風紀35:楓の忍者里生活
 風紀委員室・・・。
ガラガラガラ・・・
あすか「おっす」
あすかが入ってきた。



あおい「あすか、静かに」
あすか「ん?」
楓「すー・・・・。ぴー・・・・・」
楓は熟睡していた。
あすか「寝顔可愛い〜」
あおい「あんまりいじるなよ」
あすか「解ってるよ。それより今日、何で3人しかいないの?」
あおい「2年生はスキー合宿。3年生は受験勉強の為の補修。1年生は自由。って、言わなかったっけ?」
あすか「あ、そっか。それで、あおいと楓ちゃんしかいないんだ・・・」
あおい「まぁ、誠也とまなみちゃんは明日の土日も合わせて京都に行ってるから、本当に今日はこの3人だけだけどね」
あすか「そうなんだ・・・。はづも元気になるといいね」
あおい「らしくないなぁ、あすかが葉月ちゃんの心配するなんて」
あすか「そりゃ心配になるよ。大切な相棒との別れはあたしが一番身にしみて解ってるからね」
あおい「・・・そうだったね。あんたも帰りたくなったら、帰っていいよ」
あすか「あたしはもうちょっと居ようかな・・・」

風紀35:楓の忍者里生活

12年前。京都府篠火村、仁砲山。
当時6歳の楓は早くして両親を失い。
唯一の身寄りである忍術道場師範の伯父・焔蛇之助に引き取られたのだった。
蛇之助「ようこそ、楓。今日からここがお前の家だよ」
楓「伯父さん・・・」
蛇之助「狼香!」
しゅた!
狼香「ここに」
そこに、楓より5歳年上のポニーテールの美人な忍者が出てきた。
楓「こ、この人は?」
蛇之助「今日からお前の面倒を見てくれる如月狼香だ」
狼香「よろしくね、楓ちゃん」
楓「よ、よろしく・・・・」
狼香「それじゃ、師範。彼女に施設の案内をしてきますね」
蛇之助「あぁ、頼む」
狼香「じゃ、行こうか」
楓「は、はい・・・」
楓は狼香に付いていった。

狼香は楓に教室を歩いて回りながら案内した。
狼香「・・・とまぁ、こんな所ね」
楓「忍者屋敷って感じで凄いんですね、如月先輩」
狼香「狼香でいいわ。ま、まぁ・・・ストレートに忍者屋敷なんだけどね」
少年忍者「狼香さん!大変だ!豹牙が!!」
狼香「!!豹牙くんがどうかしたの!?」
少年忍者「豹牙が5人の先輩に絡まれてるんです!!」
狼香「な、なんだって!?」
楓「豹牙くん?」
狼香「ここの生徒の一人で、師範の養子の焔豹牙。腕は立つんだけど、その所為で先輩と仲良く出来ないでいるのよ」
楓「養子かぁ・・・。ウチみたいなものか・・・」
狼香「それより、急ぎましょう!豹牙くんが・・・」
少年忍者「こっちです!!」
少年忍者は2人を豹牙の元へ案内した。

先輩忍者A「やい!てめぇ、師範の養子だからって調子に乗ってんじゃねぇぞ、コラァ!!」
先輩忍者B「俺達は先輩様だぞ、敬えこの野郎!!」
豹牙「敬う?何でだ?」
先輩忍者C「俺達は年上だぞ!生意気な!!」
豹牙「だからどうした?ここでは歳より実力主義ではないのか?」
先輩忍者D「てめぇ、いい気になってんじゃねぇ!!」
先輩忍者E「やっちまおうぜ!5人がかりなら勝てる!」
5人は豹牙に襲い掛かった。
そこに、
狼香「ひょ、豹牙くん!?」
楓「ひどい!5対1なんて卑怯!」
その時だった。
豹牙「遅い・・・」
シュ・・・スパパパパパ!!
ザッシュ!!ドサ!!
豹牙は一瞬で5人の先輩忍者を葬り去った。
豹牙「峰打ちだ。今日はこの辺で勘弁しておく」
狼香「はぁ〜、言わんこっちゃない・・・。たかが5人の下っ端忍者見習じゃ、返り討ちがオチだから来たのに、1歩遅かったか・・・」
楓「か、かっこいい!!」
狼香と楓は豹牙に近寄った。
狼香「流石ね、豹牙くん。初等部のナンバー1と言われるだけ・・・」
豹牙「ナンバー2だ」
狼香「いやだから、貴方がナンバー1でしょ?」
豹牙「俺はそれでも、狼香姉にはかなわない・・・」
狼香「・・・とまぁ、こんな妙に謙虚な子だけど、彼がその養子の焔豹牙よ」
豹牙「狼香姉、この子は?」
狼香「今日入ってきた初等部1年の楓ちゃん。師範の姪よ」
楓「楓です、よろしくお願いします!」
豹牙「師範の姪か・・・」
狼香「家庭の事情で師範の養子みたいになったのよ。豹牙くんの妹みたいなものじゃないかしら?」
豹牙「俺の妹・・・?」
狼香「兄妹で仲良くしなさいね。じゃぁ、私は任務があるから!」
狼香は去った。
豹牙「・・・楓と言ったか?」
楓「あ・・・はい!」
豹牙「忍者修行は楽じゃない、それでも俺や狼香姉について来るか?」
楓「やります!絶対に耐えてみせます!!」
豹牙「・・・いいだろう・・・。その一言が聞きたかった・・・」
こうして、楓の忍術学園での修行は始まったのである。

それから、4年の歳月が流れた。
楓「忍法!乱れ手裏剣!!」
シュトトトトトトトト!!!
手裏剣は綺麗に的の中央に収まった。
狼香「凄い成長ぶりね、楓ちゃんがたったの4年でここまでやるなんて・・・」
豹牙「今では、初等部内でも楓の実力には驚かされてる6年生もいるそうだ」
楓は初等部5年生、豹牙は中等部2年生になり、楓の成長は本当に群を抜いていた。
楓「ふぅ・・・」
豹牙「お疲れ、楓・・・」
狼香「凄かったわよ、楓ちゃん!」
楓「お兄ちゃんの特訓のお陰です。でも、お兄ちゃんにはかなわないですけど・・・」
豹牙「お前がこの調子だったら、俺なんか簡単に追い抜くだろうさ・・・」
楓「いやいやいや、ウチには「裏瞬羅刹斬」は扱えないし・・・」
狼香「「裏瞬羅刹斬」?」
豹牙「いや、あれはだな・・・。禁断の技だから、お前は使わなくていいんだ。基本をしっかりさせておけ・・・」
豹牙は楓の耳元で・・・。
豹牙「いいか、あの技は危険だから教えられないんだ。それに、狼香姉の前でその話題出すな」
楓「え?・・・あ、はい・・・」
その時だった。
少年忍者「大変です!狼香先輩!豹牙先輩!!」
狼香「どうかしたの!?」
少年忍者「道場破りです!!」
豹牙「道場破りだと!?」
楓「何か凄い度胸の座った人だね?」
豹牙「まったくだ。忍者道場に道場破りだなんてな・・・」
狼香「とにかく見に行きましょう・・・」
3人は少年忍者についていった。

焔忍術道場本館・・・。



???「ククク・・・道場破りをさせて貰いに来たわ」
蛇之助「女!ここが焔忍術道場と解って、道場破りに来たのか?」
???「フフ、当然でしょ。焔蛇之助」
蛇之助「嫌な気配がプンプンする女だ・・・」
垢御子「私は垢御子・・・。元暗殺拳四神流・朱雀!!」
蛇之助「暗殺拳四神流だと!?」
そんな所に、
狼香「師範!!」
3人と少年忍者が入ってきた。
楓「あの女の人が道場破り・・・」
豹牙「!!・・・あの女、ただものじゃない・・・」
蛇之助「暗殺拳・四神流といえば伝説の弟子を20年に4人しか取らないという伝説の拳法・・・」
豹牙「暗殺拳!?」
蛇之助「朱雀といえば、恐怖の業火と恐れられる程の灼熱の炎を扱う拳法と聞くが・・・」
垢御子「私はただの朱雀の女じゃなくってよ」
蛇之助「何だと!?」
垢御子「例えば、私は何歳に見えるかしら?」
狼香「20歳・・・は超えてるわよね?」
楓「30歳って歳には見えないし・・・」
垢御子「でも、実は44歳だったりするのよね・・・フフフ・・・」
狼香「よ、44!?」
楓「全然そんなおばさんに見えない・・・」
垢御子「そりゃそうよ。元四神流の三種神器の神のあの男にアレを奪われるまでは不老不死の身体だったのだから・・・」
蛇之助「三種神器だと!?」
狼香「不老不死!?」
蛇之助「あの男とは、元四神流最強という神崎厳五郎か!?あの男が何故!?」
垢御子「さぁね。私が不老不死である事に不満でもあったんじゃない?」
豹牙「師範!!誰なんだ、その神崎厳五郎という男は!?」
蛇之助「奴はワシの幼き頃の同門!そして、学生時代の友でもあった男だ・・・」
豹牙「何だと!?じゃぁ、この女は!?」
蛇之助「垢御子も同じくワシの友だった・・・」
垢御子「そんな事もあったわね。元四神流の白虎・・・焔蛇之助・・・」
豹牙「!!」
楓「師範が元暗殺拳の使い手・・・!?」
蛇之助「だが、ワシは暗殺拳という暗い部分を捨て、白虎の長所を生かし、忍術に発展させて忍術道場を開いた・・・」
垢御子「そして、神崎厳五郎は神という座の立場を利用し、次期弟子達を育て上げた・・・」
蛇之助「垢御子よ、1つ教えてくれ。お前は何故、道場破りなどという無粋な手に出た?」
垢御子「私は自分の為に動く女。自分の目的以外では動くつもりはない・・・。そうだったでしょ・・・」
蛇之助「・・・・」
垢御子「ここにある2つのモノを頂きたい・・・。それが目的よ」
豹牙「2つのモノ!?」
垢御子「1つはこの広大な土地。そして、もう1つは・・・」
垢御子は豹牙に目を向けた。
垢御子「貴方の優秀な弟子を1人、私の部下にしたい。それが理由よ」
蛇之助「!!まさか、豹牙を!?」
垢御子「蛇之助、貴方も知っている筈。この豹牙が元四神流の三種神器・鬼の息子であるという事を」
豹牙「俺が四神流のしかも三種神器の息子だと!?」
垢御子「だから、貴方が欲しい・・・。それだけよ」
蛇之助「フン、下らん・・・。貴様なぞ、ワシが直々に叩き潰してくれるわ!!」
垢御子「おいぼれが・・・。何処までやれるのかしらね・・・」
2人は構えた。
蛇之助「うぉぉおおおおおおっ!!!」
垢御子「ククク・・・」
実力は見えていた。明らかに蛇之助が押されていたのだった。
垢御子「どうした?お前の力はその程度なのかい?」
蛇之助「ぬぐぅ・・・」
垢御子「これでトドメといこうか・・・。・・・業火の如く・・・燃え尽きるがいい!!朱雀業火炎!!」
垢御子は身体を炎で纏ながら突進してきた。
蛇之助「ぬぉっ!?」
ボンッ!!
蛇之助「ぐぎゃぁぁあああああっ!!!」
垢御子「所詮、お前は潮時だったのよ・・・。フフフ・・」
蛇之助は倒れた。そして、
少年忍者「大変でござる!!」
豹牙「どうした!?」
少年忍者「火事でござる!!」
豹牙「何だと!?」
垢御子「フフフ・・・言った筈よ、私は土地が欲しいだけと」
豹牙「土地が欲しいが為に邪魔な建物は焼き払うって事か!?」
垢御子「さぁ、私の元に来るのだ、豹牙!!私がお前を最高の戦士にしてやろう!」
豹牙「断る!貴様の様な外道などと付き合う気などない!」
垢御子「解ってないのね、お前に「断る」という選択肢はないのよ。私の元に来るか、火事に巻き込まれて死ぬか。そのどちらかしかないの」
狼香「残念だけど、そうはいかないわ!」
豹牙「狼香姉!?」
狼香「豹牙くん、ここは私に任せて楓ちゃんを連れて逃げなさい!」
豹牙「狼香姉はどうする気だ!?」
狼香「私は少しでも時間を稼ぐわ!その隙に逃げて!」
豹牙「駄目だ!!俺は狼香姉を見捨てて逃げるなんて真似は出来ない!!」
狼香「豹牙っ!!貴方が捕まったら一生の終わりなの!!」
豹牙「しかし!!」
狼香「それに、私の代わりだってちゃんといるでしょ」
楓「!!狼香お姉ちゃん・・・」
豹牙「・・・畜生!!いくぞ、楓!!」
楓「狼香お姉ちゃぁぁんっ!!」
豹牙「楓、もういい!狼香姉、あんたの死は無駄にしない!一生を掛けて楓を守り抜いてみせる!」
楓「お兄ちゃん・・・」
狼香「それでこそ、豹牙・・・」
豹牙「最後に一言言わせてくれ!」
狼香「ん?」
豹牙「狼香姉っ!!俺は貴女が好きでしたぁっ!!」
豹牙は盛大に叫んだ。
狼香「!!・・・・ありがとう・・・・」
狼香は微笑んだら、火炎の中へ入り垢御子に無謀にも挑み、火事に巻き込まれて師範共々死んでしまったのだった・・・。
それから、豹牙と楓は身を隠す為に京都から群馬へ移り、2人でアルバイトをしながら生活をしていく事になった。

【夢覚める】
楓「お兄ちゃんっ!!!」
ゴンっ!
あすか「あたっ!!」
急に起き上がった楓の頭があすかの顔面にヒットした。
楓「あれ?あすかさん?」
あすか「痛ぅ・・・・」
あすかは鼻を抑えている。



あおい「あすか・・・」
シュッ!
あおいはあすかにティッシュボックスを投げつけた。
パシッ!!
あすか「サンキュー、あおい」
あすかはティッシュを丸めて鼻に詰めた。
楓「あすかさん、どうかしたんですか?」
あおい「あはは、ちょっとね。それより、いい夢見られた?」
楓「昔の夢見ちゃいました、はは・・・」
あおい「焔先輩の夢?」
楓「はい・・・。なんか懐かしかったなぁ・・・」
あおい「そっか・・・」
あおいは楓の頭を撫でた。
楓「ところで今何時ですか?」
あおい「5時半だよ」
楓「やっばい!スーパーで野菜の特売やってるんだ!急がなきゃ!それじゃ、あおいさん、あすかさん!また明日!!」
ガラガラガラ・・・・ピシャン!
楓は風紀委員室を出た。
あおい「あすか〜、大丈夫か?」
あすか「う〜ん・・・何とか〜」
あおい「保健室で止血剤貰ってくるよ」
あすか「助かる〜」
あおいは風紀委員室を出た。
???「フフフ・・・邪魔者はいなくなったか・・・」
あおいと入れ替わりで誰かが入ってきた。
あすか「くぅ〜、止まらないなぁ・・・」
???「神崎あすか、覚悟!!」

数分後。
あおい「あすか〜、止血剤貰ってきたよ〜」
あすかはいなかった・・・。
あおい「あすか?・・・・アレ?」
風紀委員室はあおい1人だけになってしまっていたのだった。
あおい「何よ、1人で勝手に帰っちゃったのかな?まったく・・・・」
あおいは帰り仕度をして、風紀委員室を出た。

その頃、ある場所では・・・
豹牙「うぅ〜ん・・・」
豹牙は立ち寝から覚めた。



真之介「おやおや、居眠りですか?」
豹牙「あぁ、悪い。最近寝不足でな・・・」
真之介「貴方はMGTの実験室の監視で夜遅いですからね」
豹牙「それより、麗亜が見えないけど、どうしたんだ?」
真之介「彼女でしたら、次の任務に出掛けてますよ」
豹牙「・・・そうか・・・」
真之介「なぁに、麗亜の作戦は一石二鳥の様な素敵な作戦でしたから、成功が楽しみですね」
豹牙「・・・となると、そろそろ本番か・・・」
真之介「最近、大した相手とやりあってないから、腕がなまってませんよね?」
豹牙「大丈夫だ、それより真之介。後で暇が出来たら剣道付き合ってくれるか?」
真之介「えぇ、いいですよ。私もまともな相手とやってないから、腕が心配になっている所でしたから・・・」
そこに、マッスルが現れた。
マッスル「交代するぞ、休んでいいぞ!」
豹牙はターバンを付けた。
豹牙「おう!行こうか、真之介」
真之介「では、マッスル。後はよろしくお願いしますね」
豹牙と真之介は去った。

翌日・・・。校門を通り過ぎた辺りにて・・・。
あすか「ちーっす!」
あおい「あ、あすか!?あんた、昨日は勝手に帰っ・・・・。・・・・?」
あすか「あおい、昨日はごめんね。急に呼び出し喰らってさ・・・」
あおい「そう・・・なんだ・・・」
リョウ「ん?どうした、あおい・・・・」
あおい「いや、何でもない・・・」
あすかがいなくなった理由が判明したが、あおいの様子がおかしい。そして、麗亜の一石二鳥の作戦とは如何に!?

完