河原家・・・。夫婦旅行からあおいの両親が帰宅していた。
母「やれやれ・・・、長旅で逆に疲れちゃったって、気分だわ・・・」
両親はあおいとリョウがちょうど同じ時期に家出をしていた事を知らない・・・。
母「あなた〜、コーヒー入ったわよ〜・・・・・。あれ?」
父から返事がない・・・。
母「まさか・・・」
母は空き部屋へ行った。
母「やっぱり、ここにいたのね・・・」
父「・・・あぁ・・・」
母「物好きよね、貴方もあおいも・・・。もう遺体すら帰ってこないのに12年もこの部屋を交互に掃除してるんだもの・・・」
父「なんでだろうな・・・、私はどうもここともう1つの空き部屋を掃除していると落ち着くのだよ・・・」
母「そのセリフ、あおいも言ってたわ・・・」
父「私も何だかんだでいなくなった娘と息子に依存をしているのかもしれないな・・・」
母「本当に面白い親子ね・・・。そっくりだわ・・・。結局、あおいは貴方に似たのね・・・」
父「フフ・・・、だと嬉しいがね・・・。気が強い所は母さんにそっくりだよ」
母「まぁ、失礼しちゃうわ!」
父「でも・・・、私はいつかは帰ってくると信じているよ・・・」
母「私もよ・・・。遺体を見るまで生きていると信じるわ・・・」
あおいの両親はいつまでも仲が宜しいようだ・・・。
風紀29:紅蓮と明かされた真実
風紀委員室に美雪が1人の青年を連れてきた。
リョウ「お前は・・・紅蓮!!」
あおい「紅蓮だって!?」
紅蓮「あぁ、久し振りだね・・・。リョウさん」
リョウ「お前・・・、やっぱり来たのか・・・」
紅蓮「えぇ・・・、来ちゃいました」
あおい「・・・」
あおいは紅蓮を見つめてボーっとしていた。
カイ「あおいさん?どうかしましたか・・・」
あおい「いや、何でもない・・・」
カイ「ならいいんですけど・・・」
あおい「えっと、君が紅蓮君だね?あたしは風紀委員長の河原あおい。君の事は生徒会長から聞いているよ」
紅蓮「あぁ、貴方が・・・。お世話になります!!」
あおい「確か、生き別れのお姉さんを探してるんだよね?」
紅蓮「はい!俺、大好きだった生き別れの姉に会いたい一心でここに編入しました!!」
あおい「会いたい一心でって!?」
あおいは紅蓮の妙な発言に疑問を抱いた。
紅蓮「えぇ、そこのリョウさんからこの学校に生き別れの姉がいるから編入してきたら、会わせてやると言われまして・・・」
あおい「な・・・。リョウ!?どういう事!?」
リョウ「ちっ・・・。確かに会わせてはやるさ・・・、だがな・・・それなりの覚悟はしてこいとも言った筈だぜ・・・」
紅蓮「俺は軽い気持ちで来た訳じゃない!どんな結果になろうとも姉に会いたいと思って来た・・・」
リョウ「・・・ちっ・・・。解ったよ・・・最悪のタイミングだぜ・・・」
あおい「リョウ?」
リョウ「あおい、何処かで密談が出来る所はないか?」
あおい「だったら、責任者付きで教材室とか使って大丈夫だと思うよ・・・」
リョウ「責任者か・・・。事情の知らない教師付けなくちゃいけないのか・・・」
あおい「別に、教師じゃなくても生徒で教師並に信頼されている者なら可とも聞くよ」
リョウ「ジンさんか・・・」
あおい「そうだね。生徒会長と風紀委員長・・・。この2人なら許可が下りるよ」
リョウ「生徒会長に風紀委員長か・・・って、おい・・・」
あおい「何か?」
リョウ「つまり、お前でもいいんだよな?あおい」
あおい「まぁ・・・問題ないけど・・・・」
リョウ「じゃぁ、お前も立ち会え・・・。風紀委員内で何かあった時困らないし・・・」
あおい「・・・それもそうだね・・・。いいよ、付き合ってあげる」
リョウ「・・・あとは・・・、あすかにさくら・・・一緒に来てくれ・・・」
さくら「え!?」
あすか「どうして!?」
リョウ「・・・至上最悪の真実ってのを教えてやるよ・・・」
あすか「し、至上最悪!?」
という訳で・・・。
あおい「じゃ、鍵借りて行きますね」
用務員「ワシは帰るが、ちゃんと元に戻しておけよ」
あおい「はい!」
あおいは教材室の鍵を借りてきた。
ガチャ!ガラガラガラ・・・ピシャン!
5人は教材室に入った。
あすか「ケホケホ・・・こりゃ酷い埃だなぁ・・・」
さくら「こういう部屋ってしばらく掃除しないからなぁ・・・」
リョウ「でも、密談にはもってこいの部屋だな・・・」
あすか「時々あんたの趣味が解らないよ・・・」
紅蓮「・・・もういいだろ、話してくれないか?リョウさん」
リョウ「あぁ・・・。あすか、さくら・・・、この日記を読んでみてくれ・・・」
リョウはちょっと痛み腐りかけた日記を出した。
あすか「日記?」
さくら「これに何か書いてあるの?」
リョウ「あぁ・・・、俺も信じたくない最悪な真実がね・・・。まず、ここ読んでみてくれ」
さくら「えっと・・・、『私は2人の子供を産んだ。先に生まれた女の子の方には・・・』・・・腐ってて読めないよ・・・」
リョウ「まぁ、随分な所に長く保存されてたからな・・・」
さくら「『・・・もう1人の男の子には亮という名を付けた・・・』っと・・・ん?お兄ちゃんの名前?」
リョウ「あぁ、これは俺達の母親の日記だ・・・。実は、俺達は3人でな2人だったんだ・・・」
さくら「えぇっ!?」
あすか「ふ・・・2人っ!?」
紅蓮「・・・・」
2人はあまりの事に驚いた。
リョウ「そして、驚くのはまだ早い・・・。今度はこっちの日記を見て欲しい」
リョウはまた別の日記を出した。
さくら「またえらく腐った日記だね・・・」
リョウ「まぁ・・・、また重要な所が腐ってて見ずらいんだけど、このページのここを読んでみてくれ」
リョウはあるページの文章を指した。
さくら「えっと・・・『・・・に育ってしまった娘の為に、夫の友人の娘を1人死んだ事にして自分の娘の姉妹にした・・・』・・・えぇ!?」
リョウ「あぁ、そういう事だ。もう1人は血の繋がりが一切ない親父の友人の娘だったんだ・・・」
さくら「でも、これだけじゃ・・・どっちの事を言ってるか解らないよ・・・?」
あすか「確かに、リョウ以外の名前は出てないからなぁ・・・」
リョウ「でも、もう1つ言える事があるんだ・・・」
あすか「え?」
リョウ「その親父の友人の娘にもう1人子供がいたって事さ。それがこの紅蓮だ・・・・」
さくら「そうか・・・、それで君はお兄ちゃんにこの事を教えて自分の姉を探そうと・・・」
紅蓮「まぁ、そういう事です・・・」
リョウ「俺にはこれだけのヒントで大きな確信が持てた・・・」
あすか「えぇ!?あんた、もう解ったの??」
あすかは驚いた顔でリョウを見た。
リョウ「解った時点で恨んだぜ・・・あのクソ親父の事を・・・」
あすか「・・・え?」
リョウ「他人の子供を勝手に死んだ事にした上、俺達の兄弟にさせたんだ・・・。真相が解った時の精神的ダメージも考えずにな!」
あすか「・・・リョウ・・・」
さくら「一体どっちなの!?どっちが・・・」
紅蓮「そうだよ、リョウさん!このままじゃ拉致があかないよ!」
リョウ「ちっ・・・」
リョウは真実を語るのを拒んだ。
あおい「・・・ちょっといい?」
あおいが前に出た。
リョウ「あおい?」
あおい「立ち会う以上、話は聞かせてもらったよ・・・。リョウが言えない気持ちもだいたい解る・・・」
リョウ「あおい・・・、お前も解ったのか?」
あおい「これだけのヒントで充分だよ・・・。あたしもこの2人とは付き合い長いからね・・・」
あすか「何よ!2人して・・・解ってるなら言ってよ!」
あおい「あすか・・・、さくらちゃん・・・。この真実を知っても、後悔はしない?」
あすか「どういう事?」
あおい「・・・まだ、解らないの?片方は神崎家の人間じゃないって事が事実って事は理解出来るでしょ」
あすか「・・・そうだったね。どういう結果になってもあたしとさくらに血の繋がりがないのが立証済み・・・か」
さくら「・・・あたしは誓うよ!どんな結末になっても・・・姉妹じゃなくても、親友にはなれるでしょ」
あすか「・・・そ、そうよ!親友として付き合い直せば済む!」
あおい「・・・そう・・・、その言葉が聞きたかった・・・」
リョウ「あおい・・・、悪いな・・・立ち会わせた上に面倒まで掛けて・・・」
あおい「あんたの言い出しにくい気持ちは充分解るからね・・・。後はあんたの一言だよ・・・」
リョウ「あ・・・ああ・・」
紅蓮「・・・・」
リョウ「紅蓮の生き別れの姉であり、俺達と血の繋がりのない方・・・それは・・・」
重い空気が走った。
リョウ「・・・さくら・・・、君だ・・・」
さくら「えぇっ!?」
あすか「さ、さくらが!?」
リョウ「この日記のさっきのヒントを見て解ったんだ・・・」
あすか「どういう意味!?」
リョウ「まず、先に産まれた女の子ってなってるだろ・・・。それと、・・・・に育ってしまったという部分をあすかの性格に置き換えてみたんだ・・」
あすか「・・・あたしが・・・不器用で自立出来ないから・・・。子供の頃から器用だったさくらを強引に妹にさせた・・・」
リョウ「・・・そういう事だ・・・」
あすかはあまりの事に失心した。
紅蓮「リョウ・・・さん?」
紅蓮は恐る恐るリョウに話掛けた・・・。
リョウ「紅蓮・・・解ったか・・・。これよりずっと酷い結果を予想して、「それなりの覚悟をしてこい」って言ったんだ・・・」
紅蓮「・・・でも、俺は・・・自分の生き別れの姉さんが見つかっただけで嬉しい・・・」
リョウ「・・・紅蓮・・・」
紅蓮「姉さん・・・やっと会えて嬉しいよ・・・」
紅蓮はさくらに近づいた。
さくら「・・・こ、来ないで・・・!!」
紅蓮「姉さん!?」
さくら「あたしは・・・一体誰の子だったっていうの!?そんな身勝手な行為で他人を姉と慕わせて・・・許せない・・・許せないよ・・・」
あすか「・・・・・・」
あすかはショックで声が出ず、さくらは泣きながら叫んでいた。
さくら「・・・あたし、大嫌い!!お姉ちゃんも紅蓮くんも大嫌いっ!!」
バッ!!
さくらは部屋から出て行った・・・。
紅蓮「姉さん・・・そんな・・・・」
紅蓮も放心してしまった・・・。
リョウ「ち・・・。やっぱり・・・こうなったか・・・」
あおい「リョウっ!」
シュッ!パシッ!
あおいはリョウに鍵を投げ付け、リョウはキャッチした。
リョウ「あおい?」
あおい「あたしはさくらちゃんを追うから、あんたは2人を何とかしたら、戸締りよろしくっ!」
リョウ「・・・解った・・・。今回は借りばかり作ってすまない・・・」
あおい「後でその借りは返して貰うからね!」
あおいはさくらを追った。
リョウ「・・・って、言ってもなぁ・・・。こんな状態でどうしろと・・・」
紅蓮「リョウさん、俺・・・悪い事しちゃったの・・・かな?」
リョウ「・・・紅蓮・・」
紅蓮「だって、どういう結果であれ、姉さんを傷付けた・・・」
リョウ「・・・お前が悪い訳じゃない。真実はいずれ顔を出す・・・仕方ない事なんだ・・・」
紅蓮「リョウさん・・・」
リョウ「それより許せないのは、あのクソ親父だ・・・」
あすか「・・・」
リョウ「あすかが不器用で自立出来るか心配だから友人の子供であるさくらを無理矢理あすかの妹にしたんだ・・・」
紅蓮「俺も同じ時に師匠に姉さんから引き離された上、山の中で6年も狩りと野宿で1人生活させられたんだしね・・・」
リョウ「親バカも過ぎると悲劇を呼ぶという奴か・・・」
紅蓮「姉さん・・・大丈夫かな・・・」
リョウ「あおいが付いてるから大丈夫だと思うよ・・・。・・・問題はこっちの方だ・・・」
紅蓮「神崎あすかさん?」
リョウ「俺はさくらの事よりあすかの方が心配だったんだ・・・」
紅蓮「どういう事です?」
リョウ「お前も知ってるだろ?親父が既に死んでる事は・・・」
紅蓮「えぇ・・・」
リョウ「・・・あすかには背負い切れないくらい重い筈だ・・・。親父があすかの為にさくらにした罪深い責任がな・・・」
紅蓮「・・・そういう事か・・・」
リョウ「でも、背負わざる得ない・・・か・・・」
あすか「・・・」
あすかは一言も話さない。
紅蓮「あすかさん、口利きませんね・・・」
リョウ「当然だ、俺が同じ身だったら・・・。多分、あすかと同じ事になっていたさ・・・」
紅蓮「そういえば、リョウさんは平気なんですか?こんな事になったのに・・・」
リョウ「平気と言ったら嘘になるがな・・・。あすかに比べたら比にならないだろ・・・」
紅蓮「・・・でも、彼女をこのままにする訳には・・・」
リョウ「・・・それも、そうなんだよなぁ・・・。学校もそんなに長く空けておいてはくれないし・・・」
紅蓮「・・・あすかさん、帰りますよ〜」
あすか「・・・」
あすかは黙ったままだった。
リョウ「・・・あすか・・・立てるか?」
あすか「・・・リョウ・・・・」
あすかは口を開いた。
あすか「・・・あたし、さくらに何て詫びたらいいのかな・・・?」
リョウ「・・・」
あすか「・・・結果としたはあたしの所為ではあるんだから、ケジメは付けないと・・・・」
リョウ「・・・でも、お前には責任が重過ぎないか?」
あすか「・・・でも・・・」
リョウ「・・・いいよ。俺も付き合ってやるさ・・・」
あすか「・・・リョウ?」
リョウ「親父の分までは出来る自信はないけどさ。俺達は血の繋がった姉弟じゃないか・・・。一緒に背負ってやるよ・・・」
あすか「・・・リョウ・・・有難う・・・」
あすかはリョウに抱き付き大泣きをした。
リョウ「それじゃ、出るぞ。いい加減戸締りして出て行かないと、用務員のおっさんに怒られる」
あすか「・・・うん・・」
ガラガラガラ・・・ピシャン!ガチャ!
リョウとあすかと紅蓮は教材室から出て鍵を閉めた。
その頃・・・。
さくら「・・・あたしって、一体誰の子だったんだろうなぁ・・・」
さくらは屋上で寂しそうに夕焼けを眺めていた。
あおい「・・・さくらちゃんここにいたんだね・・・」
さくら「あおいちゃん・・・」
あおいはさくらの元に辿り付き隣に行った。
さくら「あたし、酷い事言っちゃった・・・。もう、お姉ちゃん・・・じゃなかった、あすかちゃんには顔を見せられないよ・・・」
あおい「・・・まぁ、あいつもかなりの責任を背負わされてるからねぇ・・・」
さくら「どうしよう・・・、このままじゃ・・・友達にもなれそうにないよ・・・」
あおい「・・・そんな事はないんじゃないのかな?」
さくら「でも、お姉ちゃんは傷付いて・・・」
ポン。
あおいはさくらの肩に優しく手を置いた。
あおい「大丈夫・・・。さくらちゃんの言葉で傷付いた訳じゃないと思うよ・・・」
さくら「何で!?何でそんな事言い切れるの!?」
あおい「・・・あたしも・・・、あすかとは付き合い長いから・・・かな・・・」
さくら「あおいちゃん・・・」
あおい「あいつ、ホント不器用でどうしようもないでしょ。だから、結構僻まれ口叩かれまくられてるからさ・・・」
さくら「でも、結構傷付けたと・・・」
あおい「さくらちゃん・・・。あすかは父親がさくらちゃんにした事に対する責任でどう謝っていいのか困ってるだけだと思うよ・・・」
さくら「・・・確かに・・・、あたしは許せない・・・。でも、あすかちゃんは悪くない・・・」
あおい「でも、父親は既に他界・・・。この件の責任は全てあすかが背負わなくちゃいけない・・・」
さくら「・・・じゃ、じゃぁ・・・あたしは・・・」
あおい「そうだね・・・。とりあえず、あすかは許してあげなよ・・・。父親がやった事であってあすかが悪い訳じゃないんだしさ・・・」
さくら「あおいちゃん・・・」
あおい「そしたら、一緒に君と紅蓮くんの両親の行方と正しい苗字を探そうよ。あたしも付き合うからさ・・・」
さくら「・・・あおいちゃん・・・。色々と迷惑掛けちゃったね・・・」
あおい「気にしないでよ。あたし達は親友でしょ・・・」
さくら「・・・あおいちゃん・・・」
あおい「・・・寝床はウチの空き部屋とかあるからさ・・・。あすかとのいざこざが済むまでウチに来なよ・・・」
さくら「・・・うん・・・。有難う・・・」
あおいはさくらを連れてその場を離れた。
そんなこんなで風紀委員室では・・・。
カイ「・・・」
ゴリ「いいんでごわすか?解散させなくて・・・」
カイ「・・・帰りたければ、帰っていいですよ」
誠也「帰りたいけど、結果が気になる・・・」
葉月「せや!ウチはどうしても気がかりなんや、リョウはんが自分の姉妹を呼んだからには・・・」
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