風紀3:次期風紀委員長とレディース
 
ザー
相変わらずの梅雨の日の事。
不良女子A「おい、そこのピンクのYシャツ着てる奴!ちょっと来な」
零「んだ?不細工な女共だなぁ・・・」
不良女子A「んだとゴルァ!」
???「フッ情けないねぇ、そんな弱そうな奴・・・」
零「けっ、ちったぁいいのもいるじゃねぇか」
不良女子A「姐さん!?」



スケバン「骨が無さそうだね、怪我したくなかったらとっとと帰りな!」
零「ざけんじゃねぇぞ、ゴルァ!このサイキョーな俺様に向かっていい度胸だスケバン」
スケバン「やれやれ、じゃぁ痛い目でも見てもらおうかねぇ」
・
・
・
零「うぎゃぁぁぁあああああああああっ!!!」
ピンクのYシャツの男の悲鳴が雨にも負けず響いていた。
スケバン「下らねぇ・・・。アンタには用はない、とっとと帰りな!」
スケバンは他の舎弟達を連れて去っていった。

風紀3:次期風紀委員長とレディース

相変わらず梅雨の所為か一向に止まない雨の日。
私達は、今日も平和な何気ない日を風紀委員室で過ごしていた・・・。
あおい「いやぁ、相変わらず梅雨はじめじめしてて嫌だねぇ」
あおいはコーヒーを飲みながら新聞を読んでいる。
カイ「あおいさん、何だか紳士みたいですね」
あおい「傷つくなぁ、あたしはこれでも女子だよ。やっぱ、この髪型がマズいのかなぁ・・・」
美雪「だったら、河原先輩も髪の毛伸ばせばいいじゃないですか」
あおい「う〜ん・・・。でも、長い髪って鬱陶しくて苦手なんだよね」
美雪「ふふ・・・、河原先輩らしい答えですね」
ガラーッ!
生徒会の中村が入ってきた。
中村「風紀委員長さんいるかい?」
あおい「いるよ〜」
リョウ「あれ?誰だっけ?」
中村「おいおい、ひでぇなぁ。こないだの変態教師の時に会ったばかりだろ」
リョウ「あぁ、確か生徒会長さんの使いの人だったっけな」
中村「これでも生徒会三銃士なんだが・・・」
あおい「それで?あたしに何か用?」
中村「あぁ、会長さんがお呼びだ。1人で来いってよ」
あおい「解った、今いくよ。暇だし」
あおいは生徒会室へ向かった。

ガラガラガラ・・・ピシャン!
あおいは生徒会室に入った。
あおい「会長、何の用ですか?」
ジン「すまないな、急に呼び出して」
あおい「いや、暇だった所なんで構わないです」
ジン「いやぁ、最近の風紀委員の活躍が目立つ様になって、私は学校がかなり平和になったと思う」
あおい「そうですか」
ジン「特に、新入りの神崎君は実力があるだけに彼の貢献度は素晴らしい」
あおい「まぁ、ちょっと顔が知れてきてますからね、あいつ」
ジン「そこでだ。君を呼んだのは他でもない」
あおい「何かの任務ですね?」
ジン「流石は飲み込みが早いな」
あおい「慣れてるだけです」
ジン「最近、男子ばかり狙う集団が夜中に出没してな」
あおい「男子?」
ジン「それでその男子達が暴行を受けるという事件が多発しているのだ」
あおい「しかし、何故男子なんですか?」
ジン「そこだ。私も気になっていたんでな、ウチの佐藤を囮にして調べさせたのだが。犯人グループはウチの学校の生徒だという事が解ったのだ」
あおい「ウチの学校ですか・・・。で、誰なんです」
ジン「その連中は全員女子でレディースの頭は2年の”相良祥子”という事が解った」
あおい「では、任務は彼女達を取り締まればいいんですね?」
ジン「簡単に言えばそうなる。だが、相手は女子だ、風紀委員1人だけで充分であると生徒会で話し合って決定した」
あおい「そこで、あたしが行くという事ですね」
ジン「いや、君には退いてもらうつもりだ。この任務は別の風紀委員に託したいと思うのだ」
あおい「あたし以外ですか・・・。リョウとかカイくんとか?」
ジン「・・・嘉藤美雪君。彼女1人に託すと生徒会の会議で決定した」
あおい「美雪ちゃんですか・・・・・・・・・・。えぇっ!?美雪ちゃん!?」
ジン「そういう事だ。彼女はここまま行けば次期風紀委員長候補だけに私は彼女に託す事にした」
あおい「ちょっと待って下さい!美雪ちゃんはそういう暴力関係に関わらせる訳には・・・」
ジン「あおい君、見下げた意見だな・・・」
あおい「えっ?」
ジン「君は何故自分の後輩を信頼しないのだ?彼女も立派な風紀委員だ、差別はいけない」
あおい「で、でも今回は暴力事件ですよ」
ジン「これだから君はまだまだなんだ」
あおい「な・・・」
ジン「私が時々君を生徒会副会長にさせたがる理由は君の良い部分だけを見て言っているのではない。悪い癖も解っている上でだ」
あおい「あたしの悪い癖!?」
ジン「君は確かに行動力も実力もある。だが、君は自分で動いてしまう為、他の委員を動かせない」
あおい「でもそれは・・・」
ジン「そう、その委員の実力を知ってる上で動かしている分、君自身に悪い影響が及んでしまう」
あおい「悪い影響?」
ジン「例えば、神崎君は新入りのワリに動けるし、武力行使も得意だけに活躍が目立つが、逆にそれが原因で目立たなくなっているのが誰か解っているのかね?」
あおい「それが、美雪ちゃんだというんですか?」
ジン「そうだ。彼女は格闘技の経験は愚か運動は苦手な方だ。だから、君は彼女の事を疎かにしがちなのだ」
あおい「でも、暴力事件じゃ・・・」
ジン「暴力には暴力というのかね?他にも方法はあるであろう。彼女なら出来る方法の1つや2つは」
あおい「・・・解りました。彼女だけで何とかやらせてみます」
ジン「そうだ、この事は他の委員に言わない様にした方がいいと思って、中村を遣してある。君が戻り次第、他の委員は奴に任せておいてくれれば問題ないだろう」
あおい「・・・会長・・・。人を遣うのが上手ですね」
ジン「君が下手なだけだ」
あおいは風紀委員室に戻った。

ガラガラガラ・・・
中村「お帰り、風紀委員長さん」
あおい「あんた帰ってなかったの?」
中村「ひっでぇなぁ、いいじゃねぇか俺達の仲だろ」
あおい「あんたとそういう関係になった覚えはありません」
あおいは当然ピリピリしていた。
リョウ(委員長、相当ピリついてるぞ・・・)
カイ(あぁ、兄さん相当酷い事言ったんですね・・・)
リョウ(それにしても生徒会長さんって言葉使い面白いよな)
カイ(よく言われます・・・)
あおい「そこ、丸聞こえだからねぇ〜」
リョウ「相変わらず地獄耳だなぁ・・・」
カイ「流石は鬼をも恐れる風紀委員長の名を知らしめるだけはありますね」
中村「何気に皮肉な事言うなぁお前ら」
あおい「んじゃぁ、今日は解散!みんな帰っていいよ」
カイ「え!?」
リョウ「おい、まだ見回りが・・・」
あおい「見回りはあたしがするから帰っていいよ。ちょっと気を紛らわしたいし」
リョウ「解った、じゃ帰るか」



中村「あ〜、そうだ」
まなみ「何?」
中村「これからみんなでケーキ食い行かねぇ?会長様が食い放題の店紹介してくれたんだよ」
まなみ「ケーキ!?行く行く!」
リョウ「じゃ、俺も行くよ。カイどうする?」
カイ「折角の好意ですから、行きますよ」
あおい「あ、美雪ちゃんはあたしの方付き合ってくれる?」
美雪「いいですよ」
リョウ「じゃあ、俺ら先行ってるから」
あおい「うん、楽しんできなよ」
中村はリョウ・カイ・まなみを連れて出て行った。
あおい「さてと・・・これで邪魔はいなくなった・・・」
美雪「河原先輩?」
あおい「ごめんね付き合わせちゃって、どうしても美雪ちゃんと2人きりになりたかったんだ・・・」
美雪「それってどういう・・・・?」
あおいは事情を全て美雪に話した。
美雪「そうだったんですか・・・」
あおい「ごめんね、断れなくて・・・」
美雪「何言ってるんですか。私だって1人の風紀委員です。下手な同情されるくらいならレディースに囲まれても構わないですよ」
あおい「美雪ちゃん・・・」
美雪「だいたいの事は解りましたし、私やりますよ。それに、彼女とは同じクラスですから顔は解りますし」
あおい「じゃ、じゃぁ・・・本当にごめんね。危険が遭っても助けに行けなくて」
美雪「フフ・・・他の委員を信頼しろと言われたのですよね。私もそう思いますよ」
あおい「美雪ちゃん・・・」
美雪「河原先輩が卒業したら、私が風紀委員長ですから。頑張らせて頂きます」

美雪「えっと、ここでいいのよね?」
雨の夜、美雪は1人で廃棄工場の前に辿り着いた。
不良女子A「姐さん、誰か来ましたぜ」
不良女子B「え?姐さん、女です」
祥子「女ぁ?その女はお前達の手に負える相手じゃないよ、素直にここまで通してやんな!」
不良女子A「へ・・・へい」
美雪は中に入った。
美雪「どうも・・・」
祥子「あれ?確かアンタ、ウチのクラスの嘉藤じゃないかい?」
美雪「はい、嘉藤です」
祥子「てっきり女とか言うから、風紀委員長さん辺りが来たかと思ったよ」
美雪「河原先輩は来ません」
祥子「あ・・・そっか、アンタも風紀委員とか言ったっけ」
美雪「えぇ・・・。力もありませんし、喧嘩なんて出来ませんけど」
祥子「口説得かい?アタイは嫌いじゃないよ、そういう根性のある子」
不良女子A「姐さん!?」
祥子「いいかい、アンタら。この子に手ぇ出したら、アタイが許さないよ」
不良女子A「へいっ!」
祥子と美雪以外全員入り口見張りをしに行った。
祥子「さてと、じゃぁ、話を聞こうかい」
美雪「率直に聞かせて下さい。何故、男子を狙って集団暴行を行っていたんですか?」
祥子「・・・アンタ、彼氏いる?」
美雪「な・・・何を言いだすんですか!?」
祥子「いるのかって聞いてるんだよ」
美雪「・・・いますけど、頼りになる先輩ですけど」
祥子「あぁ、最近目立ってるあの風紀委員、アンタの彼氏だったんだ・・・」
美雪「それが何だっていうんですか?」
祥子「アンタ、最近の男子見てどうよ?」
美雪「え?(話が成り立ってない様な・・・)」
祥子「最近の野郎どもは男らしさに欠けてると思わないかい?」
美雪「でも、神崎先輩は充分男らしいですよ」
祥子「”神崎は”だろ?他の男子はどうよ?例えば、アンタの所のメガネとか・・・」
美雪「志村先輩は・・・・・・、ちょっとナルシストで汗かくのが嫌いな人ですけど」
祥子「そう、最近は野郎の男らしさが欠けてるって事だ」
美雪「意味が良く解りません・・・」
祥子「アタイは好きでレディースなんてやってる訳じゃないんだ。彼氏が欲しい、ただそれだけなのさ」
美雪「つまり、今回の事件は相良さんの彼氏の為にという事ですか?」
祥子「アタイだけじゃねぇよ。舎弟のあいつらにももっと自分が女だと自覚を持って欲しいんだ」
美雪「相良さん・・・」
祥子「とはいえ、特にアタイが急に女らしくなってみて襲われたりした時頼りになる彼氏がどうしても必要って事だ」
美雪「つまり、相良さんは自分の護衛が出来る男子を探す為に男子に暴行を加えていた訳ですね?」
祥子「簡単に言うとそうなるな。まぁ、みんな雑魚ばっかだけどな。こないだのピンク野郎は最低に弱かったし」
美雪「そうだったんですか・・・」
祥子「なぁ、アンタ男らしい野郎紹介してくんねぇ?アタイやこいつらの為にもよぅ・・・」
美雪「・・・協力はしたいのですけど、コレと言って佐野さんの護衛の出来る男子に心辺りはないんですけど」
祥子「じゃぁ、アンタの彼氏くれよ。男らしくて強いんだろ?」
美雪「駄目ですよぅ!神崎先輩だけは譲れません!」
そんな時だった。
不良女子B「姐さん大変っス!」
祥子「何だい?五月蝿いよ」
不良女子B「いきなり、妙にデカい野郎が出てきてアタイらの仲間がやられそうなんス!」
祥子「何だと?」
美雪「な・・・何が起こったんです?」
祥子「解らねぇけど、強い野郎とか言ってたな。アタイの彼氏向けだったりしてな」
美雪「だといいですね!」
そこには、不良女子を顔を殴らない様に手加減しながら一撃で叩きのめし続ける体格のいい男がいた。
祥子「いいねぇ、こりゃ本命だよ」
美雪「あれ?あなたは・・・」
祥子「アンタ知ってるのかい?」
美雪「私の知り合いというより河原先輩の関係者だったと・・・」
豪醐「従弟だ」
美雪「思い出しました!河原先輩の従弟の嘉納さんですよね?」
豪醐「あぁ。アンタが嘉藤さんだな?」
美雪「えぇ」
豪醐「あおい姉さんに『誘拐された後輩を助けに行ってくれと』と言われて来たのだが・・・」
美雪「河原先輩・・・」
豪醐「無事で何よりだ」
祥子「へぇ、結構いい野郎じゃねぇのさ。アンタ何者だい?」
豪醐「俺は嘉納豪醐。総番長をやっている」
祥子「アタイとした事がこんな大物忘れていたとはねぇ」
豪醐「お前は確か、根性のない男達を片っ端から叩きのめしていたという例のレディースだな?」
祥子「そう、アタイはアンタみたいな男らしい野郎を探す為に矢も得ずやっていたのさ」
豪醐「お前の言い分も解らんでもないが、他にも方法があるんじゃないのか?」
祥子「五月蝿いよ!アンタ見るからに強そうだし、アタイとヤらない?」
豪醐「手加減はせんぞ・・・」
祥子「望むところ!」
ドスッ!
祥子のストレートが豪醐にクリーンヒットした。
豪醐「いいパンチだ・・・」
祥子「へん、随分と硬い身体してんじゃねぇか!殴ったこっちが痛いくらいだよ」
豪醐「褒めても何も出んぞ」
祥子と豪醐の殴り合いは続いたが、圧倒的に豪醐が優勢だった。
祥子「ぐわぁ!」
ドサッ!
豪醐「どうした?もう終わりか?」
祥子「・・・ふ」
豪醐「ん?」
祥子「アタイの負けだよ。流石は伝説の番長の名は伊達じゃないね」
豪醐「褒めても何も出ないぞ」
祥子「アンタみたいないい男がいるとはね・・・。アンタ、気に入ったよ。アタイの彼氏になってくんない?」
豪醐「・・・・構わんが、もう無駄な暴力を奮わないと誓え」
祥子「誓うよ。アンタに守ってもらえるんだから、喧嘩なんかする必要ないだろ」
豪醐「・・・そうか・・・。まぁ、もっと女らしくなったら考えてやってもいい」
祥子「いいよ、やってやろうじゃねぇか!オイ、アンタら。今夜限りでウチのチームは解散だよ!自由にしな!」
美雪「相良さん・・・・」
祥子「嘉藤、迷惑かけたな。家まで送ってやるよ」
これで事件は解決した・・・。

翌日、風紀委員室。
美雪「河原先輩、彼女の事・・・知ってたんですか?」
あおい「ほえ?」
美雪「相良さんが彼氏探しに闇討ちしてたって話ですよ」
あおい「え・・・、あぁ・・・・。と、当然だよ」
美雪「ただ単純に違う学校の知り合いをよこしたと思っていたんですけど、流石ですね」
あおい「え・・・いやぁ・・・(ただ単純に豪クンよこしたなんて言えない)」
ガラガラガラ・・・
祥子が見違える格好で現れた。
祥子「美雪〜。髪黒くしてストレートかけてきたんだけど、梳かしてくれない?」
美雪「いいですよ」
祥子「み・ゆ・き!タメでいいって言ってるだろ。私ら親友なんだからさ」
美雪「ウフフフ・・・ごめんなさい、慣れてないの」
あおい「美雪ちゃん、この子が例の子?」
美雪「そうですよ。彼氏作って女の子らしくするって頑張ってるんですよ」



祥子「美雪、私頑張れば美雪みたいに綺麗になれるかなぁ・・・」
美雪「もちろん、なれるわよ。今だって結構いけてると思うし」
祥子「そっかなぁ、えへへ・・・」
あおい「いいなぁ・・・美人さんは・・・」
ガラガラガラ・・・
リョウ「うい・・・・お?そこの綺麗な子、美雪ちゃんの友達?」
美雪「あ〜!神崎先輩、浮気する気ですかぁ?」
リョウ「いやいや、そんな事はしないよ」
美雪「冗談ですよ・・・ウフフ」

そんな頃の生徒会室。
ジン「まさか嘉藤君がここまでやるとはな・・・」
カイ「兄さんの許容範囲じゃなかったんですか?」
ジン「いや、辞めさせる程度かと思っていたが、まさかあそこまでさせるとはな」
カイ「彼氏作ったとか言ってましたね」
ジン「彼氏?」
カイ「嘉納豪醐とかいう名の知れた総番長さんですよ。偶然行き会ったとか・・・」
ジン「・・・か・・・・嘉納・・・豪醐・・・・」
カイ「兄さん?」
ジン「いや、何でもない。1人事だ」