣じゃないよ」
あすか「何で解るのよ!?」
リョウ「誠也、ゴリ・・・。昨日の事を思い出してみろよ」
ゴリ「昨日でごわすか?あすかどんが酒盛りして男部屋で堂々と鼾かいて寝てたヤツでごわすか?」
あすか「何でそこであたしが出てくるのよ」
リョウ「もっと前だ。1人だけ誠也に変装して男湯に潜り込んで来た勇気のある女子がいただろ・・」
ゴリ「はて・・・、そんなに変わった性格した女子おったでごわしょうか・・」
リョウ「河原だ・・・」
誠也「そういえば、僕と体格差があまりないから変装しやすいとか言ってましたよね?」
美雪「じゃぁ、さっきの虹谷くんは・・・・河原先輩って事ですか?」
リョウ「間違えなくそうだと思う・・・」
誠也「そういえば、朝からあの人いませんでしたよね」
ゴリ「行ってみてこようでごわす」
リョウ「そうだな・・・」
美雪「神崎先輩!」
リョウ「いや、やめとこう・・・」
あすか「何?どうしたの?」
リョウ「そのウチ顔を出すだろうぜ。それに、今行っても追いつかないよ」
誠也「確かにそれくらいは行けますよね」
ゴリ「さては、誠也に変装して何か悪さをしようと企んでるとか・・・」
リョウ「はづ坊ならまだしも、河原に限ってありえねぇよ」
あすか「根っからの正義バカだしね」
リョウ「それに頭がいいから人のウラをかいた行動もよくあるよな」
誠也「解ったッス、僕達はこのままサーフィンでも続けてます」
リョウ「んじゃ、美雪ちゃん行こうか」
美雪「はい」
あすか「何処に行くのよ」
リョウ「デートだよ。お前もいい彼氏作っておけよ。じゃあな」
あすか「大きなお世話じゃぁ!!」
そんな頃のハワイに居る生徒会面々・・・。
ジン「お前達、楽しんでるか〜?」
中村「も〜最高ッス!」
出目金「僕、生徒会に入ってよかったと思ってます!」
玲子「わざわざ誘ってくれて有難う御座います、会長!」
もの凄く楽しんでいた。
中村「そこのお姉さん!俺とお茶しなぁ〜い?」
女「What?」
中村「いいからいいから」
女「Oh!Help me!」
中村「いやいや気にしないでくれよ!はっはっは!」
玲子「アンタ、話通じてないわよ。というか、全然噛み合ってないわ」
中村「じゃぁ、通訳してくれよ」
玲子「仕方ないわね。Hey lady」
女「訳:あなたは?」
玲子「訳:私は美川玲子よ、こっちは相棒の中村元洋というわ」
女「訳:私に何の用なんですか?」
玲子「訳:ナンパよ。お茶に誘いたいんですって」
女「訳:お断りするわ」
玲子「訳:解るわ!そうよね、こいつ強引だし。フフフ」
女「訳:ウフフ、じゃぁ私はこれで」
玲子「訳:変な男に絡まれるんじゃないわよ!」
中村「何て言ってた?」
玲子「『あんなバカな男に興味ないわ、ケツ噛んで死ね。ばーか』って言ってたわよ」
中村「そ・・・そこまで言ってたのかよ!」
中村はナンパに撃沈した。
凛「会長、わたし達だけで良かったんですか?」
ジン「まぁ、私だって風紀委員の面々を誘いたかったよ」
凛「この資金も河原さんのお陰ですものね」
ジン「それを、あおい君だけでなく弟の魁斗まで『ハワイより日本のひなびた海と温泉旅館で充分』と断ってきたのだよ」
凛「あらぁ、魁斗さんまで・・・」
ジン「どうも、あおい君とは性格が合わないらしいのだ・・・・」
凛「でも、河原さんの頑固な性格のお陰で賄賂が転がり込んでくるんですから、いいじゃないですか」
夕方の日本海・・・。
誠也「あれ?志村先輩は?チェスの奥義教わろうと思ったのに」
あすか「さくらもいないよ。何処に行っちゃったの?」
リョウ「・・・・いいんじゃねぇの。誰がどんな事してようと」
美雪「まだ、夕食まで時間はありますし、今日は志村先輩の指示ですから・・・」
誠也「そう・・・ッスね」
その頃、
ゴリ「今度は水上スキーに挑戦したいでごわすな」
ニセ誠也「んじゃ、明日やってみようよ」
誠也「あー!!」
ニセ誠也「あ・・・」
リョウ「ニ・・ニセせい・・・ってどっちが偽者だよ」
ニセ誠也「ゴリ先輩、アレ僕の偽者ッスよ」
誠也「待て待て、偽者はアンタだろ!」
ニセ誠也「証拠はあるのかよ?偽者!」
誠也「いい加減にして下さいよ、偽者さん」
誠也がニセ誠也に飛び掛った。
ニセ誠也「おっと!偽者は本物より動きがトロイんだよ。これが証拠だよ!」
誠也「アンタがすばしっこいだけだろ!」
豪醐「何してるんだ?」
豪醐が現れた。
誠也「番長さん、僕の偽者が・・・」
ニセ誠也「駄目だよ、ゴウくん!偽者はあっちだ・・・・はっ!」
あすか「何?どうしたの?」
リョウ「ゴリ、そっちの誠也捕まえろ、そっちが偽者だ」
ニセ誠也「ちぇ・・・ゴウくんには適わないよ」
ニセ誠也が帽子を外して、正体を現した。
あおい「あたしの負けです、ごめんなさい」
ゴリ「やっぱり、あおいどんの変装でごわしたか・・・」
リョウ「・・・・」
あすか「・・・あ・・・あんた・・・」
ゴリ「どうしたでごわす?あすかどん」
あすか「髪が少しだけ短くなってない?」
あおい「あぁ・・・。昼間、ちょっとね。カイくんに任せて、ここの知り合いの美容院にね」
美雪「・・・・(河原先輩・・・やっぱり・・・)」
あおい「髪切った姿見せて脅かそうかなぁ〜って、思ってね。まぁ、そんなに驚かないかぁ・・・大して前と変わらないからね」
リョウ「・・・そ・・・そんな事くらいで黙って出て行ってるんじゃねぇ!!」
リョウが怒鳴り散らした。
あすか「・・・リョ・・・リョウ?何かあったの?」
リョウ「あんなものを一緒に目撃してショックを受けて失踪してるんじゃないかって、ずっと心配してたんだ!!それを・・・・ふざけるなっ!!」
あおい「・・・う・・・ごめん・・・」
そんな時・・・。
カイ「やはり・・・見られてしまったんですか・・・」
リョウ「・・・か・・・カイ・・・」
あおい「・・・・」
カイ「・・・・いいんですよ。近いウチみんなにも報告しようかと思ってましたから・・・」
リョウ「・・・まさか、気付いていたのか・・・」
カイ「・・・気配だけでしたけどね」
あすか「ちょっと!?どういう事なの!?」
ゴリ「あおいどんも魁斗どんもリョウどんも一体何の話をしてるでごわす?」
カイ「みんなには本当に迷惑を掛けて申し訳ないと思っています」
さくら「ごめんね、お姉ちゃん。6年も黙ってた・・・」
あすか「ちょっと!?」
カイ「僕とさくらさんはずっと前から黙って付き合っていました」
あすか「えぇ〜!?」
完全に絶叫の渦が漂った。事情を知ってしまった者を除いて。
全てを知って、重い沈黙に包まれた女子部屋。
あすか「・・・何でよ・・・。メガネは兎も角なんであんたまで実の姉のあたしに黙ってたの?反対すると思った?」
さくら「・・・だって、魁斗くんが中々告白してくれなくて・・・」
あおい「・・・あすか・・・、もういいんだよ・・・」
あすか「いい訳ないでしょ!特に、あんたメガネに片思いしてたんでしょ!傷つかないの!?」
あおい「・・・もう、いいんだよ・・・。カイくんはカイくんの好きな子を選べばいい・・・。あたし達は文句を言う立場じゃないんだよ」
あすか「でも・・・」
あおい「あたしは髪切って髪と一緒に心もすっきりした・・・。それで充分だよ」
あおいは静かに笑った。
あすか「何でよ!?何で笑っていられるの!?ありえないよ!」
あおい「さくらちゃん・・・カイくんと幸せになりなよ」
さくら「あおいちゃん・・・」
あおいはさくらを優しく包み込んだ。
あおい「まぁ、あたしは気長にあたしに合った人を見つける、それでいい。だから、あたしに構わずカイくんと・・・ね」
その頃の男子部屋。
誠也「さくら先輩か・・・。あの姉妹、あすか先輩の方がインパクトが強くて存在も忘れそうだったけど、そういう関係になっていたとは・・・」
ゴリ「でも、流石に6年は・・・・」
リョウ「もう、いいだろ、その話は。俺が気になるのは河原のあの態度だ・・・」
ゴリ「妙に落ち着いていたでごわすな・・・」
リョウ「寧ろ、いつも以上に明るくなったというか、性格が緩くなったというか・・・」
誠也「どつきやすくなったッスよね」
リョウ「そうか?俺は無理に明るく振舞って、悲しくて泣き出したくてツラいのを耐えてる様にも見えたぜ」
カイ「僕に勇気がなかったのが悪いんでしょうか・・・」
リョウ「・・・もう済んだ事だ。気にするなよ、河原の方は俺が後で何とかしといてやるから・・・」
カイ「あの場に立ち会った人としての責任ですか・・・」
リョウ「・・・大丈夫、美雪ちゃんも言ってたよ、河原の心の強さは人一倍だって。あいつならこれくらいの悲劇は乗り越えられるだろうぜ」
カイ「・・・フ・・。あおいさんを一番信頼してるつもりの僕とした事が、情けないですね・・・」
あおい「暗いよ、みんな!」
カイ「あおいさん・・・」
あおいが女子を連れて来た。
あおい「このあたしがゴウくんに頼んで、新潟コシヒカリで作った最高のお酒持ってきたから。お祝いでもやろうよ!」
カイ「お祝い?」
あおい「カイくんとさくらちゃんが結ばれたのを気持ちとして祝わせてよ」
リョウ「・・・いいじゃねぇか。俺も祝わせてもらうよ」
カイ「リョウ・・・」
リョウ「あすかは兎も角、さくらちゃんにはいい男に結ばれて欲しいと思っていた。カイお前なら任せられるよ」
あすか「何であたしはどうでもいいのよ、コラァ!」
そして、みんなに笑顔が戻った。
あおい「それでは、志村魁斗と神崎さくらの恋愛成就を祝って・・・」
    全員「かんぱ〜い!」
   
みんなで楽しく男子部屋で宴会になった。
まなみ「うへぇ〜、お酒って苦いね〜」
誠也「大人の味って言うからね」
豪醐「甘いカクテルも用意してあるから、そっちを飲むといい」
まなみ「ありがとうゴウちゃん」
豪醐はまなみと誠也にカクテルを差し出した。
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