ガッタン・・・ゴットン・・・
柳「きゃぁぁああっ!痴漢よ!この人痴漢よ!」
???「・・・フ・・・」
パシャ!
写真部部室。
誠也「先輩、写真出来ました?」
写真部部長「おう!全部現像出来てるぜ」
誠也「じゃ、持っていきますね」
写真部部長「ネガはどうする?」
誠也「万一の為に預かっててもらえますか?」
写真部部長「あぁ解った」
風紀7:利用と信頼
誠也が風紀委員室に戻ってきた。
誠也「委員長さん持ってきたよ」
あおい「あぁ、ども」
誠也「ところで委員長さんその写真、何でこの常習犯捕まらないんですか?」
あおい「う〜ん、多分どっかの上層部に変な金でも流れてるんじゃない?」
カイ「確か一度生徒会と組んで捕まえて警察に届けたんですよね」
あおい「でも、1時間もかからないで釈放されちゃったんだよね・・・」
誠也「一体どうなってるんでしょうね」
あおい「警察に圧力がかかってるんじゃない?」
カイ「どうします?これがウチの生徒と知れてますし」
あおい「・・・また罠にかけてみようかな・・・。誠也くん、写真部の人から出没しそうな時間帯とか聞いてるでしょ?」
誠也「はい」
あおい「あたしと美雪ちゃんで罠にかけるから、カイくんはPC部に行ってこの生徒の関係者について詳しく調べてくれない?」
カイ「解りました」
あおい「誠也くんは写真部にまた行ってきて。とりあえず、写真は全部焼きまわして用意しておいて」
誠也「また行くんですか?」
あおい「準備が出来次第、まなみちゃんを送って命令を待って」
誠也「喜んでやらせて頂きます!」
あおい「あ、そういや演劇部に行けば鬘があったよね?」
カイ「ありますね」
あおい「ちょっと借りてこよ」
誠也「鬘なんているんですか?」
あおい「あたしは悪い意味で学校の有名人だからね。この短い髪で行ったらバレちゃうでしょ」
誠也「有名人は大変ですね。もちろん悪い意味で」
『1番線より電車が発車します』
あおい「何とか間に合ったね、美奈子」
美雪「えぇ、危なく遅れるところだったわ、茜」
???「(お?いい女子発見!ウチの生徒にあんないいのがいたのか・・・オレとした事がぬかったぜ)」
7分後・・・。
ガッタン・・・ゴットン・・・
美雪「きゃぁ!痴漢よ〜!」
あおい「あんたが痴漢ね!」
???「へへっ!あんたもやられたいかい?」
あおい「そうだね・・・折角だし・・・」
あおいが鬘を外した。
???「ふ・・・風紀委員長!?」
あおい「ちょっとあたし達とデートしよっか〜」
美雪「いいですね〜フフフ・・・」
???「こっちは風紀委員の嘉藤美雪か!?」
あおい「まったく、あたし達が美少女に変装しただけで引っかかるなんて相当問題だね、君は」
あおいと美雪はその生徒を捕獲して風紀委員室に縛り付けた。
リョウ「美雪ちゃん!痴漢に遭ったんだって?」
美雪「フフ・・・。大丈夫ですよ、河原先輩がいましたから」
???「フン、警察でも何処でも好きな所に送れよ。それで満足だろ?」
リョウ「ん?誰だ?」
あおい「痴漢の常習犯だよ。名前は藤田圭吾、ウチの学校の2年生だよ」
リョウ「そうか、こいつが犯人だな?殴っていいよな?」
あおい「ダメだよ、折角のチャンスなんだから彼は完全無傷で決着を付けるんだからね」
藤田「何を企んでるかは知りませんけど、どういう結果になっても文句はなしですよ、風紀委員長さん」
あおい「泣きを見るのはどっちの方かな〜」
その頃、生徒会室。
ジン「おや?教頭。何か用ですか?」
教頭「やぁやぁ、元気にやってるかね?志村くん。君にちょっとした話があるのだが」
ジン「何です?」
教頭「君にいいプレゼントがあるのだが」
ジン「いいプレゼント?」
教頭「君達生徒会にお小遣いをあげようと思うんだよ」
ジン「お小遣い?」
教頭「ほら、1人1束ずつ用意してあるんでね。仲良く貰ってくれないかね?」
ジン「どういう風の吹き回しですか?」
教頭「それが、今風紀委員が捕まえた事件があるではないか」
ジン「詳しくは知りませんが、それが何か?」
教頭「君達にはどうしても関与して欲しくなくてね」
ジン「教頭、お主も悪よのぅ・・・」
教頭「生徒会長様こそ・・・ホホホホホ・・・」
ジン「解りました。私達は関わらない様にします」
教頭「風紀委員にも渡してきましょうかね」
ジン「それはやめた方がいいですね。風紀委員長は結構お堅い性格ですから」
教頭「そうか・・・」
教頭は生徒会室を出て行った。
ジン「中村・・・」
中村「何でしょう?」
ジン「あおい君の所に行ってくれないか?」
中村「了解ッス」
中村は風紀委員室へ向かった。
そんな頃の風紀委員室。
ブルブルブル・・・
あおい「おっと、メールがあたしを呼んでいるぅ〜」
リョウ「誰からだ?」
あおい「知り合い〜♪ほうほうほう・・・なるほどね」
ガラーッ!
中村「委員長さん!」
リョウ「よぅ!使いさん」
中村「使いじゃねぇよ」
あおい「修理したてのドアを乱暴に扱わないでよね」
中村「だから〜そういう問題じゃないんだよ!」
あおい「何かあったの?」
中村「実は会長が教頭に賄賂貰っちゃってさぁ・・・」
リョウ「賄賂!?」
あおい「教頭!?」
中村「下手すれば近いうちにアンタにも圧力がかかるぜ、委員長さん」
藤田「ひゃぁ〜はははははははっ!早速オレの為に働いてくれた素敵な教頭だぜ」
中村「んだとぉ?てめぇ!」
ガシッ!
あおい「暴力はダメ!」
中村「ちっ!」
藤田「なぁに、世間はオレの味方だぜ。どんな手を使ったって裁く事は出来ねぇさ」
中村「てめぇ!!」
あおい「中村っ!」
中村「解ったよ・・・。とりあえず、俺が協力出来るのはここまでだ。後はアンタ達が落とし前付けてやんな」
そう言って中村は去っていた。
あおい「ドアくらい閉めてってよね」
その時だった。
教頭「河原さん、ちょっと・・・」
あおい「・・・教頭・・・」
教頭「中に入っていいかね?」
あおい「どうぞ。リョウ、彼匿っておいて」
リョウ「あいよ」
あおい「話は何です?藤田君を釈放しろと?」
教頭「話が早いな。まぁ、捕まえてきた本人だけに当然か・・・」
あおい「残念ですけど、お引取り下さい。あたしはこれ以上彼をのさばらすのは風紀委員長として許せないので」
教頭「やはり固いな、志村ジン君とは大違いだ・・・」
あおい「えぇ、上層部にもみ消されてはこっちも腹立たしいのでね」
教頭「流石に二度目はない・・・か・・・。君にいいプレゼントがあるのだが」
あおい「何です?」
教頭「この200万の札束、貰ってはくれないだろうか」
あおい「残念ですけど、お断りします。別にそんなにお金には困ってないんですよ」
教頭「本当に固いな、君は」
あおい「生徒に賄賂ですか?恥じゃないんですか?貴方は」
教頭「まぁまぁ、釈放だけでこんな大金が転がり込むんだぞ。いい事じゃないか・・・」
あおい「申し訳ないですけど、あたし達は誰も受け取りませんよ。それに、風紀委員として犯罪に手を染める気はないですから」
教頭「く・・・。どうなっても私は責任取らんからな!」
あおい「どうぞ、ご自由に」
教頭は怒って出て行った。
藤田「本当に頑固なんですね、委員長さん」
あおい「生徒相手に汚職をする大人は許せないからね」
藤田「教頭から金貰ってオレを釈放した方がいいと思うぜ。最悪の事態が起こるからな」
あおい「リョウ、もういいよ」
リョウ「あ・・・ああ」
あおい「君の言う最悪の事態ねぇ・・・。大体想像が付くんだよねぇ〜」
藤田「ほぅ・・・」
リョウ「どういう事だ?」
あおい「警視正のパパが助けてくれるとでも言うんでしょ?」
リョウ「警視正だと?」
あおい「本名は藤田栄一郎、52歳。腕は確かな警視正、それが彼の父親だよ」
藤田「随分詳しいじゃないか、委員長さんよぅ」
あおい「恐らく過去12回の痴漢騒動での逮捕も全て父親の権力や賄賂でもみ消され速攻で釈放・・・」
リョウ「酷い話だな・・・」
あおい「リョウ、美雪ちゃん連れてここから離れてくれない?用件はメールで送るから」
リョウ「何を始めるつもりだ?」
あおい「彼のパパとやり合うのに余計な重荷は背負う訳にはいかないからね」
リョウ「解った。無事でいろよ」
美雪「じゃぁ、私も」
あおい「美雪ちゃん、途中でまなちゃん拾っておいて、用件は既にメールで済ませたから今生徒玄関にいる筈だよ」
美雪「手配が上手ですね」
あおい「こないだ会長に怒られたからね。あすかとさくらちゃんは別の用事与えたからここはあたしと彼だけになるんでね」
リョウ「俺達が帰ってくるまで生きてろよ」
あおい「勝手に殺さないでよ」
と、言い残してリョウと美雪は去っていった。
藤田「アンタ、一体何を考えてるんだ?」
あおい「そのウチ解るよ」
藤田「オレのパパは立派な警視正だぜ。そう簡単に崩せるかな?」
あおい「そして、教頭もグルなんだよね?」
藤田「おう、そうだぜ」
あおい「藤田警視正と教頭は小さい時からの親友だったから・・・か・・・」
藤田「そういう事だ・・・」
その時、
警視正「圭吾っ!」
藤田「パパ〜助けてよ」
警視正「貴様ぁ〜これは何の真似だ!ウチの息子に何をする!」
あおい「藤田警視正ですね。サイレンの音が聞こえなかったけど単独で来たんですか?」
警視正「息子の救出に相手が女子生徒1人となれば、私1人で十分だろう・・・」
あおい「まぁ、それもそうですね。こっちとしても都合が大変いいですし」
警視正「お前の狙いは何だ?息子を監禁して何する気だったんだ?」
あおい「彼には何も危害は加えてませんよ。他の委員にも殴るなと言ってきかせてますので、かすり傷1つ付けてません」
警視正「じゃぁ、何をする気だったんだ?」
あおい「彼は過去12回以上電車で痴漢行為をして捕まっている事はご存知ですね?」
警視正「さぁ?何の事だね?私は聞いてないな」
あおい「それもそうでしょう・・・。貴方が全てもみ消してなかった事にしたのですから」
警視正「どういう意味だ?」
あおい「証拠はあるんですよ。以前生徒会と組んで彼を捕まえて警察に送って釈放されてから、今日までウチの1年生と写真部の小柄な生徒に頼んで彼を尾行させましてね」
警視正「何だと?」
あおい「あれから、10回以上痴漢で捕まったという証拠写真を盗撮させました。これがその証拠です」
藤田「ひ・・・ひでぇよ!オレを盗撮させるなんて・・・」
警視正「これを警察に提出しようと言う訳だな?」
あおい「まっさかぁ〜。そんな事したって貴方の権力やその上層部の方々に簡単にもみ消されて終わっちゃいますよ」
警視正「ほう・・・随分と頭の回転が速いんだな・・・」
あおい「伊達に風紀委員長を3年間やってませんからね」
警視正「・・・お前の目的はマスコミだな・・・」
あおい「ご名答、流石は警視正ですね。警察に届ける前にマスコミに公表してしまう。そうすれば、貴方の権力を使ってももみ消すのは難しいでしょうし」
警視正「ククク・・・本当に頭がいいな。だがっ!」
あおい「ん?」
バキッ!
あおいは警視正に頬を拳で強く殴られた。
あおい「痛ぅ・・・。あっ!写真!」
警視正「残念だったな。所詮はただの女子供、警察を舐めるなよ。写真さえ奪えばこっちの物だ」
警視正はポケットからライターを出した。
あおい「すみません、ここ完全禁煙なんで、喫煙は御遠慮頂きたいんですけど」
警視正「誰もタバコを吸うとは言ってないさ」
警視正は封筒ごと火をつけ窓の外に投げ捨てた。
警視正「さ〜て、これでお前はただの迷惑小娘で終わる訳だ」
あおい「そういう訳にもいかないのが世の中なんですよね」
あおいは胸のポケットからヘッドホンステレオを取り出した。
警視正「なっ!き・・・貴様ぁ〜」
あおい「彼をここに連れてきてから今この瞬間までの会話を全て録音したテープです。これを公開したらどうなるか・・・」
警視正「本当に賢いな・・・お前・・・」
あおい「これには貴方だけではなく、貴方の友人のウチの教頭の賄賂話も入ってますし、こんなテープをマスコミに知れたらどうなりますかね?」
警視正「どうやら・・・お前は賢過ぎた様だな・・・」
警視正はあおいに拳銃を向けた。
警視正「さぁ、どうする?お前はこれから死ぬ事になる、そしてテープは抹消。後は私が上層部を煽って無かった事にするだけだ」
あおい「やれるものならやってみて下さいな。警視正さん」
警視正「渡す気なしと見た。お前は即刻射殺する」
藤田「パパ〜やっちゃえやっちゃえ〜!」
警視正「おう!パパはかっこいいって所を見せてやるぞ!圭吾」
あおい「・・・・」
パンッ!
その時、校舎前では・・・
女子アナ「ちょっと今の何?銃声?」
リョウ「まさか、委員長撃たれたんじゃないか?」
カメラマン「何だって!?」
美雪「か・・・河原先輩が!?」
女子アナ「急ぎましょう!」
あすか「女子アナさ〜ん!こっちです〜!」
女子アナ「貴女は?」
あすか「こいつの姉です。それより、風紀委員室に案内します。急いで着いてきて下さい!」
女子アナ「解ったわ!」
カメラマン「待って下さ〜い!」
あおい「くぅ〜・・・」
あおいは何とか頬を掠った程度で済んだ。
警視正「かわしたのか?」
あおい「いえ、偶然当たらなかっただけです」
警視正「でも、テープがこうなっては聞く事は出来ないよな?」
あおい「あ・・・」
テープは破壊されていた。
あすか「あおい〜っ!!」
あすかが報道員を連れながら走ってきた。
あおい「あすか来ないでっ!」
警視正「お前の仲間か?ついでだからこいつも殺っておくか・・・。後でもみ消せば問題な・・・」
女子アナ「すみません!藤田警視正ですよね?群馬テレビの者です!」
警視正「なっ!?何でこんなに早くマスコミが!?」
あおい「あぁ、騙して悪かったですね。あなたが来る前からずっとテレビ局の近くにウチ1年生と写真部の人を待機させていたんですよ」
藤田「何だと!?じゃぁ、パパが来る前に出て行った2人は?」
あおい「校門の前で案内役として回しただけだよ。あと、藤田警視正さん」
警視正「な、何だ!?」
あおい「あの燃やされた写真はダミーなんですよ。ネガは写真部にあって、既に焼きまわしが済んだ後なんで、アレは燃やされても問題なかったんですよね」
警視正「な・・・なんだとぉ!?」
あおい「あと、報道員さん。このテープ差し上げます」
あおいはスカートのポケットから別のヘッドフォンステレオを出した。
警視正「貴様ぁ〜!2つも仕掛けていたのか」
あおい「わざわざ手の内明かす程頭は悪くないんですよ」
女子アナ「まさか、貴女こうなる事を予想してここまでしてくれたのね?」
あおい「えぇ、撃たれるとまでは予想外でしたけど。あ〜、そうそう警視正さん」
警視正「何だ?」
あおい「ウチのPC部の人があたしに銃突きつけた場面をデジカメに撮影してテレビ局と警察にメールで送信したそうですよ」
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