群馬県安中市のある町・・・。
ぴんぽ〜ん!
女の子「は〜い」
男の子「よっ!」
小学校3年生の男の子が同い年で幼馴染の家にやってきた。
女の子「何だタケか、何か用?」
武「あぁ、母ちゃんが夕食の余り持っていけってよ」
女の子「あぁ、いつも悪ぃな。おばさんによろしく伝えておいてよ」
武「おう。それにしてもなっちー、お前も大変だな。父親と2人暮らしだろ」
夏美「でも、慣れちゃえば悪くはねぇよ。タケのおばさんからお裾分け貰えるから生活にも苦労しねぇしね」
武「ったく、女手が1人でもいりゃいいのにな、お前の家庭」
夏美「あたしも父ちゃんに再婚を求めてみたけど、拒否されちったんだよな」
武「何でだ?」
夏美「別居してる母ちゃんとは、離婚してないんだとよ」
武「お前も色々面倒な事に巻き込まれてるんだな」
夏美「まぁ、慣れちまったけどな」
武「早く家族4人で暮らせる様になるといいな・・・」
夏美「うん・・・」
風紀36:情に流されたら・・・
朝、校門を通り過ぎた辺りにて・・・。
あすか「ちーっす!」
あおい「あ、あすか!?あんた、昨日は勝手に帰っ・・・・。・・・・?」
あすか「あおい、昨日はごめんね。急に呼び出し喰らってさ・・・」
あおい「そう・・・なんだ・・・」
リョウ「ん?どうした、あおい・・・・」
あおい「いや、何でもない・・・」
そこに、
楓「あおいさん、あすかさん!おはようございます!」
あおい「ん?あ、あぁ・・・。おはよ・・・」
あすか「おはよう、今日も元気だね」
リョウ「(俺には挨拶なしかよ・・・)」
楓「ん?あすかさん、香水付けてます?」
あすか「あぁ、これね。昨日、玲子に貰ったんだよ」
楓「玲子?・・・あぁ、あの生徒会の綺麗な人ですね?」
あすか「そうそう、あいつ歳より老けてる様に見えるよね」
楓「化粧が上手な綺麗な人だとは思うんですけどね」
あおい「あまりそういう事言わない方がいいよ。生徒会の連中で結構しつこいから・・・」
あすか「あんたが一番言ってる事酷いわ・・・・」
暢気に話している3人とおまけ1人の所にまなみがやってきた。
まなみ「おっは〜!!」
あおい「相変わらず元気だね、まなみちゃん」
まなみ「だって、今日は臨時で新任の先生が来る日でしょ」
リョウ「初めて聞くぞ、その話・・・」
あおい「確か、会長が生徒会の担当の先生が癌で入院する代わりに来るとか言ってたよ」
まなみ「今日、朝礼で紹介があるから、どんな人か拝めるね」
リョウ「美人かなぁ・・・」
あおい「リョウって、そんなに美人教師がいい訳?」
リョウは冷や汗をかきながら・・・。
リョウ「悪いかよ!?」
あおい「ふ〜ん・・・」
あおいの視線が冷たい・・・。
楓「修羅場や・・・」
あすか「修羅場ね・・・」
まなみ「修羅場ぁ〜♪」
他の3人の視線まで冷たかった。
リョウ「俺が何かしたか!?」
まなみ「浮気〜♪」
リョウ「してないから!!・・・って、オイ!!」
あおい「諦めろって、人の噂も75日だよ」
リョウ「う・・・」
あおいは冷静にリョウを慰めた。
楓「あおいさんはどんな先生が希望ですか?」
あおい「ん?そうだねぇ・・・。やっぱ、白髪まじりで陰金そうで性格のキツイ人かなぁ・・」
リョウ「随分と変なのが好みだなぁ・・・」
あおい「だって、生徒会の担当だし・・・」
楓「あはは・・・、とことん生徒会が嫌いなんですね・・・」
・・・という訳で朝礼。
校長「それでは、今日は生徒会の山田先生が癌で入院する事になり、その代わりの先生を紹介します」
オールバックで無精ヒゲを生やした渋い男が壇上に上がった。
祥司「今日から、この学校に派遣された、篠原祥司だ。担当は公民だ、よろしく!」
永吉「以上、朝礼は終わり!各生徒は教室に戻れ」
朝礼は意外とあっさり終わった。
あおい「何か思ったより普通だったね」
リョウ「あんな普通そうな人が生徒会みたいなユニークな場所でやっていけるのか?」
その頃、ある場所では・・・。
豹牙「そういえば、麗亜の任務って何なんだ?」
真之介「あぁ、聞いてませんでしたか・・・」
豹牙「その時は総帥の所にいなかったんでな・・・」
真之介「結構重要な任務ですよ」
豹牙「重要?」
真之介「「河原さくら誘拐作戦」ですから・・・」
豹牙「河原さくら?・・・あぁ、河原紅蓮の姉とか言っていた女か・・・」
真之介「私も彼女も田中五郎の誘拐の時に気付いたんですよ、彼らの大きな弱点を・・・」
豹牙「弱点?」
真之介「彼らはお人よしです。知人を盾に脅迫すれば、簡単に身動き取れなくなる・・・」
豹牙「田中五郎の時は愛人を盾にする為に咲崎から俺と麗亜で誘拐してきたんだったな・・・」
真之介「まぁ、彼女は脅迫の材料になりますから、咲崎家の財産も頂いた様なものですよ・・・クーッククククククク・・・・」
豹牙「・・・ふぅ・・・。だが、そう簡単に事が進めばいいがな・・・」
真之介「大丈夫でしょう、彼らの人の良さに漬け込めば簡単です」
豹牙「・・・いや、中には動じない様な肝の据わった様な奴がいるんじゃないかとだな・・・」
真之介「いなくはないと思いますが、奴と彼女は無関係ですから、奴に関わりさえしなければ問題ないでしょう・・・・」
豹牙「・・・奴・・・、志村ジンか・・・」
真之介「あの学校にはあの男以上に肝の据わった奴は居ません。問題ないでしょう・・・」
場所は戻し、生徒会室・・・。何故かジンと祥司とあおいの3人でお茶会モードに入っている
ジン「初めまして、篠原先生。私が生徒会長の志村ジンです」
祥司「おう、よろしく」
あおい「あの・・・」
あおいは低腰で尋ねる。
ジン「なんだね?」
あおい「何で、あたしまで呼ばれているのかなぁ・・・と」
ジン「あぁ、生徒会と風紀委員の仲だ、一応挨拶くらいはした方がいいかと思ってな」
あおい「は、はぁ・・・。えっと、風紀委員長の河原あおいです」
祥司「・・・河原・・・?・・・もしかして、健太と翡翠の子か?」
あおい「!!先生、あたしの両親の知り合いなんですか!?」
祥司「あぁ、あの2人とは結構つるんでたよ」
あおい「へぇ・・・。昔はどんな感じだったんですか?」
祥司「あの2人、幼馴染でな。健太は物凄くお人よしで、翡翠は男勝りな感じだったな・・・」
あおい「あはは・・・、今とあんまり変わってないや」
祥司「そういえば、よく見ると翡翠の若い頃に良く似てるなぁ・・・」
あおい「親子ですからね・・・」
祥司「翡翠も若い頃はよく男子と間違えられる奴だった・・・。それ故にピントのズレた健太を引っ張ってたよ」
あおい「ピントがズレた・・・か。紅蓮やさくらにそっくりだ・・・」
祥司「・・・紅蓮、さくら・・・」
あおい「ん?どうかしました?」
祥司「あ、いや。何でもない(まさか、こんな近くにいるとはな・・・)」
あおい「さてと・・・」
あおいは席を立った。
ジン「もう戻るのかい?」
あおい「えぇ、今日はちょっと面倒な事がありそうなんでね」
祥司「面倒な事?」
あおい「こっちの話ですよ。篠原先生、また面白い昔話聞かせて下さいね」
祥司「あ、あぁ・・・」
あおいは生徒会室を出た。
祥司「・・・なるほど、彼女があの2人の姉か・・・」
ジン「えぇ・・・。しっかりしたタイプですよ・・・」
祥司「・・・フ・・・、あいつが何処までやれるか見ものだな・・・」
その頃、風紀委員室では・・・。
さくら「今日はちゃんと来たよ〜!」
カイ「たまには来ないと、あおいさんに迷惑ばかり掛けていられませんからね」
カイとさくらが入ってきた。
リョウ「っつっても、あおいはいないぞ」
カイ「あれ?」
リョウ「ジンさんとお茶会だとよ」
カイ「そうですか・・・」
そこに、
あすか「さくら〜、ちょうどいい所に!!」
さくら「あすかちゃん?」
あすか「どうしても解らない問題があってね・・・」
リョウ「こいつ、冬の補修が掛かってるからな」
さくら「とりあえず、見せてみ・・・」
さくらは言葉に詰まった。
あすか「ここなんだけど・・・」
さくら「・・・・」
リョウ「ん?どうした、さくら」
さくら「・・・貴女、誰?」
さくらはあすかを汚らわしいものを見るかの様な目で見た。
あすか「何言ってるの!?あたしは神崎あすかよ!」
さくら「違う!貴女は、あすかちゃんじゃない!!」
リョウ「おいおい、落ち着けよ。一体どうしたって言うんだ?」
さくら「だって、あすかちゃんは・・・」
そこに、
ガラガラガラ・・・
あおい「ただいま〜」
さくら「お姉ちゃん!この人誰?」
さくらは困った表情であすかを指差した。
あおい「・・・あすかでしょ・・・。見れば解るじゃん・・・」
さくら「そんな・・・」
あすか「流石は心の友!あたしの事よく解ってくれてるじゃん!」
あおい「あ、そうだ。あすか、ちょっと付き合ってくれる?」
あすか「ん?どうかしたの?」
あおい「ちょっと、手伝って欲しい事があってね・・・」
あすか「いいよ、付き合うわ」
あおい「じゃ、あすか連れて行くから皆仲良くね」
あおいはあすかを連れて出た。
楓「どうしたんだろう・・・、あおいさん・・・」
さくら「あれは絶対あすかちゃんじゃないよ。どうして誰も信じてくれないの?」
誠也「ん?焔、どうかしたのかい?」
誠也は楓の態度に気にかけた。
楓「いや、あおいさん・・・。確か、今日は予定がないとか言ってたんだよ」
誠也「でも、今さっきあすか先輩連れて出たよな?」
楓「気になる・・・」
さくら「楓ちゃんは信じてくれるのね!?」
楓「・・・確かに、今朝のあすかさんはどうも変だった様な・・・」
誠也「気になるなら、付けてみる?」
さくら「尾行するよ、楓ちゃん!」
楓「ウチもですか?」
誠也「僕も付いていくよ」
3人は委員室を出た。
体育館倉庫・・・。あおいはあすかをここに連れ込んだ。
あすか「それで?運び出したいのって、どれ?」
あおい「・・・・」
バタン・・・
あすか「・・・あおい?」
あおい「・・・もういいよね?猿芝居はそのくらいにしたら?」
あすか「ちょ、ちょっとあおい!?何言ってるの?」
あおい「本物の神崎あすかは何処に行ったか、聞いているんだよ・・・」
あすか「何言ってるの!?あたしは本物だよ!?本物の・・・」
あおい「これでも、本物と言い切る?」
あおいはあすかの顔を掴んだ。
ビーッ!!
麗亜「!!」
あおい「やっぱり・・・」
麗亜「あんた、どうしてあたしが神崎あすかでないと解った!?」
あおい「今朝、会った時からかな・・・」
麗亜「な、何!?」
あおい「本物のあすかは香水の匂いって、凄く嫌うんだよね・・・」
麗亜「え!?」
あおい「そんなに嫌いな香水を付けて登校してきた時点で変だと思っていたよ」
麗亜「バカな!?じゃぁ、何でさっきはさくらの前でそれを暴露しなかった!?」
あおい「余計な人を巻き込みたくないからかな・・・」
麗亜「ちっ!要注意人物欄に入っていないからと見て油断したが、河原あおい・・・、とんでもない奴かも!?」
あおい「さぁて、本物のあすかを返してもらおうか・・・」
麗亜「バカにしないで!あたしだって、暁団の四天王よ!お前みたいな名もない小娘にやられる程ヤワじゃないのよ!」
あおい「じゃぁ、腕の方も試してみたら?」
麗亜「後悔しても知らないよぉ!!」
麗亜はあおいにかかっていった。
その頃、ある場所の地下牢屋では・・・。
あすか「う〜ん・・・。あれ・・・」
本物のあすかが捕らえられていた。
あすか「ここは・・・牢屋!?何であたしが・・・。・・・は!昨日の夕方に出たあの女か!?」
【回想】
昨日、あおいが風紀委員室を去った後の事・・・。
あすか「いってぇ・・・。ん?」
麗亜「はぁ〜い」
あおいと入れ違いで麗亜が入ってきた。
あすか「ん?あんた誰?」
麗亜「あたし?あたしは篠原麗亜、以後宜しく〜」
あすか「それで、あたしに何か用?」
麗亜「貴女はちょっとスィートルームでお寝んねして貰わなくちゃならないのよねぇ〜」
あすか「遠回しに嫌味言ってくれるじゃん・・・。何が狙い?」
麗亜「河原さくらの誘拐・・・」
あすか「!!」
麗亜「確か、貴女は彼女と6年も一緒に暮らしてるのよね?」
あすか「さくらの誘拐にあたしを使おうっての?いい度胸してるじゃん・・・」
麗亜「ククク・・・」
あすか「このあたしが誰だか解っての考えなんだろうね?」
麗亜「えぇ、貴女の事は全てお見通し・・・。四神流・玄武・・・、風神の使い手・・・」
あすか「四神流の事まで知っているのねぇ・・・。いいよ、風の力みせてあげる!!」
2人は体育館裏へ行った。
体育館裏・・・。
あすか「さてと、あんたにさくらを誘拐させないからね!」
麗亜「フフフ、それはどうかな?」
麗亜はヌンチャクを取り出した。
あすか「ヌンチャク・・・。中国拳法か・・・」
麗亜「忠告してあげる!貴女はあたしに勝てない!絶対にね!」
あすか「へぇ、凄い自信じゃない・・・。だけど、あたしに武器は聞かないよ!!」
あすかが拳を振ると、麗亜に向かって突風が吹いた。
麗亜「きゃっ!!」
あすか「この時期は乾燥してるからねぇ、しかもこの地域は空っ風っていう冷たい空気も多い。あたしにとっては好都合なんだよね」
麗亜「なるほど、確かにこのままで闘えば、こっちが不利かもしれないね・・・」
あすか「そう・・・。この冷たい北風があたしの味方・・・。じめじめした風の少ない夏に来ればよかったね」
麗亜「(まったく、本当にこいつの言う通りだよ。間違えなく・・・。ん?)」
あすか「いくよ!玄武大旋風!!」
麗亜「(そうだ!)アタァー!!」
麗亜は壁を蹴り、あすかの頭上を飛び越えた。
あすか「背後に回ったって同じだ!!」
あすかはもう1発玄武大旋風を放った。
麗亜「よし、もらったぁ!!」
あすか「え!?」
麗亜は風の流れに身を任し、あすかに近づいた。
あすか「しまった!!向かい風!!」
麗亜「風使いともあろうものが情けないねぇ、風向きを忘れるなんて!!」
あすか「ぬ、ぬかせぇ!!」
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