ミ〜ンミンミンミンミンミン・・・
相変わらずに暑い夏の日・・・。
リョウ「まったく、風紀委員は警察じゃねぇってんだよな」
あおい「そうだよね、いくら知り合いに警察官いるからってね・・・」
あおい、カイ、リョウの3人は喫煙者の出た部室の取調べに付き合わされ、その帰りの事だった。
リョウ「それにしても、暑いなぁ・・・」
あおい「じゃぁ、「かんなや」行く?」
リョウ「お!いいねぇ・・・。カキ氷食いたい所だったんだ・・・」
あおい「カイくんはどうする?・・・・・カイくん?」
カイ「ど・・・どうかしましたか?」
あおい「顔色悪いけど、大丈夫?」
カイ「大丈夫、問題ないですよ」
リョウ「あんまり無理するなよ」
カイ「僕はそこまで熱血漢じゃありませんから・・・」
リョウ「それもそうか・・・」
その時だった・・・。
カイ「う・・・・・」
リョウ「どわぁっ!?」
ドサッ!
カイが急に倒れて、目の前に居たリョウを巻き添えにした。
リョウ「いってぇ・・・・・・・・。あちちちちぃぃぃいいい!!」
下敷きになったリョウは思いっきり熱いアスファルトの上に倒れこんだ。
あおい「カイくん!?」
リョウ「おい、どうしたんだ?」
カイは意識を失っていた。
風紀14:無理はしないで
ピーポーピーポー・・・
あおい「じゃぁあたしはこのまま乗っていくから、あんたは会長とさくらちゃんに知らせて!」
リョウ「解った!」
プ〜ルルルルル〜♪
さくら「は〜い、あたしリカちゃん!」
リョウ「遊んでる場合かよ!」
さくら「お、お兄ちゃん!?どうしたの?」
リョウ「カイが・・・・」
さくら「え・・・・?」
リョウ「カイが倒れて病院に運ばれたんだ・・・」
さくら「・・・・・」
リョウ「いいか、落ち着けよ。今から迎えに行くから、あおいは先に付き添った!じゃぁな!」
プツン・・プープープー
さくら「魁斗くん・・・が・・・・。そんな・・・」
30分後、国立岩鼻病院。
リョウ「あおい!!」
あおい「リョウ・・・。病院では静かにね」
リョウ「こんな時に注意してる場合かよ」
さくら「あおいちゃん!魁斗くんは?魁斗くんは無事なの?」
あおい「・・・・・・」
あおいは急に俯いて黙った。
さくら「そ・・・そんな・・・・」
あおい「・・・貧血・・・」
さくら「へ?」
あおいは明るい表情に戻り。
あおい「ただの貧血だってさ、あと栄養失調とか言ってたかなぁ・・・」
リョウ「おいおい・・・」
さくらはあおいの胸倉を掴んだ。
さくら「だ・・・だったら、率直に言ってよ!こっちは心配してるんだからね!!」
あおい「わ・・・悪かったよ・・・。悪戯がすぎたよ」
さくらはあおいを放した。
あおい「ふぅ・・・」
リョウ「んで?カイは?」
あおい「今は落ち着いたみたいで寝てるよ。入院はしなくて大丈夫みたいだから目が覚めたら家に帰れると思うよ」
リョウ「そっか・・・」
リョウとさくらは落ち着きを取り戻した。
さくら「そういえば、お兄さんは?」
リョウ「そういや、連絡付かなくてさ。知り合いに聞いたら、今イタリアに旅行中らしいぜ」
さくら「また?7月の終わりにも海外旅行でハワイに行ってなかった?」
あおい「会長って何気に権力だけじゃなくて、お金もあるんだよね」
リョウ「アテネ現地でオリンピックの観戦か・・・」
さくら「でも、何でだろ・・・」
さくらはある事に疑問を抱いた。
あおい「え?」
さくら「魁斗くんの原因は「栄養失調」でしょ?何で・・・」
あおい「あぁ、カイくんお兄さんと別居してるから・・・」
さくら「べ・・・別居!?何でまた・・・」
あおい「会長とカイくん仲悪いんだよね・・・。理由は知らないけど」
さくら「そういえば、あたしが初めてあった時はあんな常に敬語なんて話してなかったなぁ・・・」
リョウ「志村兄弟か・・・。何かありそうだな・・・」
そこに看護婦から嬉しい知らせを受ける。
看護婦「志村さんの付き添いの方ですね?彼が目を覚まされました」
さくら「魁斗くん・・・」
カイは平然とベッドに座っていた。
カイ「あ・・・。やぁ・・・」
さくら「魁斗く〜ん!!」
さくらはカイに飛び込んで抱きついた。
さくら「心配したんだからね・・・」
カイ「迷惑掛けてすみません・・・」
さくら「でも、無事でよかった・・・」
リョウ「あ〜コホンコホン・・・」
あおいとリョウは顔を赤くしながらそっぽを向いた。
リョウ「気持ちは解らなくはないんだけどよ・・・」
あおい「ここ病院だよ・・・。それに、周りの人見てる・・・」
さくら「はっ・・・」
さくらは顔を真っ赤にした。
さくら「は・・・恥ずかしいっ!魁斗くん・・・」
カイは冷静に、
カイ「ふ・・・。周りの人に迷惑でしょうから、帰りますか・・・」
さくら「う・・・うん・・・」
4人は病院を出た。
カイ「本当に迷惑掛けてすみませんでした」
リョウ「何言ってるんだよ。親友だろ、俺達」
あおい「困った時はお互い様ってね」
カイ「はは・・・。親友か・・・、いい言葉ですね」
あおい「ところで、これからどうする?」
リョウ「そうだな、ただの貧血とはいえ、また倒れた時困るだろうし、俺は家まで付いていくよ」
さくら「あたしも一緒に行く。魁斗くん心配だし・・・」
あおい「じゃぁ、あたしも行こうかなぁ・・・・」
結局、4人でカイの家に押しかけに行く事に・・・。
着いた場所はボロいアパートだった。
リョウ「本当に、ここなのか?」
カイ「そうですよ」
さくら「見事にボロい外面だね」
4人はカイの部屋に案内された。
リョウ「・・・外面のワリに中は随分と綺麗なんだな・・・」
あおい「カイくんって、昔から潔癖症だからね」
カイ「どうも、汚い部屋って苦手なんで引越し早々大掃除して、綺麗に仕立てあげちゃいました」
あおい「じゃ、あたし達帰るね」
リョウ「お二人さん、仲良くな」
そこに、
カイ「リョウ、コーヒーでも飲んで行きませんか?」
リョウ「いいのか?」
カイ「それに、兄さんと僕の話も聞きたいでしょうし・・・」
リョウ「・・・そうだな、じゃぁ1杯もらおうかな・・・。そこのカフェイン中毒者はどうする?」
リョウはあおいに向かって言った。
あおい「変なあだ名で呼ばないでよ」
カイ「いや、あおいさんは寧ろ聞かないでおいた方がいいかもしれませんよ・・・」
リョウ「え?」
あおいは嫌そうに、
あおい「ちょ・・・まさか、あの事話すの?」
リョウ「あの事?」
あおい「そうだね、リョウは聞いておいた方がいいと思うよ。美雪ちゃんの事もあるし・・・」
リョウ「あぁ、じゃぁ話聞いたら帰るよ」
あおい「じゃあね、カイくん元気出してね」
あおいは部屋を出た。
カイ「はい、お待たせしました。今はコレしかなくてすみません」
カイはコーヒーを3つ運んできた。
リョウ「いいよ。それより、例の話っての聞かせてくれないか?」
カイ「はい、それは僕が中学の時でした」
【回想開始】
中学2年の頃、僕は中学でも風紀委員副委員長をやっていました。
カイ「兄さん!葵組の女子が万引きしたそうだよ」
ジン「また葵組か・・・」
兄さんは風紀委員会の委員長を務めていました。
女子「あすかさん!今日は大量に収穫してまいりました!!」
あすか「おぉ、やるじゃん!姐さん、どうっすか?」
あおい「なかなかの収穫だねぇ・・・」
中学生の凶悪レディース軍団”葵組”の総長があおいさんで、副総長があすかさんでした。
あおい「ところで、どうやって手に入れた?」
女子「勿論!万引きに決まってるじゃないですか、総長!」
そんな時、
ガラガラガラ・・・
ジン「観念しろ!葵組っ!!」
カイ「もう逃げ場はないぞ!!」
バチン!!
あおいさんは女子に平手打ちを喰らわしていました。
あおい「ばっかやろー!!誰が犯罪行為やらかせと言ったか!?あんた、このあたしの顔に泥を塗る気?」
女子「す、すみません〜!!」
あおい「解ったら、今すぐ返して謝ってきな!!」
あすか「おら!さっさと行け!!」
げしっ!
あすかさんは女子を足蹴りしました。
カイ「え?」
あおい「おや?誰かと思えば、風紀委員長の志村兄弟じゃんか。また、あんたらの用はなかったようだね」
ジン「く・・・」
あおい「そろそろ、標的変えたらどうだい?し・む・ら・く〜ん!」
あすか「ウチの総長に決定的なダメージなんてあんたらには与えられねぇのさ!解ったらとっとと帰りな!クズが!」
ジン「くそ〜!覚えてろよ!!河原あおい〜!!」
結局、あおいさんを裁けず泣きを見る場面が多い僕達でした。
【回想中断】
リョウ「あのあおいがよりにもよって、レディースの総長とはね・・・。しかも、会長が風紀委員長だったのかよ」
カイ「えぇ、今の2人を見ると笑っちゃうと思いますけどね」
さくら「でも、あの頃のあおいちゃんって、あの嘉納さんに似てたよね」
カイ「というか、男子の不良軍団の総長は嘉納さんだった様な・・・」
リョウ「ゴウと同じ中学だったのか?」
カイ「えぇ・・・。彼も有名でしたから」
リョウ「でも、何であのあおいがあんなに大きく性格が変わったんだ?」
カイ「それは、3ヶ月後のプールの授業後に起こりました」
【回想再開】
男子A「やっぱ、いいよなぁ・・・美雪ちゃん」
男子B「綺麗だし、スタイルまぁまぁだし」
男子A「やってみてぇ〜!!」
ジン「お前ら、風紀委員長の目の前でいい度胸だな?」
男子B「じょ・・・冗談っすよ〜!ははははは・・・」
そして、授業が終わった時でした。
美雪「きゃっ!な・・・何ですか?」
男子A「やっぱ、たまんねぇぜ!」
男子B「なぁ、俺達と楽しい事しようぜ・・・」
美雪「いや!やめて下さい!」
そこに、
あおい「よしな!!嫌がってるじゃないか!」
あおいさんが助けに来たのでした。
男子B「げっ!あんたは河原総長!?」
男子A「やべぇ、どうする?」
その時だった・・・。
男子C「別に、男子は2人だけじゃねぇんだぜ。総長さんよ」
あおい「な!」
あおいさんは背後から来た体格のいい男子に羽交い絞めにされた。
あおい「て、てめぇ!何しやがる!!放しやがれ!!」
男子B「丁度いい機会だ、総長から先にやっちまおうぜ!」
男子A「いいねぇ・・・」
あおい「な・・・」
そこに、兄さんが現れた。
ジン「お前ら、何を・・・・・」
あおい「し・・・志村ジン・・・」
男子A「やべっ!風紀委員長だ!」
男子B「どうする?」
ジン「おや?誰かと思えば、河原あおいじゃないか」
あおい「何の用だ?こんな時に?」
ジン「・・・フ・・・。安心しろ、俺はお前達男子の味方だ」
男子A「へ?」
ジン「お前らにいいものをやるよ」
兄さんは妙な瓶を出した。
ジン「この液体を使わせてやるぜ、あの女も大人しくなるさ・・・」
男子A「おぉ、こ・・・これは素晴らしい!!」
男子B「早くやってみようぜ」
2人の男子はベタベタの透明な液体を手に付けあおいさんに近寄った。
あおい「や・・・やめろ!そ・・・そ・・・そんな汚らわしい手であたしに触るな!!」
男子達は汚らわしい手であおいに触れた。
あおい「・・・っく・・・」
美雪「いやぁ!やめてあげて!!」
あおい「し・・・志村ジンっ!これがてめぇのや・・・やり方かよ・・・」
ジン「お前は俺の邪魔ばかりして気に入らんのだ!軽いお仕置きだと思って受け取れ!」
あおい「く・・・、て、てめぇぇえええっ!」
美雪「お願い、やめてあげて!」
男子B「うるせぇ!すっこんでろ!」
げしっ!
美雪「きゃっ!」
男子は美雪を蹴り飛ばした。
あおい「や・・・やめろ・・・そ・・・」
それを偶然目撃した僕は急いでプールに向かった。
カイ「何をやっているんだ!?」
ジン「見ての通り、この気に入らん女にお仕置きをしているのさ・・・」
カイ「お前ら、今すぐやめるんだ!そんな事していいと思っているのか?」
男子A「何言ってんだよ、風紀委員長が許したんだぜ。いいに決まってるだろ!」
先生「おい、そこで何をやってる!?」
そこに体育教師が来た。
ジン「せ・・・先生いい所に、僕達が来たらこんなザマだったんですよ」
カイ「な・・・」
男子B「え?」
先生「そこの男子3人!あとで職員室に来い!いいな!!」
男子C「えぇ〜!!」
教師と男子3人は去った。
カイ「兄さん、これはどういうつもりだ!!!」
僕は激怒した。
ジン「折角のチャンスだっただけじゃないか・・・」
カイ「いくら相手があの有名な天敵だからって、こんな事をしていいと思っているのか!?」
ジン「なぁに、この女の怯えた顔が見れただけで俺は十分いい事と思えるぞ」
カイ「貴様ぁ・・・。絶交だ!俺は家出する!!あんたとは暮らさない!」
ジン「・・・けっ!好きにしな!俺もてめぇみたいな弟を持って損したぜ」
兄さんは去った。
カイ「だ・・・大丈夫か?」
あおい「・・・かっこ悪い所、見せたな・・・」
カイ「兄さんがすまない・・・」
あおい「あんたの所為じゃないよ。謝らないでくれ」
あおいさんはそう言ってシャワーを浴びに行った。
カイ「・・・。・・・おっと、大丈夫かい?えっと、嘉藤さんだっけ?」
美雪「い・・・いやぁ・・・近寄らないで・・・」
このショックで美雪さんは男性恐怖症になっていた。一方、あおいさんは・・・
あおい「・・・ちくしょぅ・・・・・」
カイ「・・・泣いてるのか・・・?」
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