梅雨の中休み。久し振りに雨のない朝の事。
リョウ「久し振り晴れた日に限ってあの委員長と別々にゆっくり来れていい気分だぜ・・・」
そんな呑気に朝にのんびり登校している時だった。
少年「ひゃっほ〜い!」
ドカッ!
リョウ「のわっ!」
リョウはローラープレート少年に刎ねられた。
リョウ「何するんだ!」
少年「へへ〜ん!トロイよ〜、先輩さんよ〜」
リョウ「このガキィ・・・」
少年「追いつけるもんなら追い付いてみな!」
リョウ「ちぃ!」
その少年は颯爽と逃げ切った。
リョウ「あんのガキィ〜!ただじゃすまされねぇ・・・・」
第4話 ストリートスポーツ少年
出目金「ほい、風紀委員長さん」
あおい「どうも」
出目金「今年は生徒会が勝たせてもらうよ〜」
あおい「いや、今年はウチに強力な新戦力があるから残念だね」
あおいはチラシを生徒会三銃士の1人佐藤から貰った。
カイ「お、今年の委員会対抗スポーツ大会ですね?」
あおい「うん、今年は・・・”スケボーテクニック大会”・・・」
カイ「スケボーテクニックですか・・・」
あおい「あたし、スケボーってやった事ないんだよなぁ・・・」
カイ「僕も興味なくて、さっぱりなんですよ」
まなみ「ねぇ、何それ?」
あおい「あぁ、毎年恒例の部活・委員会対抗のスポーツ大会だよ。生徒会が景品を用意してくれるんだ」
カイ「一昨年はテニス大会でね。僕とあおいさんでテニス部破って優勝したんですよね」
あおい「そ、景品がそこにかかってる時計がそうだよ」
リョウ「確かに、小さい委員会の部屋にしては立派な掛け時計だとは思っていたが、景品だったんだな・・・」
カイ「はは、やはりリョウも気になってましたか。去年、美雪さんも言われました」
あおい「それはそうとさぁ、あんた何かあったの?」
リョウ「な・・・何もないよ」
あおい「そっかなぁ・・・。何かピリピリしてない?」
リョウ「気の所為だよ」
ガラガラガラ・・・・
美雪が入ってきた。
美雪「すみません、HRが長引いちゃって・・・」
あおい「いるよね、そういう困った教師」
美雪「あ、まなみちゃん。ちょっといい?」
まなみ「いいよ」
美雪「こないだの例の引き篭もりの生徒って何て人だったか解るかしら?」
まなみ「あぁ、1年F組の雅刀真之介くんだよ」
美雪「有難う」
リョウ「へぇ、まなピーって人の名前覚えるの得意なんだ」
美雪「そうなんですよ。彼女の特技は友達を作る事なんです。だから、ちょっとでも関わった人の名前と顔を忘れないらしいんですよ」
リョウ「羨ましい限りだねぇ。歴史とか得意なのか?」
まなみ「うん、好きだよ。日本史」
あおい「まなちゃんはあんたと違って優秀だからねぇ」
リョウ「し・・・失敬な・・・。これでも体育と数学には自身あるんだよ!」
あおい「まぁ、あたしらは何か1つは特技あるからね・・・」
リョウ「ほぅ・・・」
あおい「まなちゃんは友好が得意で、美雪ちゃんはか弱い生徒の説得、カイくんは頭脳派な手段、んであたしは・・・」
リョウ「どうした?」
あおい「何故か睨むだけで怖がられるんだよね・・・」
リョウ「あぁ、解る。眼光の影に鬼が見えるし」
あおい「え!?小さい頃、格闘技やってたのがまずかったかな・・・」
リョウ「ほぅ・・・。委員長はつまり武力行使・・・と」
あおい「失敬な・・・」
美雪「まぁまぁ。あ、それじゃ私雅刀君の所に行ってきますね」
あおい「あ〜、頼んだよ」
ガラガラガラ・・・ピシャン
美雪は風紀委員室を出て行った。
リョウ「あ、そうだ。まなピー」
まなみ「何?」
リョウ「相談なんだけど、確か緑色のネクタイは1年だよな?」
まなみ「そうだよ。ちなみに青色が2年で赤色が3年ね」
リョウ「それはともかく、1年でさぁ。赤い帽子被ってるすばしっこい小さい男のガキいなかった?」
まなみ「赤い帽子?あぁ、知ってるよ。虹谷誠也くんだね」
リョウ「虹谷か・・・・」
まなみ「彼が何か?」
リョウ「いや、こっちの話だよ」
あおい「あんた、あの子に逃げられたでしょ?」
リョウ「うぐっ!何故それを・・・」
あおい「あたしもカイくんも逃げられちゃってね・・・」
カイ「妙にすばしこくってあっさり逃げられちゃうんですよね」
リョウ「1年の中では強敵って事か・・・」
あおい「殴り合いとか睨み合いになれば勝てそうなんだけどね・・・」
リョウ「委員長の場合、殴らなくても勝てそうだけどな」
あおい「うるさいよ」
リョウ「まぁ、いいや。委員長もカイも逃げられてるならな・・・」
あおい「こればかりはね・・・」
リョウ「じゃ、俺はまなピーと見回ってくるよ」
まなみ「んじゃ、いってきます」
ガラガラガラ・・・ピシャン
リョウとまなみは風紀委員室を出て行った。
あおい「仕方ない・・・・・・か・・・」
カイ「ふ・・・」
あおい「何よ〜」
カイ「あおいさんもリョウも素直じゃないですね」
あおい「・・・バレた?」
カイ「あおいさんが1度逃した程度で諦める性格ではないという事は解ってますよ。それにリョウも・・・」
あおい「あいつ絶対あの子捕まえる気だろうね・・・」
リョウ「まなピー、ジュース奢ってやるよ」
まなみ「わ〜い!」
その時だった。
誠也「うらぁ!」
げしっ!
リョウ「いってぇ、誰だ!?・・・お・・・お前は・・・」
誠也「やっほ、先輩また会ったね〜」
リョウ「虹谷誠也・・・。お前を今すぐ風紀委員室に連行してやる!」
誠也「連行?僕に追いつけないと無理だと思うよ〜」
リョウ「あ!待て、コラ!!」
誠也はローラープレートで颯爽と逃げ、リョウとまなみは全然追いつけない状態だった・・・。
リョウ「くそ・・・これじゃ朝と同じだぜ・・・」
まなみ「わ〜い!追いかけっこ〜♪」
リョウ「まなピー!裏を掻いて反対から回ってくれ!」
まなみ「りょ〜かぁ〜い!」
まなみは校舎を逆走した。
誠也「おや?先輩〜、僕と一騎打ちかい?無謀だねぇ!」
リョウ「このガキィ・・・」
誠也はリョウを挑発しつつ、上手く逃げ回っていた。
その頃の風紀委員室・・・。
あおい「ねぇ、リョウってさぁ・・・。絶対あの子追ってるよね・・・」
カイ「リョウは中途半端が嫌いな性格ですから、あおいさんみたいに」
あおい「な・・・何よ、あたしとあいつが似てるみたいに言わないでよ」
カイ「そうですか?僕はあおいさんとリョウは見た目は似てないけど、性格はそっくりだと思いますよ」
あおい「・・・あたしはそんな風に見られてたの?傷つくなぁ・・・」
カイ「そういう言い方は彼が傷付きますよ」
あおい「悪かったよ・・・」
のんきに雑談シャレ込んでいた・・・
話は戻し、リョウは・・・相変わらず挑発されまくっていた。
誠也「どうしたい?そろそろ息が切れるかな?」
リョウ「俺を甘くみるな!この程度で息切れする訳にはいかないんだよ!」
誠也「まったく、プライド高いなぁ・・・」
リョウ「高くて結構!俺はお前みたいな奴をのさばらすのが嫌いなんだよ!」
そんな時だった。
まなみ「だい〜ぶ〜!!」
誠也「おわっ!」
リョウ「ぐえ」
誠也はまなみをかわし、リョウがまなみの下敷きになった。
誠也「あ、危なかった・・・」
まなみ「リョウちんごみ〜ん・・」
リョウ「なぁに、軽いもんだ。・・・ちぃ」
リョウはまなみの頭を掴んだ。
まなみ「んにゃ?」
リョウ「・・・逃がすか!こいつを喰らえ!!」
ビューン!
まなみ「ひょえぇぇぇええええ!!」
リョウはまなみを投げ付けた。
どかっ!
誠也「どわっ!!」
リョウ「よっしゃ!ストライク」
飛ばされたまなみは見事誠也にヒットした。
まなみ「リョウちん、人使い荒いよ〜」
誠也「まぁ、いいや。今のうちに」
まなみ「捕まえた〜!逃がさないよぉ〜」
誠也「うぇ!・・・・・」
まなみ「んにゃ?何?」
誠也「か・・・可愛い・・・」
リョウ「まなピー・・・。どしたの?」
まなみ「よく解んないけど、捕まってくれた」
リョウ「さてと、散々苦労させたんだ。それなりに痛い目見て貰おうかなぁ・・・」
誠也「ひ・・・ひぃいい!」
リョウ「・・・と、行きたいんだが、俺以外にもヤりたい奴が2人程いるんだ。とりあえず連行しようか」
誠也「う・・・うわぁ、こ・・・殺されるぅ〜」
風紀委員室に戻ってきた。
リョウ「委員長!例のガキ捕まえてきたよ。まなピーの手柄だけどね」
まなみ「えへへ・・・」
カイ「それじゃ、どう料理します?あおいさん」
あおい「う〜ん・・・。無駄な殺生は避けたいんだよねぇ・・・」
誠也「せ・・・殺生!?」
カイ「まぁまぁ、いきなり脅しちゃ駄目ですよ。じっくりと料理してあげないと・・・ククク・・・」
誠也「りょ・・・料理!?」
リョウ「じゃぁ、何かペナルティーで与えちまえば?」
カイ「ペナルティーですか・・・」
あおい「あ、そうだ!」
あおいは生徒会が持ってきたチラシを出した。
あおい「じゃぁ、この大会に風紀委員会代表で出てよ」
カイ「それはいいですね。僕達こういうスポーツはやった事なくて、君ならやった事ありそうですし」
誠也「それで帳消しになるなら、喜んでやらせて頂きますとも!」
あおい「あ、ついでだから、風紀委員にならない?」
誠也「え?」
あおい「いやぁ、このままあたし達卒業しちゃうとここ今はいないけど、美雪ちゃんとまなちゃんだけになっちゃうんだよね」
まなみ「いいね、ソレ。ねぇ、入ってく・れ・る?」
誠也「・・・。よ・・・喜んで〜!!!」
それから1週間後、スケボーテクニカル大会で誠也は見事に優勝し、景品が届く日になった。
リョウ「そういや、今日は例の景品が届く日だったよな?」
カイ「あぁ、そういえば兄さんがそういう事言ってましたね」
リョウ「エアコンとか言ってたっけ?」
カイ「えぇ、ウチの委員会室狭いから暑さ充満するから欲しいってあおいさんも言ってました」
リョウ「涼しい委員会室か・・・楽しみだねぇ」
ガラガラガラ・・・
リョウ「おーす・・・。ん?」
カイ「随分暑いですねぇ?」
リョウ「あ・・・い、委員長?」
あおい「・・・」
カイ「放心してますねぇ・・・」
美雪「あ、神崎先輩に志村先輩」
リョウ「美雪ちゃん、委員長のやつどうしちゃったんだ?」
美雪「あぁ、原因はアレですよ」
美雪は不自然な冷蔵庫を指差す。
リョウ「冷蔵庫か・・・。それが何か?」
カイ「いや、何で冷蔵庫がここにあるんですか?」
リョウ「そういえば、不自然だな・・・」
美雪「実は・・・、運んでた途中で壊されちゃって、生徒会からコレで我慢してくれと冷蔵庫が・・・」
リョウ「な・・・なるほど・・・」
そこに、まなみと誠也が入ってきた。
まなみ「あおいちゃん、料理部からケーキ貰っちゃった」
誠也「委員長さん、農産部からスイカ貰ってきました」
リョウ「お、スイカにケーキか。いいねぇ」
カイ「いやぁ、急に役に立ちましたね。冷蔵庫」
リョウ「まったくだ、ははは」
あおい「・・・何か、損した気分・・・」
完
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