ファーン・・・
8月13日 新幹線。
葉月「いやぁ〜、久々の実家や〜。忙しいやろなぁ・・・」
あおい「葉月ちゃん家は寺と家が合体してるんだよね?」
葉月「そうや、ウチはそこの後継ぎやねん」
豪醐「楽しいひと時を期待する」
ゴリ「京都か・・・」
ゴリが黄昏ている。
豪醐「ゴリ、どうした?黄昏てるようだが・・」
葉月「そういや、水月姉もおるで。あんたの彼女の〜」
豪醐「ゴリの彼女だと!?」
あおい「わぁ〜、見たい見たい!」
葉月「ウチのお姉ちゃんで結構美人やで!」
豪醐「それはいいじゃないか!黄昏る必要なんてあるのか?」
ゴリ「おいどんは美人が苦手でごわすから・・・・」
あおい「まったく、いるだけいいじゃん!わがままだよ、失恋した人の目の前で」
葉月「自分で言うなや!」
あおい「あんたも美人な彼女持ってるだけにそう思うでしょ?」
リョウも深く黄昏ていた。
リョウ「・・・・あ!何が?」
あおい「ちょっと・・・何で関係ないあんたまで・・・・」
リョウ「俺、転校前までは京都に居たからな・・・」
あおい「じゃぁ、京都に居た時の友達に会えるかもね」
リョウ「・・・・」
風紀11:リョウの過去と告白されたゴリ
葉月「さぁ、着いたで!」
リョウ「でっけぇ〜!」
豪醐「こりゃ想像以上だな・・・」
和風の豪邸と寺が合わさった家、それが咲崎家・・・。
葉月「ただいま〜、今帰ったで〜!」
火月「やぁ、河原さんの所のあおいさんに、嘉納さんの所の豪醐さんだね?いらっしゃい」
あおい「火月さん、元気そうで何よりだよ」
火月「あおいさんは、以前より明るくなったなぁ・・・」
葉月「失恋したからなぁ〜」
あおい「それは禁句でしょ〜」
火月「失恋すると明るくなるものなのか・・・」
葉月「そんな事より、早く入ろうや。立たせっぱなしは失礼やで」
火月「それは失礼。では、どうぞ」
火月は本堂に案内した。
水月「あら、いらっしゃい」
あおい「どうも、水月さん以前より綺麗になりましたね」
水月「あおいちゃんも以前よりいい顔になったわよ」
葉月「最近誉められっぱなしやなぁ〜」
水月「あら、そちらの見かけない方は?」
あおい「あ〜、ウチで居候です。彼、京都育ちだから、一緒につれて来たんですよ」
リョウ「ども、神崎亮です」
水月「咲崎水月です。妹がいつもお世話になっております」
リョウ「いえいえ、お世話になってるのは寧ろこっちの方ですよ」
火月「自己紹介が遅れたな、俺は咲崎火月だ」
リョウ「ども、改めまして」
土月「おや、葉月の例の葉月の友達かな?」
立派な髭を生やした葉月の父親と美人な母親の花梨が現れた。
花梨「今日はゆっくりしてってね」
あおい「はい、お世話になります」
昼食を済ませ、午後・・・。
リョウ「はづ坊〜、ちょっと墓参り行ってきていいか?」
葉月「構わへんで〜」
あおい「昔の知人のお墓?」
リョウ「あおいも来るか?」
あおい「そうだねぇ、線香1本くらい上げてみたいからね」
リョウ「はづ坊、彼岸花と線香売ってるよな?この寺」
葉月「あぁ、売ってるで〜」
リョウ「んじゃ、買っていくよ」
リョウとあおいは咲崎邸を跡にした。
リョウはちょっとした草原の丘の小さな墓に行った。
あおい「へぇ・・・、結構変わった所にある墓だね」
リョウ「俺が頼んでここに作ったからな・・・」
あおい「あんたにとっては特別な人なんだ・・・」
リョウ「昔の彼女・・・だよ・・」
あおい「あ・・・ごめん・・・・。嫌な事聞いちゃったね」
リョウ「いいんだよ・・・。元々、あおいに聞いて欲しくて連れてきたんだからさ」
あおい「昔の亡くなった彼女の事で今朝から黄昏てたんだね・・・」
リョウ「あぁ、それに・・・。俺が青いTシャツしか着ないのも青好きの彼女からの最後の誕生日プレゼントが青いTシャツだったからさ・・・」
あおい「忘れられない品ってヤツだね・・・。彼女に関しての話聞いていいよね」
リョウ「あぁ・・・。それは、3年前の6月の事だった・・・・」
【回想】
3年前の6月・・・。俺は彼女の白石裕美子と学校をサボってデートをした。
リョウ「おい、いいのか?勝手に学校抜けだしてよ〜」
裕美子「いいじゃん!あたし達はもう既にブラックリストカップルでしょ!」
リョウ「まぁ、また怒られるだけだけどな・・」
その時だった・・・。
ドゴーン!
遠くで何かが爆発した様な音がした・・・。
リョウ「何だ?今の音は?」
裕美子「リョウ、あそこ煙でてるよ」
リョウ「誰かが何かを爆発させたんだな・・・」
裕美子「行ってみる?」
リョウ「やめとこうぜ、下手な問題事に首突っ込むと余計に自体が悪化しかねないからな・・・」
裕美子「そうね、いつもの所でゆっくり過ごそ・・・」
リョウ「あぁ・・・」
俺達はいつもの野原のおだやかな丘の上で日向ぼっこをしていた。
裕美子「ここはいつ来てもいい所だよね」
リョウ「あぁ、ここだけは工事もないし、汚される事もあまりない所だからな・・・」
ドゴーン!ドゴーン!
ウー!ウー!
裕美子「騒がしいなぁ・・・」
リョウ「例の爆発が他でも起こってるんだな・・・」
裕美子「警察や消防も動いてるよね?」
リョウ「音が近くに聞こえてくるぜ・・・」
ドゴーン!
リョウ「うわっ!」
俺達の丘の大きな木が落ちた。
リョウ「ちっ!何て事を・・・」
裕美子「ったく、危ないじゃないのよ!」
???「う・・・うぅ・・・・ウギャゴォォオオオオオオッ!!!」
リョウ「え!?」
裕美子「な・・・何なの!?」
そこには顔が血まみれになっている、大男が現れた。
裕美子「な・・・何なのよアンタ!」
???「ウォォオオオオオオオッ!!」
リョウ「どうやら、話して解る相手じゃないらしい・・・」
裕美子「というか、人間の言葉喋ってないし・・・」
リョウ「自我喪失か・・・。又は、洗脳か・・・。いずれにせよ、俺達は危険だな・・・」
裕美子「そうだね・・・」
リョウ「お前は逃げろ!ここは俺が食い止める!」
裕美子「怪我すんじゃないよ!」
リョウ「無理な命令・・・だな」
裕美子は走って逃げた。
リョウ「お前の相手はこの俺だ!!」
???「うぉぉおおおおおおっ!!」
ゴスっ!
体格だけに重い拳で、ガードしても痛みを感じる程の威力だった・・・。
リョウ「ちっ!何て重い突きなんだ・・・」
???「ウガァァアアアアッ!」
リョウ「ちぃ・・・。せいやっ!!」
シューンッ!
俺の回し蹴りをあっさりかわした。
リョウ「体格の癖に妙に動きのいい奴だぜ」
???「ウガァッ!」
ドスッ!
リョウ「うぁ・・・・・・。・・・くっ!」
男の突きが俺のみぞうちにクリーンヒットした。
???「ウォォオオオオオッ!!」
リョウ「・・・くっ・・・」
俺はギリギリでかわし、気を溜めた。
リョウ「・・・後悔しても知らないぜっ!青龍拳っ!!!」
俺は掌から青い光の弾を放った。しかし、
???「ウガァァアアアア!!ガァ!ガァ!ガァァアアアッ!!」
男は俺のを超える巨大な気の塊を三連発放った。
リョウ「な・・・!うわぁぁぁああああああっ!!!」
そして、俺は奴にやられ、倒れた。
???「・・・・・・」
リョウ「・・・・や・・・やめろぉっ!!!」
裕美子「え・・!?きゃぁぁぁああああっ!!!」
グギッ!バタッ!
リョウ「ゆ・・・・裕美子ぉぉおおおおっ!!」
奴は裕美子の首の骨を握り砕いた。
リョウ「裕美子・・・」
俺は這い蹲いながら、やっとの事で裕美子の所まで行ったが、裕美子の息は既になかった・・・。
【回想終了】
リョウ「まぁ、それで裕美子も俺も1人暮らしだっただけに、俺がここに埋めたんだ・・・」
あおい「そんな事が・・・あったんだ・・・」
リョウ「でも、結構有名らしいぜ、京都では忘れ様にもあの恐怖だけは忘れられないらしい・・・」
あおい「そういえば・・・、ゴウくんの妹の秋菜ちゃんも確かその日に亡くなったって聞いたよ」
リョウ「あぁ、俺もはづ坊が来た日に聞いた・・・。ゴウの顔に傷が付いたのもその日だったとかな・・・」
あおい「で?あんたと裕美子さんを襲った男って解ったの?」
リョウ「あぁ、解ったよ。確信に過ぎないけどな。それに、本人はその時の記憶がないし、そいつに恨むつもりはないよ」
あおい「それで、誰だったの?」
リョウ「嘉納豪醐・・・。俺達がよく知ってる男だ・・・」
あおい「・・・・えっ!?ゴウくん!?」
リョウ「あの大柄の体格に顔からの出血。傷口の位置・・・。そして、傷が出来た日の事について・・・。全てがあいつを示していたよ」
あおい「そんな・・・ゴウくんが・・・・」
リョウ「でも、俺は復讐なんて真似はする気はない・・・。あいつは悪くない・・・」
あおい「あんたの大事な人を殺したかもしれないのに何で!?」
リョウ「元はといえば、俺が裕美子と学校サボってデートに行ったのがいけなかったんだ。無理にでもあいつを引き戻していれば、こういう事にはならなかった・・・」
あおい「・・・リョウ・・・」
リョウ「俺が悪かったんだ・・・。呪われても構わない・・・、そう思ったよ。俺が引っ越すまでずっと夢にまで出て来たくらいだったしな」
あおい「今は見なくなったの?」
リョウ「理由は知らないけどな・・・。自然と成仏したか、俺が美雪ちゃんと結ばれた事で諦めたか・・・。考えればいくらでも理由が付くさ」
あおい「・・・成仏してるといいね」
リョウ「そうだな・・・。・・・おっと、もうこんな時間か・・・。帰ろうぜ」
あおい「そうだね・・・」
あおいとリョウは墓を立ち去った。
葉月「そう・・・やったんや・・・」
近くの木の陰に葉月が隠れてその話を一部終始盗聴してた。
葉月「折角やから、霊がいるか見てみるか・・・・」
葉月は嫌な悪寒を感じた。
葉月「・・・ぬ・・・抜け殻・・・!?霊が居らん・・・。白石裕美子の霊・・・、何か大きな関係があるかもしれへんな・・・」
その頃、咲崎邸本堂・・・・。
水月「ゴリさん・・・私・・・」
ゴリ「水月どん・・・おいどんはあんたを好きにはなれんでごわす・・・。すまない・・・」
水月「そ・・・そんな・・・私・・・うぅっ!」
水月は泣きながら本堂を抜け出した。
その時・・・。
ガラー
リョウ「ただいま帰りましたぁ〜」
水月「あ・・・」
リョウ「うわぁっ!」
ドシーン!
水月はリョウを押し倒した。
あおい「大丈夫?2人とも・・・・・。・・・・あ・・・」
水月「ご・・・・ごめんなさいっ!!」
リョウ「どうしたんだ?水月さん・・・」
あおい「水月さん・・・泣いてた・・・」
リョウ「え?」
あおい「何か遭ったんだよ!行ってみよう!」
あおいとリョウは本堂に入った。そこにはゴリが1人で佇んでいた。
あおい「ゴリ?何かあったの!?」
ゴリ「あおいどん・・・。おいどん、やっぱり美人は苦手でごわす」
あおい「ほえ?」
ゴリ「水月どんに告白されて・・・、おいどん断ったでごわす」
あおい「そうなんだ・・・」
ゴリ「おいどんだって、水月どんは好きでごわす・・・。でも・・、美人の前ではおいどん自制心が・・・」
リョウ「・・・・おい」
リョウはゴリの胸倉を掴んだ。
ゴリ「リョウどん、苦しいでごわす」
リョウ「お前、それだけの理由で告白を断ったっていうのか?」
ゴリ「だって、おいどん・・・自制心がもたないから矢も得ず・・・」
リョウ「馬鹿野郎っ!!お前は本命の奴にフラれた事ないから解らないかもしれないがなぁ!!フラれる奴がどれだけ傷付くか考えた事はあるのか!!」
あおい「・・・リョウ・・・」
リョウ「お前、水月さんの事好きなんだろ?」
ゴリ「す、好きでごわすけど・・・自制心が・・・」
リョウ「恋愛に遠慮なんて要らないんだよっ!!」
ゴリ「・・・リョウどん・・・」
リョウ「好きだったらなぁ、追いかけろ!今すぐ走って追いかけろっ!そして、男なら自分から告白してこいっ!」
ゴリ「・・・くっ・・・水月どん・・・。おいどんが間違っていたでごわす・・・」
あおい「・・・・ゴリ・・・」
ゴリ「おいどんは水月どんが好きでごわす。今すぐ追いかけて自分から言わねば!リョウどん、一喝させてスマンでごわした!ではっ!!」
リョウ「あぁ、上手くやってこいよ!」
ゴリは走って水月を追いかけた。
ある河川敷・・・。
ゴリ「水月ど〜ん!!」
水月「・・・ゴリさん・・・」
ゴリ「おいどんが悪かったでごわす!」
水月「・・・え?」
ゴリ「おいどん、美人といると自制心を抑えるのが苦手で、人前ではロリコン男と誤魔化してきた・・・でも!おいどんは・・・」
水月「・・・」
ゴリ「おいどんは水月どんの事が好きでごわす!」
水月「!!」
ゴリ「自制心が抑え切れなかったり未熟でごわすが、こんなおいどんでよければ・・・」
水月「・・・喜んで!」
ゴリ「・・・お嬢がこっちに戻る事になったら、付き合いを始めたい・・・。ちょっと遅くなるかもしれんでごわすが・・・」
水月「構わないわ。貴方の仕事は葉月の護衛ですからね・・・。葉月が京都の生活に戻ってきたら、私達色々付き合いましょ!」
そんな姿を影で見ていたあおいとリョウ。
あおい「上手くいってよかったね」
リョウ「何かぎこちない感じだったけどな」
あおい「告白するってのはそういうもんじゃないの」
リョウ「まぁ、結構照れくさかったりするもんだわなぁ〜」
あおい「恋に遠慮なんて存在しない・・・ねぇ・・・。結構な事言うじゃん!」
リョウ「あおいはカイにまた恋でもするのか?」
あおい「・・・カイくんは諦めたって言ったでしょ。あたしの恋はそのウチ始まるんじゃないかなぁ・・・」
リョウ「時を待つ・・・か・・・。いいんじゃねぇの、恋愛に年齢制限はねぇし」
あおい「う〜ん・・・。流石に30歳までには結婚したいなぁ・・・」
リョウ「貰い手要ればいいけどな・・・・」
あおい「この〜!言ったなぁ〜」
あおいはリョウを追いかけ回しながら帰宅。
深夜・・・。
火月「なるほど・・・。お前の読みが当たったな・・・」
葉月「神崎亮を追っていたら、意外な答えが出てくるとは思わなかったわ」
火月「嘉納豪醐は白でも黒でもなかった・・・とな」
葉月「そこでもう1つ、白石裕美子の霊というのが気になるんや・・・」
火月「神崎亮の元彼女か・・・」
葉月「あの墓は抜け殻で既に霊が何処かに出掛けた跡だったんや・・・」
火月「なんだって。じゃぁ、今は何処かで誰かに・・・」
葉月「せやろうなぁ・・・。まぁ、ウチには勘やけど・・・1人心当たりがあるんや」
火月「何!?」
葉月「向こうに戻ったら、早速夜中に当たってみる事にするで」
火月「気をつけろよ。あの事件の真相を知るという事に嫌な予感もしてきたからな・・・」
葉月「困った時の護衛やろ!大丈夫や!」
それから・・・2日後。
あおい「それでは、お世話になりました」
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