風紀42:真剣勝負!あおいVS豹牙
 
12月30日午後2時、国際展示場ビッグサイト。西館1階。
葉月「ったく、交通マヒし過ぎやでまったく・・・」
豪醐「仕方ないだろう、この人盛りだ」
拓也「それにしても、人が多過ぎるべな?おら、こんなギョウサン人見るん初めでだべさ」
葉月「まるで、初詣を思い出すわ〜」
永吉「それにしても、本当にここに捕まった奴らがいるのか?」
葉月「あおい姉ちゃんの話では間違いない筈やで」
永吉「その河原は何処にいるんだよ!?」
豪醐「あおい義姉さんはあくまで囮だ。朝一で出て行ったから、このビッグサイトの何処かにいるだろう」
葉月「それよりも今は捕まった連中や・・・。それに、ゴリの事も・・・」
豪醐「はづ坊・・・、心配するな。俺達がゴリを絶対に戻してやる・・・」
拓也「そうだべさ、オラ達を信じてくれればええべよ」
葉月「豪兄ちゃん・・・、脂肪先輩・・・」
拓也「し、脂肪!?」

風紀42:真剣勝負!あおいVS豹牙

午後1時、国際展示場ビッグサイト。東ホール2階。
豹牙「フン、やはりこうなっていたか・・・」
あおい「くっ、やっぱり・・・あんただったんだね・・・」
フィール「お、おい、その左目一体何が・・・?」
あおい「気にしないで、痛みは大した事ないから・・・」
真之介「ぐっ、豹牙・・・」
豹牙「真之介、お前ここまでやられてしまうとはな・・・」
真之介「気を付けた方がいいぞ、この女・・・。半端な強さじゃねぇ・・・。どんな卑怯な手を駆使しても勝てねぇんだ」
豹牙「・・・」
真之介「お前でも勝てない可能性が高い・・・。そうだ、俺と手を組もうぜ!俺とお前で組めば勝てる!!」
豹牙「・・・・」
楓「き、汚いよ!!男なら1対1で正々堂々とやりなよ!!・・・って、あ・・・」
あおい「楓ちゃん?あたし、女なんだけどねぇ〜」
楓「あ、あおいさん!!こ、これは言葉のあやっていうかその・・・」
豹牙「フ、そこのくの一の言う通りだな・・・」
楓「ほえ?」
豹牙「俺はお前と組んでやり合う気はない」
真之介「な、何!?お前、自分で何言ってるか・・・」
豹牙「俺はお前の様な足手まといと組んだ方が充分手負いだ。・・・失せろ」
真之介「て、てめぇ!!言っていい事と悪い事が・・・」
豹牙「それともう1つ。お前は任務失敗者だ、それが何を意味するかはお前が一番よく知っている筈だな?」
真之介「ぐっ!!いいぜ、俺は前からお前が嫌いだったんだ。この手で返り討ちにしてやるぜぇ!!」
真之介は豹牙に向かってかかって行った。
キーン!
真之介「な!!」
豹牙は左手1本で、真之介の刀を弾き飛ばした。
真之介「お、俺の刀を素手で・・・」
豹牙「お前、あおいの言っていた言葉を忘れたのか?」
真之介「何!?」
豹牙「俺とお前では格が違うって事だ・・・」
真之介「ぐぐっ・・・」
豹牙「ふぅ、まさかこの俺が同僚を手に掛けねばならんとはな・・・」
真之介「う・・・ぅわぁぁぁああああああああああああっ!!!た、助けてくれぇぇええええええええっ!!!」



真之介は血相を抱えて逃げ出した。
豹牙「遅い・・・」
ザシュザシュザシュ!!
豹牙は一瞬で追いつき、真之介を一瞬で八つ裂きにした。
真之介「ぐぁっ・・・」
ドサ。
フィール「は、疾い・・・。何て野郎だ・・・」
楓「この技・・・、初めて見る技じゃない・・・。何処かで・・・」
わかば「ま、まさか、九条は・・・」
豹牙「こんなカス殺すまでもない・・・。安心しろ、生きてはいる」
あおい「情けを掛けたつもり?」
豹牙「フ・・・、俺は情けなど誰にも掛けないさ。余計な情は命取りになるからな・・・」
あおい「・・・そういう所、やっぱりあんたらしいよ」
豹牙「場所を移すぞ。こんな狭い所ではやりにくいだろう」
あおい「了承、いい場所を頼むよ」
4人は豹牙の後についていった。

同時刻、地下牢。
あすか「ちょ、ちょっと・・・。とんでもないのが出てきちゃったよ!?」
リョウ「おい、ハヤト。もしかして、今の奴が・・・」
ハヤト「焔豹牙その人だ」
ジン「こいつはヤバイな・・・。あの九条を一瞬で片付けるなんて・・・」
リョウ「ちっ、こんな時ブルーがいてくれたら・・・」
ジン「ああ、私達が動けない以上、残ったブルーだけが頼りだ・・・」
ハヤト「リョウ・・・、よく見ておくといいかもしれねぇ」
リョウ「え?」
ハヤト「イブの日に河原が俺に語った事が事実なら・・・」
リョウ「あおいが?」
ハヤト「河原あおいと焔豹牙は因縁の対決なのかもしれねぇ・・・」
リョウ「ど、どういう事だ!?」
ハヤト「俺にも詳しくは知らないが、河原と焔豹牙は何か深い関係があるらしい・・・」
リョウ「あおいとあの男がか・・・!?」
あすか「ちょ、ちょっと待って!あたしはあおいと付き合って長いけど、あんな奴会った事ないわよ!?」
ジン「それ以前に、ハヤトと信頼関係の深い先輩であるのに、あすか君とお前の出会いがこの間の夏というのもおかしくなる・・・」
ハヤト「そりゃ、そうだろうぜ。高校に入ってから、人付き合いが悪くなって、友達もいなかったからな・・・」
リョウ「だが、はっきりしてる事が2つある・・・」
あすか「2つ!?」
リョウ「1つは、それでもあいつが楓ちゃんの兄貴であるって事・・・」
あすか「あぁ!!そういえば・・・、苗字が同じ・・・。じゃぁ、まさかあいつが・・・!?」
ハヤト「楓の探していた兄の焔豹牙だ」
あすか「な、何てこった・・・」
リョウ「それともう1つ。あおいにとってあいつが特別な存在である証拠があるって事だ・・・」
あすか「え!?と、特別な証拠!?」
リョウ「あすか、お前はあおいと付き合って長いと思うから言うが、あおいの左目を見てみろ」
あすか「左目!?」
あすかはじっとテレビ画面のあおいの顔を見た。
あすか「あれ?何か黄色っぽくない?」
リョウ「イブの日にも同じ事があったんだ・・・。紅蓮が誘拐された時に・・・」
ハヤト「何!?」
リョウ「あおいの左目は何故かあいつに反応すると金色に輝くらしい・・・。それで、俺とあおいは紅蓮の誘拐に気付けたんだ」
ハヤト「数歩遅かったけどな」

ビッグサイト、東4〜6ホール外。
豹牙「流石に一般人達は逃げ出した様だな」
あおい「無理もないよ。あんな事あったんだから、巻き込まれる前に逃げないとって思うのが普通さ」
その時、あおいにフィールが語りかけてきた。
フィール「おい、どうする気だ?」
あおい「え?」
フィール「あいつ、あの真之介を一撃で倒したんだぜ。勝てる見込みはあるのか・・・?」
あおい「・・・さぁ。・・・・・・だと勝てないかな・・・」
フィール「お、おい・・・。ど、どうするんだ!?」
あおい「・・・まぁ、成り行き任せかなぁ〜・・・」
フィール「おいおい、そんないい加減な事でいいのか?俺も手を貸してやる。2対1なら・・・」
あおい「・・・」
あおいの目付きが真剣になった。
あおい「・・・先生、悪いけど・・・。そうもいかないですよ」
フィール「何!?」
あおい「あたしはアイツにケリを付けなくちゃいけないから・・・」
フィール「そうか・・・。だったら、存分にやってこい」
あおい「・・・サンキュー、先生」
豹牙「・・・いくぞ・・・」
あおい「・・・いくよ・・・」
2人は同時に向かって行った。
豹牙「フッ!!」
あおい「おっと、もらった!」
豹牙「甘い!!」
バキ!!ドカ!!



豹牙「くっ!!」
あおい「あ・・・う・・・・」
あおいの左ストレートが豹牙の顔面にヒットし、豹牙の膝蹴りがあおいの腹にヒットした。
楓「あ、相打ち・・・」
フィール「フッ、こいつは予想以上に見ものだな・・・」
楓「うん・・・。あの2人の実力がまさかこんな僅差だったなんて・・・」
豹牙「流石はあおいだ。あの瞬時に攻撃を喰らわされたのは初めてだ・・・」
あおい「あんたもね、豹牙。あそこで膝が来るなんて思わなかったよ。急所は外したけど、結構効いたかな」
豹牙「やはり、真剣勝負は僅差だからこそ面白い!!」
豹牙はあおいに向かっていった。
あおい「同感!差があり過ぎってのは正直つまらないからね!!」
あおいは豹牙の攻撃を避け反撃した。
豹牙「それに、俺のスピードについてこれた奴はお前くらいだ・・・・」
豹牙はあおいの蹴りを避け胸倉を掴んだ。
あおい「し、しまった!」
豹牙「焔忍法!!イズナ落とし!!」
ゴスっ!!
あおい「ぐっ!!」
楓「い、今の技は・・・何処かで・・・」
フィール「こいつは面白い。見ている方が燃えてくるぜ」
あおい「くぅ・・・まさか、あそこで投げが来るなんて・・・」
豹牙「甘い!!」
あおい「やばっ、避けきれ・・・」
豹牙が白虎刀であおいの胸部目掛けて攻撃してきた。
あおい「くっ!!」
キーン!!
豹牙「な、何!?」
あおい「・・・・」
あおいは刀をジャンパーごしの腕で防御して、何故か無傷だった。
豹牙「・・・なるほどな・・・」
あおい「!!な、何を納得している・・・!?(まさか、感づかれたか・・・)」
豹牙「あおい、そのジャンパー脱げ・・・」
あおい「きゃっ、何考えてるのよ!このスケベ!!」
豹牙「誰も全部脱げとは言っていないだろう・・・」
あおい「・・・(完全に感づかれてる・・・)」
豹牙「・・・そうか、だったら悪く思うな・・・」
あおい「え!?」
豹牙は一瞬であおいの目の前まで来た。
フィール「は、疾い!!」
ガスッ!
あおい「くっ!」
あおいはギリギリで豹牙の蹴りを防御したその瞬間。
豹牙「脇がガラ空きだ!」
ドスッ!
あおい「あうっ!!」
あおいの脇腹に豹牙の回し蹴りがクリーンヒットし、吹き飛ばした。
あおい「くっ!」
あおいは何とか受身を取りダメージを最小限に抑えたが、
あおい「え?うそ・・・!?」



端に追い詰められてしまっていた。
豹牙「その隙もらった!」
あおい「し、しまっ・・・」
豹牙は焦ったあおいの隙を突いて、胸倉を掴み、上空に放り投げた。
楓「あ、あおいさん!?」
豹牙「これで、終わりだ!!」
バキッ!!
あおい「うわっ!!」
あおいは豹牙の空中蹴りを喰らい外に出され・・・
あおい「げっ!!」
ドボーン!
そのまま東京湾に落ちた。
豹牙「・・・フッ、バカな奴だ・・・。欲を張らねばこういう目に遭わずに済んだものを・・・」
楓「で、でも・・・あおいさんは泳げるよね?先生」
フィール「た、多分大丈夫じゃねぇか?」
豹牙「まぁ、普通ならな・・・」
楓「ど、どういう事!?」
豹牙「あいつの着ていたあのジャンパーに、重い鉄板が仕込んであったのさ・・・」
楓「て、鉄板!?」
フィール「それでジャンパーごしに防御して無傷だったのか・・・」
楓「じゃ、じゃぁ・・・」
豹牙「残念だがな、あんな重い鉄板が仕込まれたジャンパーを水中で脱げる奴はそうそういない・・・」
楓「そんな・・・・」
フィール「だが、俺達だって付属じゃねぇ・・・。やれるだけはやってやる!!」
楓「先生!?」
フィール「蜂の巣にしてやるぜっ!!」
フィールはコートからライフルを持ち出し、
ズダダダダダダ・・・・
豹牙目掛けて撃ちだした。
フィール「うぉぉおおおおおっ!!」
豹牙「それが、どうした?」
フィール「何!?」
ビシッ!!
フィール「ぐおっ!!」
ドサッ!
フィールは豹牙の飛び蹴りを喰らいダウンした。
楓「せ、先生!?」
豹牙「歳を取ったな、フィール。もはや、俺の相手にならん・・・」
楓「こ、この・・・。よくも、ハヤさんもあおいさんも先生も!!」
豹牙「そこのくの一。怪我したくなかったら、とっとと帰れ」
楓「何!?」
豹牙「大人しく立ち去るなら、お前だけは見逃してやってもいいぞ」
楓「ふざけないで!!ウチは、みんなを傷つけたアンタなんか倒してやるんだから!!」
楓は豹牙に乱れ手裏剣をお見舞いした。
豹牙「それがお前の答えか・・・。ならば、止むを得ん・・・」
キーン!!
豹牙は白虎刀を取り出し、楓に斬りかかり、楓は腰の小刀で防御した。
豹牙「中々の動体視力だ。いい動きをする・・・」
楓「これでも、お兄ちゃんに鍛えてもらったんだから!!アンタみたいな悪党に負けられないんだよ!!」
豹牙「甘いっ!」
シャキーン!!
楓「くっ!」
楓の小刀が弾かれ、楓は丸腰になった。
楓「そ、そんな・・・」
豹牙「相手が悪かったな・・・。これで終わりだ・・・」
その時だった・・・。
???「させるかぁっ!!!」
バキッ!!
豹牙「ぐおっ!!」



急に謎の影が現れ、豹牙にジャンピングアッパーを喰らわせた。
???「・・・・」
楓「あ、貴女は!?」
ブルー「暗殺拳・四神流・三種神器・・・「鬼」・・・。ブルーとでも呼んでくれればいい・・・」
楓「ぶ、ブルー!?」
フィール「な、何!?ぶ・・・ブルーだと!?」

同時刻、会議塔内では・・・。
総帥「おぉ!!遂に出て来たな!!ブルーよ・・・」
B.さくら「あおいちゃんじゃなくて残念でしたね」
総帥「フフ、そんな事はどうでもいい。これで豹牙がこいつを倒して捕まえてくれば、我が野望は・・・」

同時刻、地下牢。
あすか「あれが・・・ブルー・・・」
ジン「私も素顔を見るのは初めてだが、確かにリョウ君の言っていた通りだな・・・」
リョウ「まぁ、アレで目付きが悪くなければあおいと同一だったんだけどなぁ・・・」
ハヤト「・・・・」
リョウ「どうした?」
ハヤト「・・・いや、何でもない・・・」
リョウ「ツレないな、相変わらず・・・」
ハヤト「(ありえない、先輩が楓に手を上げるなんて・・・。一体何があったって言うんだ・・・?)」

場所を戻して・・・。
ブルー「まぁ、そういう訳だから。2人は下がってくれるかな?あとはボクが1人で引き受けるよ」
フィール「頼んだぞ、ブルー!!」
豹牙「痛ぅ・・・。流石にさっきの不意打ちは効いたぞ・・・」
楓「あ・・・・!!」
フィール「ど、どうした嬢ちゃん!?」



楓「そんな・・・、お兄ちゃん・・・」
フィール「え!?」
楓はさっきの攻撃の衝撃でターバンの脱げた豹牙を見た瞬間、兄と断定した。
豹牙「む?俺はお前なんて、知らん。それよりも・・・」
楓「え・・・?」
豹牙「猿芝居がこの俺にも通じると思っているのか?」
フィール「さ、猿芝居だと!?何の事だ?」
豹牙「何がブルーだ?目付きを変えただけじゃないのか?」
ブルー「え!?」
豹牙「・・・そうだろ?あおい・・・」
ブルー「!!」
楓「え!?」
フィール「何!?」
豹牙「さっきの服は海で濡れたから、着替えた。それだけだろ?」
あおい「・・・ふぅ。やっぱり、あんただけは誤魔化せない様だね、豹牙!!」
楓「!!」

同時刻、会議塔。
総帥「何!?あれが河原あおい!?」
B.さくら「目付きが全然違いますね」
総帥「それにしても、どうやって見抜いたんだ!?」
B.さくら「どうやってだろう・・・?」

同時刻、地下牢。
リョウ「あ、あおい!?まさか、そんな・・・」
ジン「だが、これで九条真之介が相手にならなかった理由も納得が行く・・・」
あすか「それと、あの時ジンを倒した理由もね・・・」
ハヤト「ちっ、不吉だぜ。今すぐにでも、その場に掛け付けてやりたいくらいだ・・・」
リョウ「な、何でお前が・・・?」
あすか「そうよ!リョウとかジンならともかく・・・」
ハヤト「河原の事じゃねぇ。楓の事だ・・・」
あすか「か、楓・・・!?」
リョウ「!!忘れていた、本人同士が気付いていないだけで、兄妹が対面しているんだった・・・」
ハヤト「それだけじゃねぇ、焔豹牙を見てみろ・・・」
リョウ「ん?何か変わった様な感じが・・・?」

場所を戻して・・・。
あおい「・・・豹牙、あんたは確かに曲がった事が嫌いで脅迫にも乗らない奴だと思っていたよ。暁の総帥の命令も理由があるんだと思う・・・」
豹牙「・・・・」
あおい「でも、あんたは今やってはいけない事をしようとした・・・。それだけは許せない・・・」
豹牙「・・・らしくないな。綺麗事か?」
あおい「・・・何とでも言いな!でもね、この子だけは傷付けちゃ駄目だろ・・・」
あおいは楓を肩で軽く抱きかかえた。
豹牙「その女がどうした?俺はこの間1度会ったきりだ」
楓「!!」
あおい「豹牙・・・!!」
楓の表情が暗くなった。
あおい「・・・これだけはやりたくなかったんだけど、どうやら制裁を喰らってもらうしかないみたいだね」
あおいの目付きがツリ目に変わり、両眼とも金色に輝いた。
豹牙「・・・やっと本気になった様だな・・・」
あおい「まぁね。あんたを本気で叩きのめすならこれくらいやらないと駄目みたいだから・・・」
楓「あ、あおいさん・・・やめて・・・!!」
あおい「・・・楓ちゃん?」
楓「ウチ、これ以上2人が傷付くのを見たくない・・・。もう・・・やめて・・・」
楓は涙を流した。
あおい「・・・下がってくれる?楓ちゃん・・・」
楓「いやっ、どうしても・・・」
あおい「退けっ!!」
楓「っ!!」
あおいは鬼眼で楓を睨んだ。
フィール「嬢ちゃん・・・。こっちへ・・・」
楓「せ、先生・・・」
フィール「これ以上、関わっちゃいけねぇ・・・。あおいは、アンタの為に怒ってくれているんだ・・・」
楓「ウチの為に・・・」
フィール「俺達は大人しく見ているしかねぇのさ」
フィールは楓を優しく抱いて、見守った。
あおい「それじゃ、いくよ!!」
豹牙「こいっ!!」
あおいは豹牙に猛スピードで近寄った。
楓「は、疾い!!」
フィール「こいつは俺の目じゃ追えねぇ!!」
豹牙「ちっ!!」
豹牙はギリギリであおいの攻撃に対応し、避けた。その瞬間!!
あおい「そこだ!!水龍拳っ!!」
ボン!!
豹牙「何!?」
あおいは青い水圧と気圧の合わさった気弾を放った。
豹牙「ぐおっ!!」
楓「なっ!?い、今の技は!?み、見た事がない!!」
フィール「ば、バカな!!あの技は!!」
楓「先生!?」

同時刻、会議塔。
総帥「な、何だと!?」
B.さくら「そ、総帥?」
総帥「フフ・・・冗談がキツいな・・・」
B.さくら「(総帥が怯えてる?)」

同時刻、地下牢。
あすか「ちょ、ちょっと!?今の技って・・・」
リョウ「間違いない・・・四神流・青龍の技だ・・・」
ジン「まさかと思っていたが、本当に青龍の鬼だったんだな・・・」
あすか「青龍の鬼!?それって!?」
ジン「四神流・三種神器・鬼。それは、四神流のいずれかを極めた者の事・・・」
リョウ「だが、青龍と朱雀は精神力が弱いと制御不能になる危険がある・・・」
ジン「だから、先祖代々その危険が薄い玄武を極めるのが基本と言われているが・・・」
あすか「・・・なるほど、それで・・・」
リョウ「あすか?」
あすか「あおいの精神力の強さはあたしが一番良く知ってるよ。確かに、ありえない位に昔から根性があったね」
ジン「つまり、あおい君だからこそ扱えたという事か・・・」
リョウ「・・・あおい・・・」

場所を戻して・・・。
豹牙「四神流、青龍か・・・。とんでもない鬼もいるもんだな・・・」
楓「青龍!?」
あおい「まぁ、相手が悪かったって事だよ、豹牙」
豹牙「そう、相手が悪かったな・・・。あおい・・・」
あおい「え?あたし!?」
豹牙「お前、黒雷虎子がかつて何の鬼だったか、知っているか?」
あおい「え!?何だったっけなぁ・・・?」
豹牙「白虎だ・・・」
あおい「えっ・・・?白虎・・・?」
豹牙「そして、俺の師匠もかつて、白虎の使い手だった・・・。その意味が解るか?」
あおい「・・・まさか、白虎の意思を受け継いだって事!?」
豹牙「それだけじゃない。この刃の白い刀は白虎刀という・・・。黒雷虎子の形見だ・・・」
あおい「・・・なるほど・・・。確かに、そう考えると不利だなぁ・・・」
楓「ど、どういう事?先生・・・」
フィール「四神流には属性があって、それぞれ弱点となる属性が存在するという事だ・・・」
楓「ぞ、属性!?」
フィール「例えば、さっきあおいが使った技は水属性のある技だ。それに対抗が出来る雷属性の白虎・・・」
楓「なるほど、水は電気をよく通しますものね・・・って、やばいやん!!」
フィール「だが、あおいもただの青龍じゃない。青龍を極めた鬼だ・・・。ただではやられないと思うが・・・」
楓「・・・つまり、死闘になるって事ですよね・・・」
フィール「まぁ、つらい顔するなよ、嬢ちゃん。暁総帥は炎属性だ。あおいの方が有利なんだぜ」
楓「でも、やっぱりこの死闘を見届けなくちゃいけないのはつらいです・・・」
豹牙「雷光双牙襲っ!!」
豹牙が雷の宿った2本の短剣であおいに襲い掛かった。
あおい「甘いっ!!蒼天龍昇拳っ!!!」
あおいはその隙を突いて、アッパーを繰り出す。
豹牙「甘いのはお前だ!!」
びしっ!!
あおい「ぐあっ!!」
あおいのアッパーを避けた状態で、豹牙は蹴り上げを喰らわせた。
豹牙「さっきの技は一度見た。タイミングさえズラせば勝てない技じゃない!!」
あおい「くっ!!」
楓「どっちも、凄い・・・。殆ど互角だ・・・」
フィール「お嬢ちゃん、アンタには見えてるのか?あの動き・・・」
楓「これでもウチも忍者ですから、目は鍛えてあるんです。でも、あの素早さは・・・」
フィール「つまり、どっちが勝ってもおかしくないって事か・・・」
あおい「龍神迅速脚っ!!」
豹牙「ちっ、その技は一度見た!!その隙はもらった!!」
あおいの素早い蹴りを避け、豹牙は斬り掛かりに行った。
あおい「そう来ると思ってたよ!!天魔哭龍拳っ!!」
豹牙「な、何!?」
スドドドン!!
豹牙「ぐああっ!!」
反撃を予測したあおいの気弾が豹牙を地面に叩きつけた。
あおい「ふぅ・・・、そろそろ降参したら?」
豹牙「ハァハァ・・・、そのセリフをそのまま返す!怪我したくなかったら、降参しろ」
フィール「流石にアレだけ動けば息も上がってくるか・・・」
豹牙「・・・あおい!」
あおい「ん?」
豹牙「・・・お前との戦闘、楽しかった。互角のギリギリの闘いを味わえたのは本当に久し振りだ・・・」
あおい「・・・フッ、あたしも13年振りだよ。ここまで本気にさせた相手は・・・」
豹牙「・・・だが、ケリを付けさせてもらう!!」
楓「ま、まさか!!」
フィール「どうした!?」
楓「先生、お兄ちゃんあの技を・・・羅刹斬を使うつもりだ!!」
フィール「羅刹斬?」
楓「あのニヤケ顔の二重人格男を一瞬で葬った技・・・」
フィール「な、何!?」
豹牙「・・・今、楽にしてやる・・・」
豹牙は一旦剣を閉い、
ヒュッ、ヒュッ!!シュパッ!!
豹牙「瞬獄羅刹斬っ!!!」
あおい「!!」
豹牙は一瞬であおいの懐に入り、
シュパパパパパパパパパッ!!ザシュ!!
一瞬で切り刻んだ。
楓「あおいさん・・・」
豹牙「・・・!!」
あおい「・・・それで?」
あおいは平然と立ち、身体の傷は増えていなかった。
豹牙「バカな!!あの技を避けられる訳が・・・。・・・!!」
あおいの足元に氷の粒が散乱していた。
あおい「残念だけどね、その技は1度見てる。こっちも学習はしてるんだよ・・・」
豹牙「ちっ!」
あおい「(とはいえ、あまり技を見せ過ぎると不利だ。こっちも一撃で決めるしかないか・・・)」
あおいは目を閉じ、右腕を引き構えを変えた。
豹牙「な、何っ!?」
氷の粒が1粒転がったその直後!
あおい「!!」
あおいは目を開けた、その一瞬!
あおい「一撃必殺っ!!龍の拳っ!!」
豹牙「何っ!?」
あおいの真っ直ぐな右正拳突きが豹牙を襲う。
豹牙「くっ!!」
ズドーン!!
豹牙「な、何だと!?」
豹牙は何とか攻撃を避け、あおいの拳は太い柱に当たった。その瞬間、
パラパラパラ・・・
太い柱は石粒の様に粉々に散った。
フィール「な、何て破壊力だ!?尋常じゃねぇ!!」
楓「あ、あんな一撃まともに入ったらヤバイよ・・・」
あおい「ちぇっ、外したか〜。やっぱり、豹牙は侮れないなぁ・・・」
豹牙「ちっ、流石はあおいだ。最後の最後まで俺に緊張感を与える・・・」
あおい「でも、互いに最高の一発を見せちゃったからお相子かな〜」
豹牙「フッ、それじゃぁ・・・。どっちの最高の技が上か決着を着けるか・・・」
あおい「・・・それで充分!やっぱ、気が合うね」
フィール「次の互いの一撃で決着が着く・・・」
楓「・・・・」
豹牙「瞬獄羅刹斬っ!!」
あおい「龍の拳っ!!」
ドーン!!
2人の大技が同時に炸裂した。



あおい「・・・・・・」
豹牙「・・・・・・」
あおいの拳は豹牙の鳩尾にしっかり入り、豹牙の黒豹牙はあおいの胸に刺さっていた。
楓「あ、相打ち・・・」
フィール「どっちも戦闘不能か・・・」
その一瞬、
あおい「くっ・・・」
あおいがその場で跪いた。
楓「そんな・・・、あおいさんが負けた・・・」
フィール「ちっ、最悪だ・・・」
その瞬間・・・。
豹牙「・・・・」
ドサッ。
豹牙はその場で倒れて気を失った。
楓「あれ?相打ちなの!?」
フィール「互角の闘いで、引き分けか・・・」
あおい「・・・いや、勝ったのはあたし・・・だよ・・・」
あおいはその体制でガッツポーズを見せた。
フィール「やったじゃねぇか!あおい!!」
楓「うっうっ、うわぁぁぁあんっ!!あおいさ〜ん!!」
楓は泣きながらあおいに抱きついた。
あおい「いたたっ、楓ちゃんやめて・・・。やめてよ・・・」
楓「え?」
フィール「傷が痛むか?」
あおい「痛むというか・・・、あまりの緊張で腰が抜けて立てない・・・」
あおいは照れながら腰を支えて言った。
フィール「それより、こいつ。どうするんだ?」
あおい「目を覚ますまで待とう。どうせ、闘う力残ってないだろうし・・・」
フィール「だったら・・・」
フィールは倒れた豹牙を抱き上げ、
あおい「フィール?」
フィール「よっと!」
あおい「ひゃうっ!!ちょ、ちょっと!?」
フィールは気絶した豹牙にあおいの膝まくらをさせた。
あおい「フィール、やめてよ!こっちは生太ももなんだから・・・」
楓「先生、最低!」
あおい「ったく、立てないからって遊ばないでよね」

同時刻、地下牢。
リョウ「ぬあっ!あのやろ!!」
ジン「焔豹牙、気絶しているとはいえ何て羨ましい奴なんだ!!あおい君の生の太ももの上で膝枕だなんて!!」
リョウ「いいなぁ、生の太ももの上で膝枕なんて・・・」
あすか「ハヤト〜♪膝枕してあげようか・・・」
ハヤト「断る、俺はそんな趣味はねぇ・・・」
あすか「ちぇ〜!」

そして、10分後・・・。
豹牙「くっ・・・」
あおい「目が覚めたみたいだね」
豹牙「む?何か後頭部が暖かいな・・・。って、うおっ!?」
あおい「気付くの遅いよ・・・」
豹牙は慌てて起き上がった。
豹牙「・・・ふっ、まぁいい・・・。俺の負けか・・・」
あおい「まぁ、こっちも危ない所だったんだけどね」
あおいは服の中から青い勾玉を出した。
あおい「偶然、あたしの勾玉に刺さったお陰で助かったんだ・・・。流石はサファイアの原石で出来てるだけあって丈夫だよ」
豹牙「それが・・・」
あおい「へ?」
豹牙「それが、総帥の探していた最後の青い勾玉・・・。蒼く済んだ美しい勾玉だな・・・」
あおい「最後の勾玉?」
豹牙「他の勾玉なら、既に総帥の元だ。あと1つ、その勾玉が総帥の元に届くと、奴の希望が叶う・・・」
フィール「何だと!?」
あおい「なるほどね・・・。だったら、尚更総帥に会わないとだね・・・」
豹牙「いいだろう、少し休んで回復したら案内してやる」
あおい「そうしてくれると嬉しいなぁ、腰が立たなくて・・・」
豹牙「お前ら、俺が気絶してる間に変な事してないか?」
フィール「そうだなぁ・・・・確か・・・」
あおい「何もしてません!!」
あおいは強引にフィールのセリフを消した。
豹牙「その間こちらも聞きたい事がある・・・」
あおい「ん?何かな?」
豹牙「お前じゃない。そっちのくの一娘の方だ」
楓「ウチ!?」
豹牙「お前、俺の事「お兄ちゃん」と呼んでいた様だが?俺の何だ?」
楓「酷いよ、忘れたの?」
豹牙「忘れた何も、お前と会うのは2度目だ」
フィール「嬢ちゃん、そういえばこいつのターバンが外れた時に正体が解ったんだよな?」
楓「うん、昔のウチの知ってるお兄ちゃんそのものだったから・・・」
あおい「だったら、その当時の君にあって今ないものがあるんじゃない?」
楓「当時あって、今ないもの・・・?・・・あ!もしかして・・・」
楓は髪止めを外し、髪を下ろした。
豹牙「なっ!お、お前は・・・」
楓「思い出した?」
豹牙「か、楓・・・!?そんなバカな・・・」
あおい「豹牙、楓ちゃんはね、あんたがいなくなってからずっと心配していたんだよ・・・」
豹牙「!!」
あおい「楓ちゃんはあんたにとって何よりも大事なものだよね?その楓ちゃんを泣かせた・・・」
豹牙「ちっ!!俺は何をやっていたんだ・・・!!楓の為に大金を稼ぐべく暁に入ったというのに・・・」
あおい「・・・豹牙・・・」
楓「そう・・・だったんだ・・・」
豹牙「俺は楓を養えれば、犯罪に手を染めてでもと思っていた・・・」
楓「それは間違ってるよ、ウチお金よりお兄ちゃんに一緒に居て欲しかった。心細かったんだよ・・・・」
豹牙「楓・・・すまない・・・」
楓「・・・もう、いいよ」
豹牙「楓!!」
豹牙と楓は抱き合った。
あおい「これで一件落着だね、フィール」
フィール「そうだな・・・」

同時刻、西館1階・・・。
豪醐「はづ坊!!下がってろ!!」
葉月「豪兄ちゃん!!」
メカゴリ「ジャマデゴワス!!」
バキッ!!
豪醐「ぐおっ!!」
葉月「豪兄ちゃん!!」
豪醐はその場に倒れた。
拓也「じょ、嬢ちゃん、に、逃げるんだべ!!」
豪醐「お、お前まで巻き込む訳には・・・」
葉月「・・・目を覚ませや!ゴリィィィィイイイッ!!」
メカゴリ「オ、オジョウ・・・ウググッ!!」

場所を戻して・・・。
豹牙「・・・楓、あおい、それとフィール・・・・」
フィール「どうした?改まって・・・」
豹牙「今更こういう事を言うのもアレだが、俺も同行させてはもらえないだろうか・・・」
あおい「・・・どうする?楓ちゃん」
楓「もちろん!当然じゃない!!」
豹牙「有難う、楓・・・」
こうして、敵側の焔豹牙が味方になり、焔兄妹は完全に和解したのだった・・・。

同時刻、会議塔。
総帥「おのれ・・・、豹牙め・・・。我が暁を裏切るとは・・・」
B.さくら「とんでもない事になっちゃいましたね、総帥」
総帥「実に厄介だ、あの河原あおいと豹牙が手を組むとは・・・」
B.さくら「でも、所詮は人間じゃないですか。あたしの相手にもならない・・・」
総帥「・・・やれるのか?」
B.さくら「もっちろ〜んです!!」
総帥「では、遠慮なくやってしまえ!!豹牙諸共な!!」
B.さくら「かしこまり〜♪」
さくらは会議塔を去った。

同時刻、場所不明・・・。
???「ふぅ、おさまったか・・・。それにしてもさっきの胸騒ぎは一体・・・?」
???「どうやら、河原あおいと焔豹牙がやりあったらしいな・・・」
???「やっぱり・・・。道理で眼帯の中が痛んだ訳だ・・・」
???「それともう1つ別に嫌な胸騒ぎもある・・・」
???「まさか、勾玉が回収されているのか?」
???「それも、既に4つが綺麗に集められている。恐らく、紅蓮がやられたんだろうね」
???「それにしても、一体誰が!?」
???「それは解らんが、近いうちルビー・サファイア・エメラルド・トパース・ダイヤモンド・・・。5つの勾玉が集まるだろうな」
???「でも、楽しみだね。次のバカな犠牲者が誰か・・・。ねぇ、虎子ちゃん」
黒虎「・・・全く持ってその通りだな・・・」

遂に姿を見せた黒雷虎子。暁総帥は全ての勾玉を揃えられるのか!?手を組んだあおいと豹牙に潰されるのか!?
そして、ゴリとさくらは正気に戻れるのか!?

続