烏丸駅
青年「ふぅ・・・、えっと・・・烏丸駅・・・ここでいいんだよな・・・?」
赤いコートに黒い服を着た青年が地図を睨みながら、場所を確認している。
青年「華水神高校へは・・・・っと・・・。放課後には着きそうだな・・・」
一体この青年は何者なのだろうか・・・?
風紀28:姉妹喧嘩
風紀委員室。
あおい「あ・・・、おはよ〜」
リョウ「お・・・おはようじゃねぇだろうがぁぁっ!!!」
リョウは怒鳴った。
あおい「リョ・・・リョウ?」
リョウ「心配したんだぞ!!死んだなんて聞かされて・・・」
あおい「・・・死んだ?」
リョウ「ほら、この手紙に・・・」
リョウは志村兄弟から貰った手紙を見せ付けた。
あおい「あぁ・・・”風紀委員長としての身分”は死んだって意味の文章かぁ・・・」
リョウ「はい?」
あおい「まさか、意味を勘違いしてたの?」
リョウ「・・・勘違いって・・・言われなきゃ解らんわ!!」
あおい「そ、そんなに怒らなくてもいいじゃん・・・」
美雪「何ですか?騒々しいですね・・・。・・・あら?」
美雪が入ってきた。
リョウ「美雪ちゃん・・・。君からも言ってやってくれよ・・・」
美雪「河原先輩、おかえりなさい・・・。本当に今日帰られたんですね?」
リョウ「え?ちょっと、美雪ちゃん?これはどういう・・・」
あおい「あぁ・・・、美雪ちゃんとだけは連絡取り合ってたんだよ、あたし」
美雪「えぇ、昨日神崎先輩が帰ってきたと知らせたら戻ってくると返事をくれまして・・・」
リョウ「み、美雪ちゃんまでグルかよ・・・」
美雪「まぁ、河原先輩は手先は器用でも、心は不器用な方ですから、それに免じて許してあげて下さい」
あおい「あたしってそんなに不器用な性格してる?」
美雪「えぇ・・・。周りの人もいい加減2人はくっつかないのか?なんて言ってますよ」
あおい「何か、関係まで誤解されてるなぁ・・・」
リョウ「まぁ、不器用ならあすかには負けるけどなぁ・・・」
あおい「まぁ、あすかには負けるよね・・・」
美雪「・・・あすか先輩・・・ですか・・・」
美雪の表情が暗くなった。
あおい「どうしたの?」
美雪「いえ、それが・・・。最近、あすか先輩とさくら先輩が喧嘩する様になって・・・」
リョウ「そういや、昨日さくらもそんな事言ってたな・・・」
あおい「あの2人が喧嘩中だなんて珍しいね・・・」
リョウ「性格正反対なんだから仕方ないんじゃねぇの?」
あおい「そういう問題じゃないよ・・・。美雪ちゃんはあたしとの付き合い長いから、あの姉妹の事は知ってるよね?」
美雪「えぇ・・・。あの2人はどんな事があっても喧嘩をそれも長続きするような事なんてなかった筈なのに・・・」
あおい「あの2人をどうにか仲直りさせないとね・・・」
リョウ「・・・あおい・・・。俺にも何か手伝わせてくれないか?」
あおい「リョウ?」
リョウ「仮にもあいつの姉弟だ・・・。全面協力させて貰うよ」
あおい「有難う・・・」
リョウ「礼を言うのはこっちだぜ・・・」
あおい「あっそっか・・・・」
リョウ「おっと、そういや借りてたお守り返さないとな・・・」
あおい「あぁ、アレね・・・」
リョウはあおいに藍色の勾玉を返した。
リョウ「しっかし、随分なお守りなのな・・・」
あおい「ほえ?」
リョウ「京都で、それ見せただけでみんなお辞儀仕出して凄かったぜ・・・」
あおい「そんな効果あったんだ・・・」
リョウ「お前、持ち主だろ・・・・」
あおい「う〜ん・・・そうなんだけどね・・・。ただ、大切な宝物として肌身離さず持ってるだけなんだよね・・・」
リョウ「まぁ、そんなに大事ならなおさらだな・・・」
あおい「へへ・・・。じゃぁ、放課後また!」
リョウ「って、クラス一緒だろ・・・」
あおいとリョウと美雪は教室に戻った。
放課後・・・・。
あおい「じゃぁ、とりあえず2人に接触するよ」
リョウ「おう!」
ピンポンパンポン・・・
放送「え〜、風紀委員長河原さん至急生徒会室に来なさい」
ピンポンパンポン・・・
あおい「え〜!?」
リョウ「うわぁ・・・ジンさんだよ・・・」
あおい「あう・・・。仕方ないか・・・。あんた1人で大丈夫?」
リョウ「ああ、大丈夫だ。こっちの事は俺がなんとかするから行ってきな」
あおい「有難う!恩に着る!!」
リョウ「だから、恩に着るのは俺の方だってんだよ!」
あおいは生徒会室へ向かった。
リョウ「んじゃ、あいつらの教室にでも行くかな・・・」
リョウはあすか達のクラスへ向かった。
リョウ「あの・・・、神崎姉妹いるかな?」
女子「あ〜!貴方確か、あの2人の弟君よね?」
リョウ「あぁ・・・そうだけど・・」
女子「あの2人ここんとこずっと仲悪いのよ。何とかならない?」
リョウ「あぁ・・・、そっちでも問題になってたか・・・」
女子「大問題よ!同じクラスにいるだけに余計ね・・・」
リョウ「う・・・。ちょいと探して説得してみます・・・」
女子「さっさとしろっての!」
リョウ「(昨日帰ってきたばかりなのに・・・)」
リョウはクラスを去った。
リョウ「あ〜、怖かった・・・。まさか、こんなに大問題だったなんてなぁ・・・。ん?」
その頃、生徒会室では・・・・。
あおい「ここ来るの久し振りだなぁ・・・」
凛「あ、あおいさん!生きてたんですね?」
あおい「まぁ、生きてるけど・・・」
凛「だって手紙に「死を選ぶ」って書いてあったから・・・」
あおい「う・・・」
ゴードン「ジン、心配してた。おれ、見ていられない・・・」
あおい「もしかして、あたしってこの事で呼ばれたりして・・・」
凛「焼き殺されても知りませんよ〜♪」
あおい「こ・・・怖い事言わないでよ!あの人普通に問題ありなんだから・・・」
凛「あ〜、ひっど〜いです!わたしの愛人に向かって・・・」
あおい「・・・ごめん・・・そっちの世界付いて行けそうにない・・・」
凛「愛人と言えば、神崎くんとは上手く行ってますか?」
あおい「・・・・・・・じゃ!あたし、会長の所に行ってくるから!!」
あおいは走ってジンの元へ向かった。
ゴードン「誤魔化された・・・」
凛「誤魔化されましたね・・・」
ガチャ!
あおいは会長室の部屋に入った。
あおい「失礼します・・・」
ジン「やぁ、あおい君元気そうで何よりだ・・・」
あおい「思ったより、落ち着いているんですね?」
ジン「フフ・・・そうでもないぞ。君が手紙残して失踪した時は流石に慌てたよ」
あおい「笑って言われてもなぁ・・・」
ジン「フ・・・、これでも私は君との付き合いは長いつもりだ。君が遺書残して自殺するとは到底思ってはいないさ・・・」
あおい「あたし、会長と付き合ったつもりはないんですけど・・・・」
ジン「フフ・・・、今となってはどうでもいい事さ・・・」
あおい「あう・・・」
ジンは笑いながら話していた。
ジン「まぁ、この件はこれくらいでいいだろう・・・」
あおい「他に用でもあったんですか?」
ジン「当然だよ、それも機密のね・・・」
あおい「機密?」
ジン「この事は一部の教師と私と凛と魁斗しか知らない事だ・・・」
あおい「つまり、教師と生徒会と風紀委員会の上層部だけの機密事項ですか・・・」
ジン「そうだ・・・。今日の放課後に変わった生徒が転校してくる事になっているのだよ・・・」
あおい「変わった生徒?」
ジン「自分の苗字を忘れて1人で来た男子で、2年生だ・・・」
あおい「苗字を知らない?」
ジン「彼の面接に私が立ち会ったのだが、どうやら生き別れの姉を探して京都から来たらしいのだ」
あおい「生き別れの姉!?」
ジン「名前は「紅蓮」というらしいのだが・・・」
あおい「その生徒と何か問題でも?」
ジン「その生徒の前住所がな・・・。神崎君が1週間旅に出て向かった先なのだよ・・・」
あおい「つまり、その紅蓮って子とリョウが関係ありと?」
ジン「何かのカギを握っていると思う・・・」
あおい「じゃぁ、リョウから直接・・・」
ジン「いや、彼には秘密にしておこうと思う。何か隠しているかもしれんしな・・・。それに・・・」
あおい「まだ何か?」
ジン「その生き別れた姉なのだが・・・。もしかして、君じゃないかな?」
あおい「え!?」
ジン「君は京都で弟を失ったという話を聞いたぞ」
あおい「・・・それは、ないですよ・・・。あいつは既に死んでいるんだから・・・」
ジン「そうだったな・・・」
あおい「でも、あたしは彼の力になってあげたいというのはあります」
ジン「言うと思ったよ・・・。彼には風紀委員会で面倒を見て貰いたいと思っていたし、魁斗の要望でもあるのだからな」
あおい「カイくんが?」
ジン「あいつも友達想いになったものだ・・・」
あおい「カイくんも何かとありましたからね・・・」
ジン「話は以上だ!帰っていいよ」
あおい「はい・・・。何か解ったら知らせますね」
ジン「あぁ、頼んだよ・・・」
ガチャ!バタン!
あおいは会長室から出て行った。
その頃、中庭では・・・
柳「いやぁ!!やめてぇ!!」
不良生徒B「いいだろう?やらせろよ〜」
不良生徒A「へへへ・・・楽しませてくれよ・・・」
あすか「よしなっ!!」
不良生徒A「んだと?ゴルァ!!」
不良生徒B「げっ!か・・・神崎あすか!?」
あすか「あんたら、ただじゃおかないよ・・・・」
 2人「ぎゃぁぁああああああっ!!!」
その時、近くの廊下では・・・・。
リョウ「!?何だ、今の悲鳴は!?」
リョウは中庭に走って行った。
不良生徒B「・・・ぴくぴくぴく・・・」
あすか「おい、どうした?まだ終わってないよ!!」
バキッ!!ドカッ!!
柳「や・・・やめ・・・・」
リョウ「あすかっ!!」
リョウは不良生徒を解放し、あすかを捕まえた。
リョウ「何やってんだお前・・・」
あすか「何って、決まってるでしょ!か弱い女生徒に手を出す外道に正義の鉄槌を・・・」
リョウ「バカ野郎!やり過ぎだ!!」
あすか「ふ・・・、こんなカス共・・・こんな程度じゃ辞めようとはしないわ・・・」
リョウ「だからってなぁ・・・」
あすか「あんたもあたしなんてどうだっていいって思ってるんでしょ?」
リョウ「どういう意味だ?」
あすか「あたしは見捨てられたのよ・・・。さくらにもみんなにもね・・・」
リョウ「ふざけるなぁぁっ!!」
バチン!!
リョウはあすかにビンタを喰らわした。
あすか「・・・ぃって・・・。何すんのよ!!」
リョウ「誰がお前を見捨てたって言うんだよ!!俺達は仲間じゃないのか!?血を分かちあった姉弟じゃないのか!?」
あすか「・・・だから?」
リョウ「俺も他の奴らも見捨てる気なんかねぇ!!」
あすか「見捨てたのよ・・・。ハヤトだって、結局はづ坊と付き合ってるのよ!!あたしには誰もいないわ!!」
リョウ「いるだろ、今は・・・。俺もあおいもどんな事があったも見捨てる気はねぇ!!!」
あすか「・・・リョウ・・・」
リョウ「だから、もうこんな真似はよせっ!」
あすか「・・・ククク・・・」
あすかは笑い出した。
リョウ「何だよ?」
あすか「バッカみたいね!」
リョウ「何ぃ?」
あすか「臭過ぎるのよ!あんたのそのセリフ・・・」
リョウ「煩ぇよ!」
あすか「・・・そうだよね・・・。あたしが悪かった・・・。風紀委員室に戻るよ!」
リョウ「・・・フ・・・。いつもの調子に戻ったじゃねぇか・・・」
リョウとあすかは風紀委員室に戻っていった。
柳「ちょっと・・・私はこのままなんですか?」
そんな頃、
青年「・・・ここでいいんだよな?」
赤いコートに黒い服着た青年が校門の前に立っていた。
青年「あの・・・、そこの人・・・・」
美雪「はい、何ですか?」
見回りで通りすがった美雪に声を掛けた。
青年「あの、華水神高校ってここでいいんですよね」
美雪「はい、間違えなくここですよ」
青年「よかった・・・。間違ってなかったんだ・・・」
美雪「あの・・・どうかしたんですか?」
青年「えっと、風紀委員会の人って何処ですか?」
美雪「はい、それなら私ですけど・・・」
青年「(ラッキー!!なんてついているんだ!!)」
美雪「あの・・・・」
青年「俺、今日からこの学校に転校してきた生徒なんだけど・・・」
美雪「あら、そうだったんですか・・・」
青年「俺の生き別れの姉を知ってる神崎亮って人知らないかな?」
美雪「神崎先輩ですか?いますよ。何なら風紀委員室まで案内しましょうか?」
青年「い・・・いいんですか!?あぁ〜、俺は何てここまでついているんだ・・・」
美雪「フフ・・・運に恵まれてる時もありますからね・・・。じゃ、行きましょうか」
青年「はいっ!お世話になりますっ!!」
美雪は青年を連れて風紀委員室へ向かった。
その頃、風紀委員室では・・・
ガラガラガラ・・・
あおい「はぁ〜、やっと話が済んだ〜・・・」
さくら「あ!あおいちゃん!!本当に帰ってたんだ・・・」
カイ「やっぱり、君がいないと風紀委員は上手くまとまってはくれませんよ」
あおい「ちょっと、心配になる事言わないでよ。あたしがいない時はカイくんに掛かってるんだから!」
カイ「ははは・・・、僕なんかより美雪さんの方が張り切ってましたけどね・・・・」
あおい「そういや、男性恐怖症もある程度克服出来てきてるって言ってたっけ・・・」
カイ「えぇ、毎日ゴリを相手に男性と付き合う特訓を自分でやって、ある範囲内の男子相手では問題なくなりましたね」
あおい「美雪ちゃん頑張ってるんだなぁ・・・」
カイ「僕なんて、神崎姉妹の喧嘩止める事すら出来ない未熟者ですから・・・」
あおい「そんな事ないよ、カイくんだって頑張ってるでしょ」
さくら「またその話なの?」
あおい「さくらちゃん?あすかと何があったか話してくれる?」
さくら「だって・・・、お姉ちゃん・・・。あたしの悪口ならまだしも、魁斗くんの事まで酷く言うんだよ」
あおい「・・・そうなんだ・・・」
さくら「許せないよ!自分が相手いないからって妬んじゃってさ・・・」
あおい「・・・なるほど・・・・」
さくら「あおいちゃんなら解るでしょ?お姉ちゃんの方が悪いんだよね?」
あおい「さくらちゃん・・・。君、彼氏持ちの事をあすかに自慢してない?」
さくら「自慢するよ!あたしの大事な人だもの・・・」
あおい「・・・でもね・・・、あすかはそれで心が傷ついたんじゃないかな?」
さくら「・・・いつまでも彼氏作らないのが悪いんだよ!!」
あおい「まぁ、君の言い分も解るよ・・・。でも、あすかは不器用だしガサツだから、そういうの苦手だったりするんだよね」
誠也「酷い事言ってるなぁ・・・」
あおい「誠也、煩いよ!」
誠也「すみません・・・」
誠也は下がった。
あおい「と・に・か・く!最後の手段と思ったハヤトも結局、葉月ちゃんに取られて心も不安定なんだよね?」
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