風紀15:夏祭り
 ある平和な夏休みの事だった・・・。
少女「わ〜い、浴衣だぁ!」
親「ほら、暴れないの」
そんな声がそこらじゅう聞こえてくる日だった・・・。
リョウ「なぁ、今日って何かあるの?」
あおい「あぁ、近所の神社で祭りやるんだよ」
リョウ「祭りかぁ・・・」
あおい「何なら皆を誘って行ってみる?」
リョウ「あぁ、行ってみよう」

風紀15:夏祭り

その頃、河原家に生徒会の美川玲子が訪れていた。
ぴんぽ〜ん!
葉月「は〜い!」
ガチャ!
玲子「あら、こんにちわ、咲崎さん」
葉月「アンタ・・・・。誰やっけ?」
玲子「う・・・。美川よ、美川玲子。知らないの?生徒会三銃士紅一点の・・・」
葉月「生徒会三銃士っていうと・・・中村の・・・?」
玲子「あぁ・・・。風紀委員会に伝言役あいつだからなぁ、私と出目金の存在が薄いのは仕方ないか・・・」
葉月「それで?その紅一点のお姉様が何の用なん?」
玲子「あ〜、そうそう。浴衣持ってきたんだけど・・・。上がっていい?」
葉月「ええで」
玲子は居候の部屋にやってきた。
葉月「それで、その浴衣ってどんなん?」
玲子「これなんだけど・・・」
玲子は薄藍色の浴衣を広げた。



葉月「ほぅ、結構ええやん!」
玲子「私が一昨年着てたヤツなんだけど、胸がキツくて・・・」
葉月「嫌味かいな!」
ゴリ「でも、お嬢には大きいのでは?」
葉月は試し着してみた。
葉月「せやな、ウチにはちと大きいわ」
豪醐「あおい義姉さんなら、入るんじゃないか?」
ゴリ「あおいどんかぁ、いいと思うでごわす!」
葉月「でも、今出掛けとるで」
玲子「・・・いいわ、待つから。私もあおいさんに渡したくて来た様なものよ」
葉月「あおい姉ちゃん目当てかいな」
玲子「だって、他の風紀委員の女の子達はみんな持ってるって言うし、あの神崎あすかですら」
葉月「ある意味見たいわ・・・、あすか先輩の浴衣姿」
玲子「私も見てみたいものだわ」
そこに、
ガチャ!
あおい「ただいま〜!」
葉月「あ!あおい姉ちゃんや!」
ドタドタドタ!
葉月「あおい姉ちゃん!!」
あおい「葉月ちゃん、廊下は静かに歩いてね」
葉月「そんな事より、あおいちゃんにお客さんやで!」
あおい「あたしに?」
リョウ「確かに靴が一足多いな・・・」
葉月「いいから、来てや!」
あおい「ちょっと、引っ張らないでよ!」
葉月は強引にあおいを連れてきた。
玲子「ど〜も!」
あおい「あ、玲子ちゃんだったんだ。お客さんって」
玲子「あおいさん・・・一発で私を解ってくれたのは貴女だけよ!」
玲子はあおいに泣きついた。
あおい「っていうか、あんたは葉月ちゃんに会ってないから当然でしょ」
玲子「そう・・・・だっけ?」
葉月「そういえば・・・」
あおい「おいおい・・・」
リョウ「んで?用って?」
玲子「そうそう、コレをあおいさんにと思って・・・」
玲子はあおいに浴衣を差し出した。
あおい「これをあたしに?」
玲子「サイズも合うと思うんだけど・・・」
リョウ「お?見た目も合ってるじゃんか」
あおい「・・・」
葉月「着てみてや!あおい姉ちゃん!!」
あおい「・・・ごめん・・・。あたし、浴衣って苦手なんだ・・・」
あおいはそう言って、自分の部屋に戻った。
玲子「あ、あおいさん!!」
葉月「どうしたんやろな・・・」
豪醐「そういえば、中学2年になってからあおい義姉さんの浴衣姿見た事ないな・・・」
玲子「どうしてなのかしら・・・。でも、これ捨てるのはもったいないし・・・」
リョウ「・・・中学2年になってから・・・・か・・・」
リョウはある事を思い出した。
リョウ「・・・そういう事か・・・」
葉月「リョウはん?何か知ってるん?」
リョウ「いや、こっちの話だよ。君は知る必要ありません!」
葉月「けちぃ〜!」
リョウ「玲子ちゃん、その浴衣貰うよ」
玲子「え?」
葉月「あんたに着れる訳ないやろ!」
リョウ「俺が着る訳じゃねぇよ。あおいを説得して、今日の祭りに着せてやるよ」
玲子「ほんと!?」
リョウ「あぁ、約束する」
葉月「リョウはん、無責任過ぎやないか?」
リョウ「問題はないさ・・・。はづ坊は他のみんなを誘っておいてくれないか?」
葉月「え・・・えぇで」
リョウはあおいの部屋に向かった。



リョウ「よぅ・・・」
あおい「何しに来たの?だいたい察しは付くけど・・・」
リョウ「理由は解るぜ。でも、あんな強引な断り方は失礼じゃないか?」
あおいは怒鳴った。
あおい「あんたに何が解るんだよ!!あんたなんかにあたしの気持ちなんか・・・」
リョウ「そうだな・・・。理由があの事だとはいえ、男の俺から言えばそれがどうした・・・だろうな・・・」
あおい「あんたは知らないだろうね・・・・。あたしが何で「鬼をも怖がる鉄壁の風紀委員長」って呼ばれるか」
リョウ「・・・鉄壁は初めて聞いたけど・・・」
あおいはブラウスを脱いだ。
あおい「このインナー何だと思う?」
あおいはブラウスの下に青色のタンクトップインナーを着ていた。
リョウ「・・・トラウマ・・・か。やっぱり、怖いんだな・・・」
あおい「・・・そうだよ。あたしは誰も守って貰えない立場だから、自分の身は自分で守っていかなくちゃならないんだよ!」
リョウ「・・・い・・・・いい加減にしろっ!!」
リョウは怒鳴った。
リョウ「俺は信じられないのかよ?」
あおい「あんたに何を信じろっての?」
リョウ「・・・俺はお前に何かあったら、守ってやる!だから・・・」
あおい「だから・・・?そんな二言で信用しろっての!?」
リョウ「・・・っく。しょうがねぇ!そっちがその気なら、俺もやってやるよ」
あおい「何を?」
リョウ「今夜、この青系じゃない色のTシャツを着ていってやるよ!」
あおい「それがどうかした?」
リョウ「俺は、裕美子の霊に犯されてるんじゃないかと怖くて、他の色のTシャツは着れなかった。成仏した後でもな」
あおい「着れるの?」
リョウ「着てやるよ!そして、お前を守ってみせる!」
あおいは顔を赤くしながら笑った。
あおい「・・・・仕方ないなぁ・・・。じゃぁ、着てあげればいいんでしょ」
リョウ「やっと、着てくれる気になったか!」
あおい「だけど、約束だからね。あたしを守るって。それと、それは人前では言わない様に!」
リョウ「あぁ、約束する」

そして、夕方。
あおい「葉月ちゃん、着付けてくれる?」
葉月「えぇで!」
あおいと葉月はあおいの部屋に行った。
ゴリ「いやぁ、リョウどんもやるでごわすなぁ・・・」
リョウ「ったく、誰にでも弱みはあるもんだな・・・」
ゴリ「そういうもんでごわすよ」
リョウ「んで?何でお前も浴衣なんだ?」
ゴリは抹茶色無地の浴衣を着ていた。
ゴリ「おいどんはいつもコレを着て祭りに行ってるでごわすよ」
リョウ「あぁ、咲崎家の護衛としてのけじめか・・・」
豪醐「俺達も浴衣一着くらい持っておくんだったな、リョウ」
リョウ「別に〜、ゴリに着付けられるのはちょっとな・・・」
ゴリ「そういえば、玲子どんが生徒会は全員浴衣で来るって言ってたでごわすよ」
リョウ「マジかよ・・・。というか、中村と会長さんみたいに見るからに似合わなそうな奴の浴衣見るの楽しみだなぁ・・・」
そして、
葉月「リョウはん、出来たで!」
あおい「ど・・・どうかな?」
あおいは玲子のよこした、薄藍色地に朝顔柄の浴衣に赤い帯を締めていた。
リョウ「・・・す・・・すげぇいいよ。いや、お世辞とかじゃなくて本当に」
あおい「・・・ふ・・・。ありがと〜」
葉月「んで、ウチのはどうや?」
ゴリ「いいでごわすなぁ・・・。お似合いの色合いでごわすよ、あおいどん」
豪醐「久々に輝いてるあおい義姉さんを見たな」
葉月「無視かい!」
ゴリ「あぁ〜、お嬢は可愛いでごわすなぁ〜(←見向きもしない)」
葉月「むきぃ〜!!」


ちなみに、葉月は水色地に紫陽花柄の浴衣に黄色い帯をしていた。
あおい「んじゃ、そろそろ行こうか!」
リョウ「おう!」
5人は家を出た。

近所の烏神社の祭りにやってきた。
カイ「やぁ、みんな集まってますね」
リョウ「お前も浴衣かよ」
カイは無地藍色の浴衣を着ていた。
リョウ「俺らも浴衣くらい買えばよかったな」
豪醐「いや、俺達は似合わないと思うぞ」
そこに、神崎姉妹が2人とも浴衣でやってきた。
あすか「あれ?あおい浴衣なの?」
あおい「うん、玲子ちゃんに貰ったんだ」
さくら「あおいちゃんの浴衣姿見るの5年振りだなぁ」
あおい「そんなになるっけ?」
あすか「なるなる!あんたがレディース解散させてから見なくなったよね」
あおい「嫌な事を思い出させないでよ」
さくら「でも、いい色だよね。青というか、浴衣だから薄藍色っていうのかな・・・?」
あすか「これをあの女王様が着ていたとはね・・・」
あおい「あの子にだってそんな時があったんだよ・・・」
更に、浴衣を着た美雪が通り過ぎた。
葉月「美雪先輩!」
美雪「あら、葉月ちゃん・・・」
葉月「美雪先輩、美人だけに似合うなぁ〜」
リョウ「大和撫子っていうのかな・・・」
葉月「リョウはん、ウチは?」
リョウ「結った髪も浴衣と相性良くていいと思うよ。美雪ちゃん」
葉月「無視かいな!」
美雪「神崎先輩、誉められるのは嬉しいですけど、あまり言うと河原先輩が嫉妬しますよ」
葉月「ウチだって、嫉妬してるで!」
あおい「別にそんなに心の狭い人間じゃないんだけどねぇ」
あおいが割り込んだ。
美雪「わぁ!河原先輩、その浴衣お似合いです!」
あおい「これで何人目だろ・・・」
美雪「私は初めて見ましたから・・・。神崎先輩がプレゼントしたんですか?」
リョウ「いや、これは生徒会の玲子ちゃんのお古なんだ」
美雪「あぁ、あの生徒会の美人さんですね」
あおい「でも、リョウが説得しなかったら着なかったかもね〜」
美雪「まだ根に持ってるんですか?」
あおい「う・・・。美雪ちゃんが男性恐怖症治らないなら、こっちもそう簡単にはね」
葉月「また、ウチは無視かい!」
誠也「仕方ないだろ、はづ坊の家は寺なんだから」
誠也とまなみが現れた。まなみは浴衣だが、誠也は私服だった。
まなみ「普段から見慣れてるんだから反応が今ひとつなのは仕方ないよ」
葉月「しっかし、随分と明るい浴衣やなぁ、まなピー」
まなみ「そっかなぁ〜」
誠也「でも、まなみちゃんらしくていいと思うよ」
葉月「はぁ〜、はいはいごちそ〜さん」
リョウ「お、誠也!お前も私服か!仲間だな!!」
誠也「あ、志村先輩もゴリ先輩も浴衣なんだ・・・。ちぇ、浴衣持ってりゃよかった」
リョウ「俺とゴウじゃ不満かよ」
リョウは握り拳を上げた。
誠也「めめめめ、滅相もありません!!」
リョウ「ったく・・・・」
あおい「ちょっと、下級生を苛めるのはやめなよね。」
リョウ「へいへい・・・・」
あおい「んじゃ、みんな揃った事だし、行こうか」
という訳で、風紀委員+おまけ3名で見て回る事になった。

まなみ「あれ?ねぇ、あのカキ氷屋妙に人気あるみたいだよ」
まなみはカキ氷の夜店で1つだけ行列が出来ているものを発見。
誠也「あぁ、ばあちゃんの夜店だよ。今日の祭りでやるとか言ってたし」
まなみ「おばあちゃんのカキ氷かぁ・・・」
ハヤト「おい、虹谷!」
誠也「ん?」
近くの夜店からハヤトの声が聞こえる。



誠也「あ!ハヤト先輩!!」
ハヤト「おう!」
誠也「何してるんですか?」
ハヤト「夜店で焼きソバ焼いてるんだよ」
誠也「相変わらず、人気ありますね・・・。ばあちゃんのカキ氷」
ハヤト「だろ。だから、ワザとばあちゃんの夜店の反対側で焼きソバの夜店やってるんだよ」
誠也「どういう意味です?」
ハヤト「教えてやるよ。お〜い、まなピー!」
まなみ「何?ハヤちん」
ハヤトはまなみを呼んだ。
ハヤト「行列並ぶの大変だろ、焼きソバ食いながら待っていないか?」
まなみ「え?いいの」
ハヤト「友人のまなピーの為だ、お好み焼きも付けて広島焼きにしてやるよ」
まなみ「わ〜い!」
誠也「あ!そういう事か・・・」
ハヤト「そういう事だよ。待ち時間の間に焼きソバを差し出して時間潰しをしてもらうって作戦さ」
誠也「でも、旨いんですか?」
ハヤト「んじゃ、お前も食うか?」
誠也「んじゃぁ、毒見で・・・」
ハヤト「ちゃっかりしてるな・・・お前・・・」
ハヤトはまなみに広島焼き、誠也に焼きソバを無料で差し出した。
ハヤト「どうよ?」
誠也「・・・思ったより旨いです」
まなみ「美味しい〜!!」
ハヤト「んじゃ、ばあちゃんトコの行列並んでろよ。食ってる間には番が回ってくるだろ」
誠也「有難う御座います!」
まなみ「じゃね!」
誠也とまなみは列に並んだ。

パン!
さくら「あ〜、外したぁ〜!」
さくらは射撃をやっていた。
カイ「何が欲しいんです?」
さくら「あのマスコット」
さくらはパンダのマスコットを指した。
カイ「じゃ、おじさん。1回お願いします」
おじさん「はい、400円ね」
カイは金を払い銃を受け取った。
カイ「なるほど・・・、少し上向きです・・・か」
おじさん「う・・・」
カイ「見てて下さいね」
パン!ピン!
さくら「おぉ!」
カイは見事一撃でマスコットを得た。
カイ「いかがです?」
さくら「さっすが、魁斗くん!ありがと!」
カイ「礼には及びませんよ」
そこに、
あすか「おじさん、あたしも1回」
おじさん「あいよ」
あすかは銃を受け取った。
あすか「・・・・・」
おじさん「ひぃ!」
あすか「確か、ちょっと上向きだったよね?」
あすかはおじさんに向けた。
おじさん「お嬢さん?ワシに向けないで欲しいのだが・・・」
あすか「往生せいやぁぁああああっ!!!」
おじさん「ぎゃぁぁああああっ!!!」
パン!ビシッ!!
カイ「あすかさん・・・・どうかしたんです?」
さくら「お姉ちゃん、いっつも射撃で痛い目見てるんだってさ。憂さ晴らしじゃないのかなぁ・・・」
カイ「そうですか・・・」
さくら「危ないから、他行こう・・・」



カイ「そうですね・・・」
カイとさくらはこっそり抜け出した。

その頃、
美雪「あ!」
ポチャン!
祥子「難しいなぁ、この金魚すくいは」
柳「紙が弱いんだと思うわ」
リョウ「おう、どうした?」
美雪「あ、神崎先輩」
祥子「あんた、金魚すくい出来る?」
リョウ「あぁ、そんなに難しいか?」
祥子「言ったね?じゃぁ、やってみろよ!」
リョウ「おう!」
リョウは金を払って、すくい枠を受け取った。
リョウ「見てろよ!うりゃ!!・・・・あれ?」
紙はあっさり破れた。



祥子「やっぱ駄目じゃん!」
リョウ「ちぃ!おやっさん、もう1回!」
あおい「やめときなよ、金の無駄だから」
リョウ「な、何ぃ!?」
あおいが横で金魚すくいをやっていた。
リョウ「お前に出来るって言うの・・・・・・・え?」
あおいの器に大量の金魚が入っていた。
あおい「どうしたの?」
リョウ「お前、その金魚どうした?」
あおい「さっき取った」
リョウ「どうやって?」
あおい「こうやって」
あおいは意図も簡単に金魚をすくった。
リョウ「何でだ?紙がいいのか?」
あおい「紙っじゃないよ。腕前と頭の違い・・・っかなぁ・・」
柳「河原先輩!私に教えて下さい!」
美雪「私、河原先輩みたいな人が知り合いで幸せです」
祥子「弟子にして下さいっ!」
あおい「こらこらぁ〜」
リョウ「・・・うぅ・・。何なんだよ、このやるせない気持ちは・・・」
おやっさん「どうでもいいけど、金魚なくなっちまいそうだ・・・」

葉月「・・・それで?・・・何でウチはこんなムサい男2人と一緒やねん」
葉月はゴリと豪醐と一緒に回っていた。
ゴリ「お嬢はおいどんが守らねばならないでごわすからな・・・」
豪醐「それに、何かあったら困るだろう」
葉月「うぅ・・・」
ゴリ「たこ焼きオゴるでごわすから、機嫌直すでごわすよ。お嬢」
豪醐「それとも鯛焼きがいいか?」
葉月「う〜ん・・・。かっこいい少年が欲しいわ」
ゴリ「それは売り物じゃないでごわすよ」
葉月「お?いい男発見!」
ゴリ「どれでごわす?」
葉月が指差した先には焼きソバ焼いていたハヤトがいた。
ゴリ「あれって、駄菓子屋のバイトでごわすな」
豪醐「(あ、あいつは!?)」
葉月は声を掛けに行った。
葉月「兄ちゃん、えぇ男やなぁ」
ハヤト「ん?俺か?」
ゴリ「こら、お嬢。失礼でごわすよ」
ハヤト「いや、俺は構わねぇが・・・」
ゴリ「そうだ、焼きソバ5つもらうでごわす」
ハヤト「あいよ、まいどあり!」
ハヤトはゴリに焼きソバを5パック渡した。
ゴリ「あとは、河川敷で花火でいいでごわしょ?」
葉月「しゃぁ〜ないな・・・」
ゴリは葉月を連れて河川敷へ向かった。
ハヤト「・・・てめぇ・・・、嘉納豪醐・・・。よく未だに表を歩けたもんだな・・・」
豪醐「フン・・・、ハヤトか。お前こそ、いつまであいつに付きまとう気だ?」
ハヤト「俺は奴との因縁があるんでな、てめぇごときガキ大将に邪魔される訳にはいかねぇって事だ」
豪醐「まぁいい・・・。お前に用があるのはあいつだけだからな・・・」
ハヤト「解ってるじゃねぇか・・・」
豪醐「伊達に付き合いは短くないって事だ。それに、奴との因縁は俺にもあるからな・・・」
ハヤト「・・・妹・・・か。そう考えると他人とは思いたくねぇな」
豪醐「ところで、奴の方はどうだ?」
ハヤト「今の所問題行為はねぇな。てめぇこそ感謝くらいしろよ」
豪醐「解ってる、あの騒動をある程度有耶無耶にしてくれたからな・・・」
ハヤト「だが、気を付けろ。てめぇと一緒にいたあのガキにはな・・・」
豪醐「咲崎葉月の事か?」
ハヤト「あのガキが来てから風紀委員の性格が変わってきてやがる」
豪醐「・・・それに、京都出身・・・か」
ハヤト「咲崎家といえば、かなり有名な陰陽師の寺の一族だ。下手すると、てめぇだけは正体バレてるかもしれねぇぜ」
豪醐「・・・だが、俺が大それた行動に出なければ問題なし・・・か」
ハヤト「あぁ、ヤツの事は俺に任せて、てめぇは自分の身を気にしな!顔の傷だって癒えてねぇんだろ」
豪醐「スマンな・・・」
ハヤト「・・・それとなぁ・・・。商売の邪魔してんじゃねぇ!後ろの客が逃げてるじゃねぇか!」
豪醐「う・・・スマン・・・」
豪醐は葉月とゴリを追った。
ハヤト「ったく・・・」
誠也「いやぁ、やっと買えたっすよ」
誠也とまなみがカキ氷を買って戻ってきた。
まなみ「あれ?今のってゴウちんだよね?」
ハヤト「気にするな、ただの中学時代の知り合いだ」
まなみ「へぇ、意外な友好関係だね」
ハヤト「うるさいぜ。とりあえず、商売の邪魔だから裏で食え」
誠也「す、すみませ〜ん!」
誠也とまなみは裏に入った。

その頃、
あおい「ふぅ、大漁大漁!」
美雪「結局全部すくっちゃいましたね」
祥子「ついでにそこのおやっさんも放心してるな・・・」
リョウ「そんな量の金魚どうするんだ?」
柳「河原先輩の事ですから、水槽に入れて育てるんですよね?」
あおい「いや、明日川に放つつもりだよ」
柳「飼わないんですか?」
あおい「これだけの量いるんだから、小さな水槽より大きな川の方がいいでしょ」
リョウ「そう・・・だな。俺も、川に放した方がいいと思うよ」
美雪「本当に最近息が合う様になってきましたね」
祥子「ヒューヒュー!熱いねぇ」
柳「私も前からこの2人の方が釣り合うと思ってたんですよ」
リョウ「おいおい、茶化すなよ」
あおい「恥ずかしいでしょ!」
3人は茶化して笑っていた。
美雪「あ!そろそろ花火始まりますね」
あおい「じゃぁ、あたし達はちょっと回ってから見るよ」
祥子「仲良くねぇ〜!」
リョウ「だから、茶化すな!」
あおい達と2年組は別れた。

その頃、
さくら「それじゃ、そろそろ花火始まるから行こっか・・・」
カイ「あすかさんはほっといていいんですか?」
さくら「いいのいいの!小姑みたいで五月蝿いし」
カイ「それじゃ、河川敷に行きましょう」
カイとさくらは河川敷を目指した。

あすか「うぅ・・・1人は寂しいなぁ・・・」
祥子「あれ?あすかさん?」
あおい達と別れた2年組とあすかが行き会った。
あすか「ねぇ、美雪ちゃん。さくらとメガネくん見なかった?」
美雪「見てませんけど、きっと河川敷じゃないのでは?」
柳「もうすぐ花火も始まりますし」
あすか「そっか、有難う!」
美雪「あの・・・せっかくですから、一緒に行きませんか?」
あすか「み・・・美雪ちゃん?」
美雪「あ!ごめんなさい!迷惑・・・ですよね」
あすか「あ・・・有難う!その言葉聞きたかったの!」
祥子「風紀委員以外の友達作った方がいいんじゃないですか?先輩」
あすか「余計なお世話よ!」
あすかと2年組は夜店を回りながら、河川敷へ向かった。

2年組と別れた。
リョウ「そろそろ、花火が始まるな。河川敷に行くか」
あおい「そういう事言うのはシロートだよ」
リョウ「え?」
あおい「もっといい場所連れてってあげるよ」
リョウ「もっといい場所?」
あおい「いいから付いてきなよ」

あおいが連れてきたのは近くの小さな丘の上の小さな神社だった。
リョウ「本当に人いねぇな」
あおい「ここの屋根の上が良く見えるんだよ」
リョウ「どれどれ?」
あおい「ちょっと、浴衣じゃ登れないんだけど」
リョウ「悪い悪い。捕まってろよ」
リョウはあおいを抱きかかえて屋根の上に上った。
リョウ「おぉ!いいじゃんか!河川敷から一面に見えるぜ!」
あおい「でしょ!初日の出もここで見てるんだ、あたし」
リョウ「お?始まるぜ」
ピュー!パン!
リョウ「おぉ!これは絶景じゃないか」
あおい「でしょ。川の反射加減もしっかり見えるからいいんだよね」
リョウ「こんないい所案内してくれて有難な」
あおい「どういたしまして!」

その頃の河川敷。
さくら「すっごい人だね」
カイ「でも、大丈夫ですよ」
さくら「え?」
カイ「兄さんに頼んで、生徒会の1人を場所取りに貸してくれたんですよ」
さくら「本当に権力あるお兄さんだね」
出目金「お〜い!魁斗さん!」
カイ「やぁ、わざわざすみませんね。佐藤さん」
生徒会の佐藤が場所取りをしていてくれていた。
ジン「おう、来たか魁斗」
カイ「本当に場所選び上手いですよね」
ジン「今回もあおい君はここに来ないのか?」
カイ「えぇ。まぁ、リョウが一緒ですから、大丈夫ですよ」
ジン「そうか・・・」
玲子「ねぇねぇ、魁斗さん。あおいさんは私のあげた浴衣着てくれたの?」
カイ「はい、リョウが説得させたそうです」
玲子「そうなんだ・・・やるわね、あいつ」
ジン「しっかし、残念だったな。あおい君の浴衣姿楽しみだったのに・・・」
カイ「あとで、写真見せますよ」

河川敷の上の方では、
葉月「人ごみ凄いわぁ〜!豪醐はんも見失ってまうし〜」
ゴリ「みんな花火目当てでごわすか・・・」
葉月「ゴリ、ウチを肩車してくれへん?」
ゴリ「いいでごわすよ」
ゴリは葉月を肩に乗せた。



葉月「おぉ、えぇ眺めやわ〜!」
ゴリ「おいどんはどうなるでごわすか?」
あすか「あれ?はづ坊じゃん!」
あすか&2年組と合流した。
葉月「どうや?ええやろ!」
あすか「でも、ゴリだしなぁ・・・」
祥子「ちょっと汚そうだな・・・」
柳「無粋ですよね」
美雪「それに、調子に乗って何をするかも解りませんし」
ゴリ「うぅ・・・どうせ、おいどんは・・・・」
葉月「言われ放題やな・・・」
あすか「そういえば、さくらとメガネ見てない?」
葉月「それなら、生徒会の連中と一緒に場所取りしてあった場所で花火見物してるで」
あすか「何ぃ!」
葉月「あすかはん、ほっといてやった方がええ」
あすか「何でよ!」
葉月「今邪魔したらアカン。妹に一生恨まれるで」
あすか「わ・・・解ったわよ」

そして、花火が終わった。
あおい「いやぁ、今回はいつもより派手でよかったなぁ・・・」
リョウ「俺も久し振りに見た気がするよ」
あおい「んじゃ、降りようか」
リョウ「ああ」
その時だった。
ズルッ!
あおい「え?」
リョウ「あおいっ!!」
あおい「うわぁぁぁああああっ!!!」
リョウ「ちぃっ!」
あおいは躓いて転び落ちそうになったのをリョウが飛び込んで行った。
ガラガラガッシャーン!!



リョウ「いってぇ〜!!おい、大丈夫か。怪我はないか?浴衣も無事か?」
あおい「両方とも無傷だよ」
リョウ「いやぁ、それはよかった」
あおい「何でそんな無茶したの?」
リョウ「言っただろ、「絶対守ってやる」ってさ」
あおい「自分の身を守れない奴なんかに他人の身を守れると思わないでよ!」
リョウ「う・・・」
あおい「でも・・・」
あおいが怒った表情から照れくさそうな表情に変わった。
あおい「・・・あ、ありがと・・・」
リョウ「・・・素直じゃねぇな」
あおい「うるさいよ!」
そこに、豪醐が現れた。
豪醐「やはり、ここに居たのか」
あおい「ゴウくん・・・」
リョウ「何か用か?」
豪醐「みんなが公園で花火大会二次会をやろうっとさ」
あおい「二次会かぁ、行く?」
リョウ「そうだな、みんなと楽しむのも悪くないか」
3人は公園へ向かった。

公園には風紀委員達だけでなく、生徒会のメンバーに写真部部長まで一緒に居た。
あおい「げっ!会長もいるの?」
ジン「「げっ!」とは何だね」
リョウ「それといつの間に何で写真部部長までいるんだ?」
写真部部長「虹谷に集合写真撮って欲しいって頼まれて来た」
誠也「いやぁ、会長さんがどうしても河原先輩の浴衣姿みたいって言うから〜」
ジン「私の所為かね」
玲子「いやぁ、しっかし予想以上に似合ってるわね、あおいさん」
あおい「あぁ・・・玲子ちゃんのセンスのお陰かなぁ・・・」
玲子「でも、よく着付けが出来たわね」
あおい「葉月ちゃんにやってもらっただけだよ」
葉月「まぁ、ウチは実家で浴衣とか着物とかはよく着るやさかい。慣れてるねん」
写真部部長「んじゃ、撮るぜ」
全員集まった。
写真部部長「はい、チーズ!!」
パシャ!

そして、色々大変な事があった今年の夏休みは終わりを告げた・・・。