9月、体育祭の時期がやってきた。
ウチの学校では1学年10クラスあり、それぞれランダムに色を決められている。
赤組、白組、青組、黄組、緑組、橙組、桃組、紫組、茶組、黒組
と、今年は決められている。
しかし、ランダムとはいえ、必ずしも平等になっているという保障はなかった。
風紀17:燃えろ!熱血体育祭
3年3組教室。
なたね「それでは、ウチのクラスの体育祭実行委員を決めたいと思います。」
なたね先生は投票箱を出した。
なたね「このクラスの中からズバリこの人にやってほしいという人の名前を書いて入れて下さい」
ざわざわざわざわ・・・
あおい「やっぱり、信頼出来る人だよね?」
カイ「この人になら絶対付いてきたいという人が一番ですよね」
リョウ「まぁ、それなら決まりだな・・・」
ざわざわざわ・・・
なたね「それでは発表します!」
なたねは票の入った人の名前と票数を書き出した。
なたね「神村君・1表、神崎君・1票、芝九蔵君・3票、榊原樹さん・4票、志村君・8票、河原さん・23票!よって河原さんに決定しました!」
カイ「あおいさん、おめでとう・・・」
あおい「何でまたこんなに飛び抜けてるかなぁ〜」
リョウ「というか、俺に入れたの誰だ?」
あおい「あんたじゃないの?」
リョウ「入れる訳ないだろ・・・、神村じゃあるまいし・・・」
なたね「は〜い、河原さ〜ん!前に出て挨拶して〜」
あおい「は〜い」
あおいは教壇に立った。
ざわざわざわざわ・・・・
あおい「は〜い、静粛に〜!」
あおいの一言で黙った。
あおい「みなさんに指示を頂き、実行委員になった河原です。打倒赤組めざせ優勝という事で頑張りましょう!」
「わ〜!!」
リョウ「ところで、何で赤組なんだ?」
カイ「何でも赤組は生徒会が集まっちゃってるらしいんですよ」
実は青組にはあおい・リョウ・カイ、赤組にはジン・中村・玲子が偶然一緒になっていた。
リョウ「あおいのヤツ、生徒会嫌いだからなぁ・・・」
カイ「恐らく、赤組の実行委員は兄さんだと思いますよ・・・」
リョウ「何だかんだ言っても、会長さんっていい人なのにな・・・」
カイ「敵には回したくないですね・・・」
あおい「は〜い、そこの2人煩いよ。って事だから、そこの2人は手伝い決定ね」
リョウ「というか、そんな事言わんでもやらす気だろ・・・」
あおい「解っちゃう?」
リョウ「解るわいっ!」
あおい「は〜い、静粛に。それでは今日の放課後の会議で競技が発表になりますので、後程検討しましょう。では、解散!」
放課後。
あおい「ふぅ〜、会議が終わった・・・あれ?」
リョウ「よぅ」
あおいが教室に戻ってきた時に、リョウとカイが残っていた。
あおい「どうしたの?」
リョウ「物理の補講があるって言ったろ」
あおい「委員会の方は?」
カイ「大丈夫、美雪さんに任せてありますから・・・」
あおい「う〜ん・・・心配だなぁ・・・」
リョウ「信頼してやれよ。会長さんにも言われたんだろ」
あおい「解ったよ」
???「ふぅ・・・」
あおい「ん?」
教室のベランダからため息が聞こえた。
???「体育祭・・・か・・・」
あおい「あれは・・・確か・・・」
ベランダには肥満体質の男子が悩みながら黄昏ていた。
リョウ「誰だあの豚?」
カイ「失礼ですよ、確かに無粋ですけど」
あおい「あ〜、2人とも嫌がらせしないの!」
彼の名は豚本拓也。相撲部の主将である。
あおい「どうしたの?拓也」
拓也「あ〜・・・、河原さんか・・・」
あおい「悩みがあったら言ってみなよ。聞くよ」
拓也「オラは足手まといなんだぁぁぁああっ!」
拓也は泣き出した。
あおい「あ・・・ちょっと、落ち着いて・・・」
拓也「みんなに言われただ、「河原さんの顔に泥塗ったら許さない」っと」
あおい「あ・・・そんな・・・・」
拓也「オラにそんな自信ねぇべさ・・・。走るの苦手だし・・・」
あおい「・・・・・・」
拓也「オラなんか、当日サボっちまえばいいんだべさぁぁああっ!」
その頃、教室内で・・・
リョウ「まぁ、その方が楽かもな・・・」
カイ「暑苦しくないし、助かりますよね」
あおい「そこ!火に油注ぐ発言しないの!」
リョウ「だから何故に俺に向かって言うんだよ!」
あおい「あんたのが凶悪だから・・・」
拓也「また、オラの悪口言われてたべか?」
あおい「何でもないよ。あたしへの嫌がらせかなぁ・・・」
拓也「何れにせよオラは足手まといに変わりねぇべよ。アンタもそう思ってるんべ?」
あおい「・・・・ふ・・・ふざけないでっ!!」
あおいは怒鳴った。
拓也「ひっ!」
リョウ「え?」
あおい「あたしは、誰1人だって見捨てる気はないよ!」
拓也「河原さん?」
あおい「君だって充分な戦力なの!ウチのクラスには絶対必要なの!」
拓也「そんな競技1つもないべ!つまらない慰めはいらんべよ!」
あおい「例えば、綱引き!あんたの協力がなければ絶対茶組には勝てない!」
拓也「あ・・・」
あおい「走るのが駄目なら、他の力技系の競技に出ればいいでしょ!」
拓也「オラ・・・うっかりしてただよ・・・。アンタのお陰だべ・・・。オラ・・頑張るだ!」
あおい「その意気だよ!拓也っ!」
拓也「ガハハハッ!!オラ、頑張るべよ!どぉ〜すこ〜いっ!」
あおい「はは・・・調子いいんだから・・・」
拓也「河原さぁ〜ん!!」
ゴキベキバキボキッ!
リョウ「ぎゃぁぁぁああああっ!!」
拓也「あれ?」
あおいはリョウを身代わりにした。
リョウ「き・・・汚いぞ・・・」
あおい「何となく来ると解ってたんで身代わりにしてみましたぁ〜!」
リョウ「だったら、カイに身代わりさせろよ」
あおい「カイくんは汗とか嫌いだし、あんたなら構わんでしょ〜」
リョウ「よくねぇ!!」
こうして、1つの件は解決した。
翌日、体育のお時間の校庭。
あおい「んじゃぁ、あたしがストップウォッチを押すからカイくんは書記お願いね」
カイ「はい」
あおい「リョウはスタートの合図宜しく」
リョウ「おう!」
3人は位置についた。
芝九蔵「ワイがアンカーで目立ってやるで!」
神村「何を言っているのかね!私が目立つのだよ!」
芝九蔵「んじゃと、ゴルァァアアアアアアアアアッ!!!」
神村「ひぃぃっ!お・・・脅かしても無駄だぞ!ヤクザの息子が!」
拓也「どうでもええんだけど、オラの後ろに隠れないで欲しいべ」
リョウ「お〜い、喧嘩してないで位置付けよ」
リョウは仲裁に入った。
リョウ「あおいは一番速いヤツをアンカーにするって言ってたぜ、誰よりも全力で速く走ればいいじゃねぇか」
神村「そうだそうだ!」
リョウ「だから、物陰に隠れるなよ」
芝九蔵「まぁええわ!ワイより速いヤツなんておらんからのぅ!」
拓也「オラより遅ぇ奴もいないべ」
リョウ「安心しろ、拓也。お前の分のリスクはトップとアンカーが面倒みてやるからな」
拓也「アンタええ人だべ!」
拓也がリョウにサバ折を仕掛けようとした。
リョウ「待て、抱きつくな・・・」
拓也「ちっ!」
リョウ「いいから位置つけ!始まらないぜ」
神村「任せたまえ!」
リョウ「位置について・・・・よ〜い!」
ピ〜!
リョウはモールスを吹いた。
そして・・・。
あおい「全部終わりだね」
カイ「とりあえず、あおいさんが一番ですか・・・」
あおい「いいじゃん!会長と対決出来るし」
カイ「相当、兄さんが嫌いなんですね・・・」
あおい「まぁ、あんな事あったんだから当然でしょ!」
リョウ「あおいは根に持ち過ぎなんだよ。今の会長さんはいい人じゃねぇか」
あおい「う・・・」
リョウ「とりあえず、あおいがアンカーだろ。トップは誰にするんだ?」
あおい「あぁ、トップは2番のカイくんで、サブアンカーは3番のリョウね」
リョウ「なるほど、交互に組んでいって真ん中にビリの拓也を入れる戦法か・・・・」
あおい「全員リレーは全員参加だからね。燃えちゃうんだよね」
拓也「河原さ〜ん・・」
拓也が現れた。
拓也「オラはどうだべか?」
あおい「大丈夫、このくらいの速さなら足手まといにはならないよ」
拓也「本当だべか!?」
あおい「あたしが何とか無理なく上手く組んであげるからまっかせなさ〜い!」
あおいは胸を張って言い切った。
リョウ「何処からそんな自信出てくるんだよ」
放課後、風紀委員室。
あおい「拓也は綱引き確定として・・・。リョウ、あんた何出たい?」
リョウ「そうだなぁ・・・。障害物とかいいなぁ・・」
あおい「う〜ん・・・、あんたは障害物向けだからね」
リョウ「どういう意味だよ!」
あすか「あ・お・い!」
あすかがあおいに話し掛けてきた。
あおい「何?」
あすか「そっちのクラスの二人三脚誰が出るの?」
あおい「まだ決めてないよ」
あすか「紫組はあたしとさくらで出る事にしたんだけど、勝てる?」
あおい「ふ・・・双子姉妹作戦で来たか・・・」
あすか「どうする?あたし達は息が合うよ〜」
あおい「じゃぁ、こっちもそれなりの相手を用意しないとね・・・」
あすか「そんな奴いるの〜?」
あおい「舐めないでよ!カイくん、リョウ!」
リョウ「ん?」
カイ「何です?」
あおい「君達2人で二人三脚に出なさい!」
リョウ「お?面白そうじゃんか」
カイ「いいですねぇ・・・、リョウが相方ならこっちも遠慮なく走れますし」
あすか「うわ〜汚ねぇ!リョウとメガネかよ」
あおい「そっちから持ち掛けたんでしょが!」
さくら「そういや、1人で2〜3競技出れるんだよね」
カイ「えぇ、全員リレー以外に2〜3競技は出なくてはならないでしょう」
あおい「あうっ!」
あおいは頭をかかえた。
あおい「そうだったぁ・・・。あと1つ決めてあげないと・・・」
さくら「ところで、その人って走るのが苦手なんでしょ」
あおい「そうだよ」
さくら「だったら、タマ入れなんてどう?」
あおい「どうでもいいけど、今カタカナ表記じゃなかった?」
さくら「気の所為だよ〜」
あおい「そうだなぁ・・・」
さくら「あとは、その人ってデブなんでしょ?」
あおい「うん・・・、相撲部だからね」
さくら「だったら、パン食い競争に出して、食い気で1位とか・・・・どう?」
あおい「・・・・・!」
さくら「ん?」
あおい「いいじゃん!ソレ頂きっ!」
あおいは携帯で聞き出した。
あおい「って事になったんだけど、どうかな?」
拓也『おぉ!ええだべさ!オラやるべ!アンタに任せてよかた〜』
ピ!
あおい「よしっ!これでなんとかなった・・・」
あすか「んで?あんたはどうするの?」
あおい「ほえ?」
あすか「あんたねぇ・・・。いつも自分の事を忘れてない?」
あおい「あ〜・・・えっと、どうしよっかなぁ・・・」
リョウ「っていうか、ほとんどの奴が今日のウチに決まっちゃってたからなぁ・・・」
あおい「えっと、あと空きがあるのが・・・、仮装競争に騎馬戦かぁ・・・」
リョウ「そうするんだ?」
あおい「上等っ!受けたろうじゃん!!」
カイ「相変わらず男勝りですね・・・」
あおい「何か言った!?」
あおいはリョウを睨んだ。
リョウ「俺じゃねぇ!」
ガラガラガラガラ・・・・
誠也「ども〜」
1年組が入ってきた。
誠也「河原先輩〜」
あおい「何?」
誠也「そういえば、部活対抗リレーってありましたよね?」
あおい「あ!!」
リョウ「おい、生徒会と争う気満々で一番大切な競技忘れてたのかよ」
あおい「いやぁ、実行委員としてはクラス優先に考えてて・・・」
カイ「まぁ、何位になってもポイントにはならないですからね・・・」
誠也「確か、クラブ委員会で4人選出とか・・・」
あおい「カイくん、会長はやっぱり出るの?」
カイ「出るでしょうね・・・アンカーで・・・」
あおい「そう・・・」
リョウ「どうすんだ?」
あおい「誠也、あんた足速いよね?」
誠也「え・・・えぇ・・・」
あおい「じゃぁ、あんたがトップね」
誠也「えぇ!?僕がですかぁ!?」
あすか「いいんじゃない!?誠也って1番打者面してるし!」
さくら「特攻隊長とも言う・・・」
誠也「まぁ、それでいいですけど・・・・」
あおい「カイくんは2番と3番どっちで行く?」
カイ「それじゃぁ、2番で行きましょう」
あおい「じゃぁ、リョウは3番ね。はい、決定!作戦会議終了!」
リョウ「俺には相談なしかよ!」
そして、体育祭当日。
パンパンパンパンパン・・・
あおい「さて、今日は本番です!気合出して行くよっ!!」
「オー!」
あおい「青組ファイヤァァアアアアアアッ!」
「ファイヤァァァアアアアッ!!!」
あおいは気合充分である。
カイ「ところで、あの学ランはどうしたんです?」
あおいは学ランを羽織っていた。
リョウ「誠也から借りてるらしいぜ」
カイ「でも、何で?」
リョウ「仮想競争と応援合戦に使うんだと」
あおい「それじゃ!グラウンドに行くよ!」
グラウンド。いかにも体育祭の雰囲気が漂っている。
ジン「やぁ、あおい君」
あおい「会長・・・。今日は負けませんからね!」
ジン「ど、どうでもいいが・・・学ラン、似合ってるぞ」
あおい「いえいえ、お世辞は結構です」
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